ギルドさんの映画レビュー・感想・評価
ギルド@KAVALAN4254
名前のノート(2023年製作の映画)
【集積された声の痕跡から見える弾圧】
■あらすじ
第48回オタワ国際アニメーション映画祭出品。
ピノチェト軍事政権下で行方不明になった未成年者たちを追悼する重厚な「描き」アニメーション。映像、音響（>>続きを読む
アルプス(2011年製作の映画)
【故人気取りが故人になる】
■あらすじ
故人を演じる謎の集団“アルプス”。彼らは救急救命士、看護師、新体操選手とそのコーチで結成され、愛する人を亡くした人々の喪失感を癒すサービスを提供していた。アルプ>>続きを読む
リアル・ペイン〜心の旅〜(2024年製作の映画)
【史跡の悲劇と内面の悩みが共鳴した時】
■あらすじ
ニューヨークに住むユダヤ人のデヴィッド（ジェシー・アイゼンバーグ）とベンジー（キーラン・カルキン）は、亡くなった最愛の祖母の遺言で、ポーランドでのツ>>続きを読む
キネッタ(2005年製作の映画)
【再現を通じて事件に潜む狂気に漸近して染まった人達】
■あらすじ
ギリシャ南部の海辺の町キネタ。オフ・シーズンのホテルは閑散としている。そのホテルで働く女、カメラマンの男、事故を起こした高級車に執着す>>続きを読む
山逢いのホテルで(2023年製作の映画)
【母である彼女のささやかなフェルヴール】
■あらすじ
スイスアルプスをのぞむ小さな町で、障がいのある息子をひとり育てる仕立て屋のクローディーヌ。
毎週火曜日、彼女は山間のリゾートホテルで一人旅の男性客>>続きを読む
港に灯がともる(2024年製作の映画)
【彼らの居場所は数多くの選択と悲しさを乗り越えて存在する】
■あらすじ
阪神淡路大震災の翌月に神戸に生まれた在日韓国人3世の女性を主人公に、高校卒業から12年間にわたる葛藤と模索の日々をつづったドラマ>>続きを読む
アプレンティス：ドナルド・トランプの創り方(2024年製作の映画)
【恩師の思考を取り込み、過去をトリミングするドナルド・トランプの半生】
■あらすじ
20代のドナルド・トランプは危機に瀕していた。不動産業を営む父の会社が政府に訴えられ、破産寸前まで追い込まれていたの>>続きを読む
トワイライト・ウォリアーズ 決戦！九龍城砦(2024年製作の映画)
【治外法権であっても人情と想いが籠もる九龍城砦】
■あらすじ
九龍城砦（きゅうりゅうじょうさい）――かつて無数の黒社会が野望を燃やし、覇権を争っていた。80年代、香港へ密入国した若者、陳洛軍（チャン･>>続きを読む
ストップモーション(2023年製作の映画)
【作品を継承する事の自縄自没と認知の歪み】
■あらすじ
偉大なストップモーション・アニメーターであるスザンヌ・ブレイクの愛娘エラは、母の病により中断された作品を完成させようと奮闘する。
しかし、独力で>>続きを読む
ビーキーパー(2024年製作の映画)
【無限大にインフレする敵を薙ぎ払う無敵のジェイソン・ステイサム】
■あらすじ
アメリカの片田舎で静かな隠遁生活を送る養蜂家。
ある日、彼の恩人である善良な老婦人がフィッシング詐欺にかかり、全財産をだま>>続きを読む
ハッピーアワー(2015年製作の映画)
【秩序で生まれた本音を客観視で換骨奪胎すれば幸せになれるの？】
あけましておめでとうございます。今年もよろしくお願いいたします。
■あらすじ
30代も後半を迎えた、あかり、桜子、芙美、純の4人は、なん>>続きを読む
トレンケ・ラウケン Part2(2022年製作の映画)
【秘密は人をロマンチストにも英雄にもさせてくれる】【2024年お疲れ様でした。良いお年を。】
■あらすじ
