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“屡”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
しばしば63.8%
しば/\19.5%
しばし6.7%
しば3.4%
しば/″\2.7%
2.0%
よく1.3%
ヨク0.7%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
雑誌記者しばしば来って女子拒婚問題の事を問う。余初め拒婚の字義を解せず、為に婦人雑誌を購読して漸くその意をつまびらかにするを得たり。
偏奇館漫録 (新字新仮名) / 永井荷風(著)
農夫はしば/\おくるるゆゑつひにはすてひとりさきの村にいたり、しるべの家に入りて炉辺ろへんあたゝめて酒をくみはじめ蘇生よみがへりたるおもひをなしけり。
かくて曲者は間近の横町にりぬ。からうじておもてげ得たりし貫一は、一時に発せる全身の疼通いたみに、精神やうやく乱れて、しばしば前後を覚えざらんとす。
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
私達は居酒屋の娘にしばしの別れを告げに行つた学生の三原を待つた。間もなく三原と娘が田圃道を此方へ向つて歩いて来るのが解つた。三原は娘の肩に腕を載せてゐる。
川を遡りて (新字旧仮名) / 牧野信一(著)
樹の枝がしば/″\車の幌に觸れる。車は既に山腹を削つた岨道を攀ぢて行くのである。空氣の澄渡つてひやゝかなことが際立つて感じられて來る。
十年振:一名京都紀行 (旧字旧仮名) / 永井荷風(著)
本当にいなくなるか知らん? そういうような奴はくあるんだが、其様なことを言っても、なか/\急に何処へも行きゃしないって。
別れたる妻に送る手紙 (新字新仮名) / 近松秋江(著)
肩衣かたぎぬを賣る店を市中でよく見出したが、その際予は未だ嘗つて知らなかつたところの「市中漫歩者の情調」に襲はれた。唯それ丈でも大阪はすきである。
京阪聞見録 (旧字旧仮名) / 木下杢太郎(著)
信吉法師というた彼の父は、配下に十五六人の田楽法師を使うてゐた。朝間、馬などに乗らない時は、疲れるとヨク若い能芸人の背に寝入つた。さうして交る番に皆の背から背へ移つて行つた。
身毒丸 (新字旧仮名) / 折口信夫(著)