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「財務省」と「日銀」が経済停滞を招いている…故・森永卓郎さんが解き明かした、政府が明らかに“誤った経済政策”を続けるワケ

今年1月28日、経済アナリストの森永卓郎氏が死去した。

原発不明がんと闘いながらも、亡くなる直前までメディアに出演し続け、世界経済の行方に多くの警鐘を鳴らしてきた。

「AIバブルは崩壊する…」「日経平均はこれから大暴落する…」

彼がこう語った背景には一体何があるのか。そして残された私たちは、この先行き不透明な社会をどう乗り越えていくべきなのか。激動の時代を生き抜くための戦略と覚悟とは。

森永卓郎氏と、息子の康平氏がいまの日本のさまざまな病巣についてガチンコで語り合った魂の一冊『この国でそれでも生きていく人たちへ』より一部抜粋・再編集してお届けする。

『この国でそれでも生きていく人たちへ』連載第20回

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『「いまの日本で一人3万5千円のベーシックインカムは実現できる」…故・森永卓郎さんが語ったメディアが報じない「不都合な真実」』より続く。

過ちを繰り返す"理由"

なぜ政府はこんな明らかな誤りを繰り返しているのか。

日本の金融政策を担っているのは日銀だが、日銀総裁の植田和男氏は、非常に聡明な人という評判だ。東大経済学部では優秀な学生だけが入れる宇沢弘文ゼミに所属していたというし、宇沢先生からも目をかけられていたと聞く。

Photo by gettyimages

故宇沢弘文先生は「社会的共通資本」という概念で知られる世界的な経済学者で、経済成長最優先の経済学を厳しく批判していた。スタンフォード大学などでも教鞭を執り、シカゴ大学でノーベル経済学賞を受賞したスティーグリッツ氏を指導したこともある。

植田総裁はそんな宇沢先生に学んだわけだが、考え方は大きく違うようだ。

植田総裁は宇沢先生のように、経済成長最優先の経済学を批判しているわけではないし、投資家や金融業界にはむしろシンパシーを持っているように見える。

就任後の行動を見ると、政府や金融業界の顔色を窺い、彼らに配慮しながら進めているように思える。

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