NHKのドラマ『阿佐ヶ谷姉妹ののほほん二人暮らし』が今日で放送を終えます。
芸人として活動する阿佐ヶ谷姉妹の二人(渡辺江里子さん、木村美穂さん〔以下、エリコさん、ミホさん〕)が、阿佐ヶ谷の六畳一間で「メガネを寄せ合って」のほほんと共生する様子をドラマに仕立てたという異色の作品で、元になっているのは、二人が描いた同名のエッセイです。エッセイ、ドラマともに、コミカルでありながら、穏やかな気持ちになれる味わい深い作品です。
やや唐突ではありますが、この二人が楽しげに、ときには衝突したりしながら生活する様子を見ていて感じるのは、「結婚ってけっこう謎な制度だな」ということです。なぜ結婚という関係ばかりが特別扱いされ、それ以外の関係はややもすると結婚と比較して劣るものとして位置付けられがちなのか、と。
…と言っても、この物言い自体がかなり謎かもしれません。ここでは、なぜ阿佐ヶ谷姉妹を見ていると結婚という制度の謎さを感じるのか、今年話題になったほかの作品とも合わせて考えてみたいと思います。
楽しげな生活
よく知られていますが、阿佐ヶ谷姉妹の二人は、雰囲気は似ているけれどじつは劇団で知り合った赤の他人どうし。「擬似姉妹」としてユニットを組み、エリコさんの誘いをきっかけに、六畳一間で二人暮らしを始めました。二人は雰囲気こそ似ていますが、性格はけっこう違い、ときにはすれ違ったりぶつかったりもしますが、エッセイやドラマに接する限り、その生活ぶりはじつに楽しげに見えます。