ICOとは
この人の手を離さない。 僕の魂ごと、離してしまう気がするから。 |
生贄としてささげられた頭に角を持つ少年(イコ)が、同じように捕らえられていた少女(ヨルダ)の手を取り、霧に包まれた城を逃げ出す。
派手なアクションは一切なく、武器は棒だけ(剣なども入手可能だが、ずっと後半)。崩れかけた迷路のような城の中を、手探りで出口を探してさまよう。
このゲームの特徴として基本的に常に少女の手をつないだまま進む。少女は少年より運動能力が劣る(というより少年の身体能力が高い)ため、時には少女へ呼びかけて誘導し、時には少女が届かない距離の段差や崖に手を差し伸べ、少女が通れるように工夫して進まなければならない。非常に思いやりに溢れたゲームである。
城の中を進んでいくと、たまに正体不明の「影」が襲い掛かってくる。影は少女をさらって黒い穴に引きずり込もうとするので、少年は時に少女の手を取って安全地帯まで逃げ、時にそれを追い払いうことで少女を守らなくてはならない。影にヨルダを奪還されてしまった場合、少年は石像に姿を変えられゲームオーバーとなってしまう。
発売当時はその「手を繋ぐ」という行為がゲームとしては新鮮で注目が集まった。操作法は簡単で、プレイ時間も短いが、プレイ後のなんともいえない満足感は大作にも引けをとらない。
演出も独特で、従来のアクションゲームのような「画面上に表示されるパラメータ類(HPやレベルなど)やゲーム的な演出」はほとんど存在せず、シンプルで独特の雰囲気に包まれた、細かく創りこまれた世界観が楽しめる。特にグラフィックの作り込みの高さとBGMの秀逸さは、当時の一般的なゲームとは一線を画していた。
難易度は少々高いが、男女関係なく子供から大人まで愛される作品となっている。
最低でも2周することをオススメします(2週目からの追加・隠し要素の他、新しい発見もある)。
BGM等の音楽作曲は、大河ドラマ「天地人」などで有名な大島ミチルや、別名義で「LAB」「Wanna Party?」等のBEMANIシリーズの楽曲を作曲しているpentagon(山崎耕一)が担当。
編曲やサウンドエフェクトは、「朧村正」「オーディンスフィア」「グリムグリモア」等でサウンドエフェクトを担当している金子昌晃。
メインテーマ「ICO -You were there-」のボーカルを担当したSteven Geraghtyは、ボーイソプラノグループ「libera」のメンバーである。
なお、小説界屈指のゲーマーとして知られる宮部みゆき氏(代表作:『模倣犯』『ブレイブストーリー』他)は、本作のノベライズを自身の手で行うことを熱望するほどの大ファンであり、実際に彼女による小説版が発売されている。
細かい設定はあえて伝えずに宮部氏が自由にふくらませる形式で執筆されたため、原作の雰囲気を踏襲しつつ新しい「もう1つのICO」として作品が仕上がっている。
なお、2011年9月22日に次作である「ワンダと巨像」と共に、PS3用ソフトとしてHDリマスターバージョンが発売され、さらに限定版として「ワンダと巨像」とのセットに特典ブックレットが付いた『ICO/ワンダと巨像Limited Box』も発売された。
2012年1月31日にはPS3用ダウンロード版も発売されている。
一見読めない象形文字のようなヨルダ語は、実は全て英語のアルファベットに置き換える事が出来る。もちろんその文章の意味も存在する。
日本語をローマ字で書き、それを逆にして発音し、それを訛らせたり母音を消したりしたもの、それがヨルダ語となっている。
アルファベットについては、「ヨルダ語 アルファベット」などでネット検索すると色々出てくる。日本語に翻訳するには、まずヨルダ語をアルファベット表記に直して逆から読み、その音に母音を付けるなどして出来た言葉と似た日本語を探せばいい。
ちなみに、「ヨルダ」の文字「yld」は逆にしない。その音こそがヨルダの名前なのだから翻訳する必要は無い。
(以下、ネタバレ防止のために一部反転表示してあります)
螺旋塔(檻があった場所)
ヨルダ:「esad ahtn」 → 「ナタハ ダセ」 → 「あなたは誰?」
ヨルダ:「kd ar eti on」 → 「ドコ ラ イテ ノ」 → 「どこから入ってきたの?」
正門(1回目)
クイーン:「ahs etk dio」 → 「サー カテ オイデ」 → 「さぁ 帰っておいで」
クイーン:「yld」 → 「ヨルダ」
ヨルダ:「on wti e」 → 「ノ イトハ 」 → 「あの人を」 (eは次の言葉に続く)
