共用部分の修繕などのために積み立てられる「管理費」。あなたは一度でも残高を確認したことがあるだろうか?
前編記事『9億円超が着服された可能性…!「史上最悪のマンション管理費横領事件」犯行のヤバすぎる手口』より続く。
管理費横領を予防するには
全国で相次ぐ管理費の着服。マンションのトラブルなどの相談業務を行う「マンション管理組合支援センター」の有馬百江代表理事は「着服する側に問題があるのは言うまでもないが、区分所有者である組合員がマンションの管理を『面倒くさいから』と、すべて管理会社や理事会任せにしていることが根本原因」と指摘する。
「本来、マンションは自分の資産なのですから、その管理を人任せにするべきではないのです。同じマンションに住んでいる住民たちでしっかりと管理し、エレベーターや照明などの修繕が必要になったときには話し合いで方針を決め、管理費から費用を捻出する。年一回の総会には、配布された議案書を必ず読み込んだうえで出席する。そうしてマンション自治をしっかり行えば、着服など起こらないのです。
ところが、理事のなり手がなく、総会の出席者も非常に少ないとなると、管理する側も『どうせ組合員は管理費なんてチェックしていないだろう。多少つまんでもバレはしない』と意識が緩んで、着服をしてしまうのです。
やはり、組合員全体でマンションを管理・運営することが望ましいのです」