アルゼンチンのラウラ・シタレラ監督が、平原に消えた1人の女と彼女を捜す2人の男の物語を謎が謎を>>続きを読む
トレンケ・ラウケン Part1(2022年製作の映画)
【秘密は人をロマンチストにも英雄にもさせてくれる】【2024年お疲れ様でした。良いお年を。】
■あらすじ
アルゼンチンのラウラ・シタレラ監督が、平原に消えた1人の女と彼女を捜す2人の男の物語を謎が謎を>>続きを読む
どうすればよかったか？(2024年製作の映画)
【答えがない問題を前に何も出来なかった人たちがかけ続けた善意について】
■あらすじ
面倒見がよく、絵がうまくて優秀な8歳ちがいの姉。
両親の影響から医師を志し、医学部に進学した彼女がある日突然、事実と>>続きを読む
ウィーン10区、ファヴォリーテン(2024年製作の映画)
【対話と自浄の教育で育む子供たち】【EUフィルムデーズ2024】
■あらすじ
伝統的な労働者の街として知られているウィーンのファヴォリーテン地区。
そこは今や移民とアイデンティティの間で揺れる現代ヨー>>続きを読む
ヴァラエティ(1983年製作の映画)
【ポルノ映画から始まる恋愛と自己決定権を強めた"性"について】
■あらすじ
タイムズ・スクエア近くのポルノ映画館「Variety」。チケットを売るクリスティーン（サンディ・マクロード）は、ある日一人の>>続きを読む
エンプティ・スーツケース(1980年製作の映画)
【私の人生は誰かの出来事の一部である】
■あらすじ
職場のあるシカゴと恋人がいるニューヨーク。２つの都市を行き来する女性が抱える疎外感と孤立感が考察される実験的で闘争的な作品。国際映画祭などで上映され>>続きを読む
エニバディズ・ウーマン(1981年製作の映画)
【性欲の取り扱いの異なる人々の共存するニューヨーク】
■あらすじ
長編『ヴァラエティ』に先駆けて、ニューヨークのポルノ映画館「Variety」を舞台に作られた短編作品。タイトルは、サイレント期から活躍>>続きを読む
ザ・バイクライダーズ(2023年製作の映画)
【武骨さと温かい居場所が冷えるまでに生まれる家族愛・序列・分断】
■あらすじ
アメリカの写真家ダニー・ライアンが1965～73年にかけてのシカゴのバイクライダーの日常をとらえた同名写真集にインスパイア>>続きを読む
人体の構造について(2022年製作の映画)
【死の淵から見える世界と観測する人々の苦悩】
■あらすじ
パリのとある大病院。当直の看護婦たちの会話。「集中治療室で働くと、毎日死と向き合うから『今日を楽しまなければ』と思うの」。別の部屋では脳に小さ>>続きを読む
Cloud クラウド(2024年製作の映画)
【悪に染まった大義から生まれる疑心暗鬼と元に戻れない覚悟】
■あらすじ
世間から忌み嫌われる“転売ヤー”として真面目に働く主人公・吉井。彼が知らず知らずのうちにバラまいた憎悪の粒はネット社会の闇を吸っ>>続きを読む
グローリア！(2024年製作の映画)
【権威と理論の支配に立ち向かう創造性のエンパワーメント】【京都ヒストリカ国際映画祭】
■あらすじ
シンガーソングライターで女優でもあるマルゲリータ・ヴィカーリオの初監督作は、歴史に埋もれた無数の女性音>>続きを読む
グレース(2023年製作の映画)
【思い出で着飾る少女の秘めた想いの行方】
■あらすじ
荒涼とした岩山に流れる小川のほとり。10代半ばの少女が身体を震わせながら下着の汚れを落としている。彼女が戻った先には老朽化した赤いキャンピングカー>>続きを読む
石がある(2022年製作の映画)
【ヴァカンスの尺度と気概は人それぞれ】
■あらすじ
