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“彩”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
いろど65.2%
いろ12.8%
あや8.8%
いろどり7.0%
さい1.8%
1.1%
えど0.7%
0.7%
ゑど0.7%
あやど0.4%
イロド0.4%
0.4%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
かかる折から、柳、桜、緋桃ひもも小路こみちを、うららかな日にそっと通る、とかすみいろど日光ひざしうちに、何処どこともなく雛の影、人形の影が徜徉さまよう、……
雛がたり (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
一室はことごとく目を注いだ、が、淑女は崩折くずおれもせず、やわらかつまはずれの、いろある横縦の微線さえ、ただ美しく玉に刻まれたもののようである。
革鞄の怪 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
実に微妙な光線のあやで、それらの綴りが、こうもよめる不思議を見出すものはありません「その胸に よろこびのしるしをつけん またの日」
旦那の智恵によると、鳥に近づくには、季節によって、樹木と同化するのと、また鳥とほぼ服装のいろどりを同じゅうするのが妙術だという。
神鷺之巻 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
まだかほは見えぬけれど着物の色さいで少女と知れる姿すがたが現はれると、自分のあい人ではないかと思つて見たりするのである。
坂道 (旧字旧仮名) / 新美南吉(著)
姫は、緑青を盛つて、層々うちカサナる楼閣伽藍ガランの屋根を表した。数多い柱や、廊の立ち続く姿が、目赫メカガヤくばかり、朱でみあげられた。むら/\とタナビくものは、紺青コンジヤウの雲である。
死者の書 (新字旧仮名) / 折口信夫(著)
上臈貴嬪らは肥満ふとっちょ松風村雨まつかぜむらさめや、痩身やせっぽち夷大黒えびすだいこくや、渋紙面しぶかみづらのベニスの商人や、顔を赤くえどったドミノの道化役者や、七福神や六歌仙や、神主や坊主や赤ゲットや
姫は、緑青を盛って、層々うち重る楼閣伽藍がらんの屋根を表した。数多い柱や、廊の立ち続く姿が、目赫めかがやくばかり、朱でみあげられた。むらむらとたなびくものは、紺青の雲である。
死者の書 (新字新仮名) / 折口信夫(著)
其の後一五〇御廟みべう一五一玉もてり、一五二丹青たんせいゑどりなして、稜威みいづあがめたてまつる。かの国にかよふ人は、必ずぬさをささげて一五三いはひまつるべき御神なりけらし。
常陸ひたちの国の天羽槌雄神が作った倭文布しずりの帯だけが、ちらりと女神の腰に艶なる人界の色をあやどる。
富士 (新字新仮名) / 岡本かの子(著)
四 朱戸シュコ 門戸ハ紅門コウモンヲ以テイロドル。
三国志:09 図南の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
自然から「美」をもとめないで「美」に似た事象のある所とした。理想の「美」を絵画に据ゑてゐた。が、其も墨書きやの絵巻若しくは、屏風の構図であつた。