はじめに
先日下記のような記事を書いた。
思いつきなどをさっと書くのはTwitter (X)、まとまったものはブログというここ数年の使い分けを見直して、あまりまとまっていないものもブログに書くようにしようかなと思ったのでこんな記事も書いてみることにした。
というわけで、この記事では今試している最中の感触について書いている。このサービスはこう使うと良いとか、実際の設定方法についてこの記事だけを読めば分かるようには書いていないので注意してほしい。
それぞれのツールの特徴(感触)
Zotero
使い始めたきっかけはLaTeXで共同執筆するということだったので、Mendeleyとかそのほかのいろいろある文献管理ツールと比較した結果これにしているわけではない。EndNoteはしばらくがんばって使ってみたのだけれどどうも合わずにまたZoteroに戻ってきてしまった。Zoteroは日本語の扱いにクセというかやや難があるのでJuris-Mを試さなければと思いつつなかなか手を付けられていない。
文献管理ツールならどれでも似たようなことができると思うのだけれど、Better BibTeXというアドオンを使ってLaTeX用の文献ファイル(bibファイル)を自動的に出力できるのが便利(設定によってZoteroの情報を更新したらbibファイルも自動的に更新するようなこともできる)。
ObsidianとNotion
このブログでは少し前にNotionの使い方について記事を書いたけれども、実は今メインのツールとしてはObsidianを使っている。NotionはNotionが得意な用途についてだけ使っているという感じ。
Evernoteからの移行先としてもよく名前を見るObsidianとNotionだが、かなり性格の異なるツールだというのがしばらく両方触ってみた実感である。Obsidianは(自分が書く)テキストの管理・取り扱いに優れ、Notionはデータ(データベース)の管理・取り扱いに優れている。
一応機能面だけ見ればNotionの方がより総合的なツールでObsidianの方がテキストに特化している、となるのかもしれない。Notionで大量のテキストを書いて管理して支障のない人もいるだろう。ただ自分にとってはたとえばMarkdownでHeadingの4, 5, 6がサポートされていないのがかなり使いにくい。
私としてはふだんの仕事や研究、生活の記録を自分で書いたテキストメインで管理するのがやりやすいようで自然とObsidianがメインになった。一方Notionでやる方が楽という作業も明確にあってサブのツールとしてはまだまだ必要。あとNotion AIがけっこう良く、まだまだ使い道が広がりそう。
ちなみにEvernoteの有料プランは先日の値上げを機にやめてしまった。そもそもその前からほとんど使わなくなっていたので値上げは最後の一押しという感じだったのだけれど、そんな私でも今のところEvernoteと「互換」とまで言えるツールはまだないんじゃないかという感触がある。一番代替を探すのが難しいのはwebクリップの機能で、OneNoteが一応そこそこ良い感じではある。それかwebクリップは諦めてpdf化とかで代替するとかしかないんじゃないだろうか。
この辺りのことはまた気が向いたらもう少し詳しく書いておこうかな。
ObsidianとZotero
ObsidianもZoteroもIFTTTやZapierなどを介してほかのサービスと連携することはできない。幸いObsidianの方にZoteroと連携するためのプラグインがある。
そのうち、Zotero integrationというプラグインを使った連携はまだうまくいっていない。一方CitationsというプラグインについてはZoteroと連携させてliterature noteを出力するところまでできた。こんな感じのノートができる。
Templateで指定することで、ノートのタイトル、論文の書誌情報などをすべてZoteroから引っ張ってきてメモの土台を作ることができる。設定のやり方としては、上でも少し触れたBetter BibTeXというZoteroのアドオンを使ってLaTeXなどで使う文献ファイル(bibファイル)を作成するという手順があるので、ふだんLaTeXで書かない人にとっては冗長というかムダに複雑に感じるかもしれない。
一度作成したliterature noteをZoteroの情報のアップデートに合わせて修正できないかどうか試したり調べたりしているところ。もしそれができたら今のところは満足かな。
NotionとZotero
ZoteroはAPIを介した連携ができないのでこの点はNotionよりObsidianが良いよなと思っていたら、Notion用のアドオンがZoteroの方で出てきていた。下のページに従ってやってみたらこちらも無事連携できた。
文献情報をデータベースとして管理したい場合はやはりNotionの方がやりやすそうなので、こっちの方が合っている人も多いかもしれない。そもそもNotionで文献管理している人自体が結構いるみたいだし。
ちなみにこちらはZoteroの方で文献情報をアップデートすると、それが自動的にNotionで同期しているデータベースに反映される。どうも逆はできないっぽく、Notionの方でたとえば著者名などを修正しても次に何かのきっかけでZoteroからの同期が起こるとZoteroの方にある情報で上書きされてしまうようだ。文献の情報はZoteroで管理して、それをベースにNotionの方で付加的な情報を足すというような使い方になるのだろうか。
おわりに
自分の使い方としては、研究用のメモ、ノートはやはりObisidianがやりやすいので、文献メモもObisidianで作ってリンクさせるような形が良いだろう。
これまでは面倒がって文献の情報はテキストに直接書いたりリンクをはるだけみたいにしていた。でもいくら検索・タグ機能に優れているとはいっても限界があり、もったいない見落としも出てきたのでObisidianでの文献(メモ)の取り扱いももう少しちゃんとやってみることにした。
Notionの方でも何かおもしろい使い方ができないかなとは考えている。今ところ思いつくのは、Notionだとほかのユーザーとの共有が比較的楽なのでゼミや授業用の文献リストをZoteroで作ってNotionで共有して何か(共同で)作業するというような用途かな。