25/03/11
南海トラフ地震の火災被害では火災保険は使えない!他の保険をなくしても加入すべきたった1つの保険

日本は地震の多い国。2025年時点で、南海トラフの巨大地震が今後30年以内に起きる確率は、80%程度と計算されています。これは、政府の地震調査委員会が、2025年1月1日時点で計算した数字です。南海トラフの巨大地震は、これまでも起きる確率が70~80%と高かったのですが、さらに引き上げられました。
そんな中、さまざまな防災対策に関心が寄せられています、保険の見直しもそのひとつ。
今回は、地震に備える保険について考えてみましょう。
地震の火災は、火災保険では補償されない
地震が発生すると、その後火災が起きやすくなります。
その理由のひとつには、倒壊した建物や家具の転倒によって、調理器具や暖房器具に燃えやすいものが接触してしまうことが考えられます。また、揺れによる停電が復旧した際に、スイッチが切れていない電化製品に通電して火災となるケースもあります。
万が一火災が起きたとき、火災保険による補償が得られると考える方もいるかもしれません。しかし、地震による火災は、火災保険では補償されません。
地震の発生は予測が難しく、被害が広範囲になることも珍しくありません。いったん火が出ると、通常では想定できないような大火事になるケースもあります。
そのため、「地震による火災で建物が燃えてしまった」という場合の補償は、火災保険から除外されているのです。
地震による火災に備えるには、地震保険に加入する必要があります。
地震保険は単独で契約はできず、火災保険とセットで契約します。
火災保険の契約期間の途中からでも契約できるので、まずは火災保険の保険会社に地震保険の契約を検討していることを連絡してみましょう。
なお、地震保険の保険料はどの保険会社で契約しても同じなので、比較検討は必要ありません。
地震保険の補償内容
地震保険は契約できる保険金に制限があります。
契約できるのは、火災保険の契約金額の30%~50%で、なおかつ、建物5000万円、家財1000万円までです。
地震の火災で全焼したとしても、同じ建物や家財を購入して生活を元通りにできる、という金額ではありません。これは、地震の損害が甚大になることが想定されるからだと考えられます。
地震保険の保険金は、その後の生活立て直しのための資金として考えておきましょう。
なお、地震保険の補償の対象は、地震による火災だけではありません。
地震・噴火・津波を原因とする火災、倒壊、埋没、流出による、建物や家財の損害が含まれます。
地震保険では、損害の程度を「全損」「大半損」「小半損」「一部損」の4種類に区分しています。そして、どの区分に認定されるかによって、支払われる保険金の金額が変わります。
<地震保険の損害の程度と支払われる保険金>

日本損害保険協会資料より筆者作成
大地震が発生すると、広い範囲で大きな損害が発生するでしょう。そうしたなかで保険金を迅速・的確・公平に支払うために、日本損害保険協会が制定した基準に従って認定され、保険金の支払いがなされるようになっています。損害状況を保険会社に伝えると、保険会社の委託した鑑定人が建物や家財の被害状況を確認し、損壊の程度を決めます。
地震の被害に遭った箇所は、スマートフォンなどで写真を撮っておきましょう。被害状況を正しく伝えることで、損害の程度の認定も行いやすくなります。
保険の加入は全体で考える
地震保険の重要性は分かったけれど、保険料を新たにするのは負担が重い、と感じる人もいるかもしれません。そんな時には、地震保険だけではなく、世帯全体で加入している保険全体を見直してみましょう。
日本は国民皆保険の制度ですから、健康保険や年金は公的な保険にすでに加入しています。
高額な医療費の自己負担がかかったら「高額療養費制度」、病気やケガで仕事ができなくなれば「傷病手当金」、「障害年金」など、さまざまな社会保障制度があります。
このことをふまえると、民間の保険に加入しすぎているケースもあります。そうした加入しすぎの保険を見直して、地震保険に加入しておけば、被災したときにも補償が得られます。
南海トラフに限らず、地震はいつくるかわかりません。保険を総合的に見直して、安心と節約を同時にかなえてはいかがでしょうか。
【関連記事もチェック】
・新NISAで買うと損する5つの地雷商品
・厚生年金「夫16万円・妻10万円」、夫が亡くなったら妻の年金はいくらになるのか
・絶対に手を出してはいけない「金融機関が儲かるだけ」の金融商品10選
・親が年金を受け取らず68歳で逝去…子は親の年金を受け取れる?
・50代で買うと老後破産を招く6つのモノ

タケイ 啓子 ファイナンシャルプランナー(AFP)
36歳で離婚し、シングルマザーに。大手生命保険会社に就職をしたが、その後、保険の総合代理店に転職。保険の電話相談業務に従事。43歳の時に乳がんを告知される。治療を経て、現在は治療とお金の相談パートナーとして、相談、執筆業務を中心に活動中。FP Cafe登録パートナー

この記事が気に入ったら
いいね!しよう