ヨルダ:「srq atms」 → 「クォラセ シマタ」 → 「おこらせてしまった」
クイーン:「ezn arkw」 → 「ナゼ ワカラ」 → 「なぜ わからぬ」
クイーン:「ahm iksont we」 → 「マエハ トノセカイ デハ」 → 「おまえは外の世界では」
クイーン:「ydnankytq」 → 「クィテユケナノダヨ」 → 「生きてはゆけないのだよ」
正門(2回目)
ヨルダ:「um ot ysx」 → 「モウ ト スクスイヨ」 → 「もうあと少しよ」
橋の上
ヨルダ:「nnmr(ノノモリ)」 → 「ありがとう」
(「ノノモリ(nonomori)」はエンディング曲の歌詞にも出てくるので、おそらくオリジナルです)
船着場
ヨルダ:「arn oys」 → 「ナラ サヨ」 → 「さよなら」
以下は文字が出てこない言葉なので予想です。
・首をフリフリして「ヤネっ」
「イァネッ(iane)」 → 「行けない(ikenai)」
・指差してヒントポーズ「イッコ!?」
「イッコ(ihccok)」 → 「こっち(kocchi)」
・指差してヒントポーズ「イノコッ! イノコッ!」
「イノコッ(inokok)」 → 「ここに(kokoni)」
・砂浜で、
「セ・・・イ・・・?」 → 「YES」 或いはイコや神官達の言語で「生きてる・・・?」
日本では一部のファンを除いてそれほど注目されてはおらず、売り上げも高かった訳ではないが、逆に日本国外では非常に評価の高い作品である。
ちなみに海外版の方が先に販売されており、日本版では海外版に比べて幾つかの改善や追加要素が施されている。
実際にゲーム関連のアカデミー賞と呼ばれるAIAS (The Academy of Interactive Arts and Sciences)において最多ノミネートを達成しているほか、国際ゲーム制作者団体 (The International Game Developers Association) の Geme Developpers Choice Awards においても6部門がノミネートされ、こちらも最多ノミネートとなっている。
ある人物がPS2版のICOを解析したところ、GNU GPLでライセンスされているライブラリの一つが入っていることが判明した。GNU GPLについてはこちら(Wikipedia)を参照してもらうとして、ここで問題になるのは、これでライセンスされているプログラムが使われているものは、他の人が参照できるようソースコードを公開する義務が生じる、ということである。
そのためかどうかは分からないが、2008年2月、発売から6年強ほどでPS2版は廃盤という措置が取られた。そのため、PS2版の新品の購入はまず不可能で、中古でしか入手できないレアものになってしまった。
しかし2011年9月22日に「PS3用・HDリマスターバージョン」が発売されているため、ICOをプレイすること自体が不可能になった訳ではない。今からプレイしてみたい人は、3D映像も綺麗なPS3版を買うといいだろう。
ちなみに2012年1月31日にはPS3のダウンロード版も発売している。
You Were There |
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255 ななしのよっしん
2024/01/13(土) 06:29:54 ID: vTdvSi1i8P
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257 ななしのよっしん
2024/10/09(水) 22:03:55 ID: mTB85Xnz+2
FM音源でICOのセーブポイントの曲
昨今のリメイクブームに乗ってICOもまたリメイクなり再リマスターしてほしいと思う一方、
意外とVRなんかとも相性がいいんじゃないかと思う次第。
片手はヨルダと手を繋ぎ、木の棒で影を追い払い、鎖を登って足場になる箱を運んで、
あの古城をVRで探検してみたい。無理ならせめてヨルダをイコの視点で眺めたい。
いかがですかソニーさん。トリコVRがあるならヨルダVRもあっていいと思うんですが。
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最終更新:2024/12/02(月) 20:00
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