中国が孤立化していく
中国政府は生産能力の拡大を重視し、鉄鋼、医療機器、EVなど広範な分野で輸出競争力を高める方針を続けている。この政策が続くと中国の過剰生産能力は一段と増すだろう。中国から安価なモノが流入している、アジア、アフリカ、南米などで自国産業の保護を重視する政府が増え、中国が輸出で景気回復を目指すことは難しくなることも懸念される。
米国では、共和党が大統領・上下両院の多数派を占める“トリプル・レッド”が実現した。トランプ氏は、米国を世界最大・最強の製造国にすると主張している。対中関税の引き上げ、半導体などの禁輸措置を重視している。中国企業が米国、および主要先進国の企業が持つ知的財産、製造技術にアクセスすることは難しくなりそうだ。
先端分野などで米中の対立が先鋭化し、サプライチェーンが不安定化することも中国企業の業績懸念を増幅するだろう。自由な環境の獲得を目指して、脱中国に動く企業や個人も増加傾向だ。中国国内では、消費が停滞しデフレ圧力がさらに高まることも懸念される。
本年の独身の日セールは、そうした変化の予兆にも見える。
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