旅行会社の仕事で郊外の町を訪れた主人公（小川あん）は、川辺で水切りをしている男（加納土）と出会う。相手との距離を慎重に測っていたが、いつしか二人は上>>続きを読む
ゴンドラ(2023年製作の映画)
【目に見える世界をバ美肉化・共有する事で誰かの世界を手助けする】
■あらすじ
イヴァは村のゴンドラ（ロープウェイ）の乗務員として働き始める。もう1台のゴンドラの乗務員はニノ。 駅長は威張り屋で、その態>>続きを読む
シビル・ウォー アメリカ最後の日(2024年製作の映画)
【Shooting the United States, Shoting the fragmentation】
■あらすじ
連邦政府から19もの州が離脱したアメリカ。
テキサスとカリフォルニアの同盟か>>続きを読む
ダホメ(2024年製作の映画)
【文化の奪取を通じた"歴史を創るエンパワーメント"＆"利害の不透明な支配の危険性"】【東京国際映画祭】
■あらすじ
1900年にフランスに征服されるまで、現在の西アフリカ・ベナン共和国の地に存在したダ>>続きを読む
Flow(2024年製作の映画)
【"ノアを剪定される世界"を走る一匹の猫】【東京国際映画祭】
■あらすじ
世界が大洪水に包まれ、今にも街が消えようとするなか、ある一匹の猫は居場所を捨て、旅立つことを決意する。
流れて来たボートに乗>>続きを読む
死体を埋めろ(2024年製作の映画)
【死を扱う男に内蔵された信仰、不安でキメラと化す】【東京国際映画祭】
■あらすじ
ブラジルの片田舎で路上ではねられた動物の死体を回収する仕事に従事しているエジガルは、常に暴力的で異様な悪夢に悩まされて>>続きを読む
ブラックドッグ(2024年製作の映画)
【黒い犬が運ぶ一期一会一喪再生路】【東京国際映画祭】
■あらすじ
中国第6世代監督、グァン・フー監督最新作。
主演は、『疾風スプリンター』（15）、『オペレーション・メコン』（16）などアジア圏で人気>>続きを読む
ギル(2024年製作の映画)
【素敵な個性を隠し続ける後ろめたさに対話することの難しさ】【東京国際映画祭】
■あらすじ
川に落ちた女性を助けたのは、エラを持つ青年だった。
青年の正体を追う彼女は、やがてその数奇な人生を知ることにな>>続きを読む
エマニュエル(2024年製作の映画)
【規則と被支配から解放されたいエマニュエルの主体的欲求解放劇】【東京国際映画祭】
■あらすじ
1974年に映画化作品が全世界を熱狂で包んだ官能文学の傑作「エマニエル夫人」を、ヴェネチア映画祭金獅子賞を>>続きを読む
ペペ(2024年製作の映画)
【カバの残留思念から見るマッチョイズム・都市伝説の死ネマティックレビュー】【東京国際映画祭】
■あらすじ
コロンビアの麻薬王パブロ・エスコバルの私設動物園で、アフリカから移送された「ペペ」という名のカ>>続きを読む
母性のモンタージュ(2024年製作の映画)
【獰猛な虎でも籠に入れられて飢えてしまうと…？】【東京国際映画祭】
■あらすじ
香港新界で夫と義理の両親と平凡な生活を送っているジェン。
母となり、これまでの日常が一変、家庭での役割と自らの仕事の両>>続きを読む
孤独の午後(2024年製作の映画)
【闘牛場という命をベットする量で想いが変わる場所】【東京国際映画祭】
■あらすじ
『パシフィクション』（22）に次ぐアルベルト・セラの新作。
アンドレス・ロカ・レイ、パブロ・アグアドなど、人気闘牛士た>>続きを読む
煙突の中の雀(2024年製作の映画)
【暴力的な過去に囚われた家族の悪魔祓い】【東京国際映画祭】
■あらすじ
中年夫婦のカレンとマルクスは、子どもたちとともに田舎にあるカレンの幼少時代の家で暮らしている。
豊かな自然環境に囲まれ、一見理想>>続きを読む
