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第18回中国共産党大会閉幕---"親日派の重石"胡錦濤の完全引退でいよいよ勢いづく江沢民&習近平「反日政権」の危惧!

〔PHOTO〕gettyimages

 その前日の11月14日午前11時20分、第18回共産党大会の閉幕式が行われた。私は2階の記者席でその様子を見ていた。

 200人余りの中央委員会のメンバーが壇上に上がり、雛壇最前列の中央には、向かって右手に江沢民が、左手に胡錦濤が座っていた。二人のうち、圧倒的に存在感があるのは江沢民の方で、「中国政界の暴走老人」と言っては失礼だが、86歳の元老パワー恐るべし、である。その威圧感は、晩年の鄧小平の姿を彷彿とさせるものがあった。

 今回の共産党大会を一言で総括すれば、勝者・江沢民、敗者・胡錦濤、そして漁夫の利を得た習近平だ。

共産党政権のもろさと見栄

 11月8日の初日、すでに引退したはずの江沢民が、胡錦濤の脇の雛壇中央に、デーンと腰掛けたことで、人民大会堂に全国から詰めかけた2307人の代表に、動揺が走った。江沢民は、まるで「皇帝様はオレだ」と言わんばかりに、会場を睥睨(へいげい)していた。

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 国歌斉唱の後、胡錦濤が手を差し出し、足の不自由な江沢民の介添えをしてやろうとした。すると江沢民は胡錦濤の手を払いのけたのだった。

 続いて、胡錦濤が101分間にわたる「5年間の政治報告」を行い、「改革」を80回も唱えた。だがその間、江沢民は、まるで北京動物園のパンダよろしく、退屈そうに首を回し、あくびをし、最後は時折うたた寝していた。

 閉幕式の際、習近平はどこにいるのだろうと、雛壇を探してみた。すると江沢民の左に向かって4人目に、大きな図体を故意に小さく折り畳んでいるような風体の男がいた。それが習近平だった。習近平は、檀上中央に座った「二人の皇帝」の様子を、知らぬ顔で、じっと手元の資料を見入っていた。

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