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10月は乳がんの正しい知識と乳がん検診の早期受診を推進する「ピンクリボン月間」。そして、毎月19日は自分の乳房に関心を持つ「ピンクの日」。photo/iStock

「やりすぎ」の弊害も…「乳がん検診」年齢や体質に応じたメリットデメリット

大切なのは「検査の役割」を知ること

コロナ感染拡大から、3度目のピンクリボン運動月間を迎えた。

新型コロナウィルスの大流行で、がん検診施設が一時閉鎖されたことや、混雑する医療機関を訪れることがはばかられ、全国的に検診控えが広がり、2020年に乳がん検診の受診者が3割近く減ったが、2021年には1割減まで回復しているようだ(日本対がん協会調べ)。

同時に、乳がんの受診控えによる影響もあった。

「2021年10月に東京で緊急事態宣言が明けた直後は、しこりや出血などの自覚症状があっても、コロナが怖くて外出を控えていた、という進行がんの方たちが一時期増えました。一方で、コロナ下初期の2020年には、肺炎症状のため受けたCT検査で、たまたま早期乳がんが見つかった方も、全国で報告されています」というは、がん研究会有明病院 乳腺センターの片岡明美医師。

コロナ禍であっても、乳がんの発症は待ったなし。そして女性の誰もに乳がんリスクはある。

最近、ピンクリボン運動の際に「ブレストアウェアネス」という言葉がつかわれるようになった。これは「日ごろから自分の乳房に関心を持って生活しよう」というもの。このピンクリボン月間を機に、乳がん検診についてのメリットだけでなく、弱点についても、正しい知識をもってほしいと思う。

photo/iStock
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検診を「受けすぎるリスク」

ピンクリボン運動では、乳がんの早期発見の大切さが謳われている。早期発見のために検診は大切だ。しかしここで伝えたいのは、“検診を過剰に受ける”ことへの問題だ。

40代前半の健康意識が高い知人は、乳がんの早期発見のために、自覚症状がなく、要精密検査になるわけでもなく、家族歴もないのに半年に一度、自費診療でマンモグラフィ検診を受けているという。半年に1回も検診を受けることを止めない医師にも驚き、直ちにその施設での検診をやめることを助言した。

また数年前の話だが、知り合いの経営者は、社員の命を守るため20代の女性社員にもマンモグラフィを毎年受けさせていると言った。社員のためによかれと思っての選択だが、若い女性社員が、毎年検診を受けるリスクの大きさに気づいていなかった。

どちらも、がん検診への“誤解と過剰な期待”が一般に浸透しているのだと痛感する出来だった。では一体女性たちはどうしたらいいのか。そこで、改めて乳がん検診の現状と、効果的な受診の方法をお伝えしたいと思う。

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