一瀬を低い瀧に颯と碎いて、爽かに落ちて流るゝ、桂川の溪流を、石疊で堰いた水の上を堰の其の半ばまで、足駄穿で渡つて出て、貸浴衣の尻からげ。梢は三階の高樓の屋根を抽き、枝は川の半ばへ差蔽うた槻の下に、片手に番傘を、トンと肩に持たせながら、片手釣 …
著者 | 泉鏡太郎 |
著者 | 泉鏡花 |
ジャンル | 文学 > 日本文学 > 評論 エッセイ 随筆 |
初出 | 「苦楽 第二巻第一号」プラトン社、1924(大正13)年7月1日 |
文字種別 | 旧字旧仮名 |
読書目安時間 | 約19分(500文字/分) |
朗読目安時間 | 約32分(300文字/分) |