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2014.04.08

体を使うか、頭を使うか---迫りくる「空前の人手不足」にあなたはどう対応しますか?

そもそも若者の数が少なすぎる!

ついこのあいだ2014年になったと思ったらもう4月ですね。年々、本当に飛ぶように月日が過ぎていきます。8%の消費税もスタートしました。3月には駆け込み需要がそれなりにあったらしいので、4月の小売売上の反動減はある程度は避けられないと思われます。しかし景気が多少落ち込もうとも、足元で広がっている「人手不足」は、もはや避けようがない動きになっています。

ワタミが10%の店を閉じる決定をしたことや、ユニクロがアルバイトや派遣社員を正社員化するというニュースには、今すでに起こっている深刻な人手不足と、今後それがますます悪化するだろうという経営者の見通しが表れています。

大企業だけではなく中小企業も例外ではなく、建築や土木や運送、飲食やサービス業全般で人手不足は深刻な問題になってきています。そしてその原因が、単にアベノミクスやオリンピック特需の影響ではなく人口の問題にあるということは、以前のコラムでも指摘したとおりです。

●「2014年、回復する日本経済に「空前の人手不足」が立ちはだかる!

早い話が、生産年齢人口において大量のシニア層がリタイアしていく一方で、新たに生産年齢人口に入ってくる若者の数が少なすぎるので、そもそも単純に「人がいない」のです。

この流れは数年前から始まっていましたが、2008年に「リーマン・ショック」という未曾有の経済危機が巻き起こって需要が極端に減退したために、なかなか顕在化しませんでした。

厳しい不況のなか、企業はなるべく新規採用をせず、新たな若者の教育をせず、今いる人員でなんとか乗り切ってきました。人や機械に投資をせずに今ある資源をふる活用してなんとか凌いできました。そして企業にも家計にも現金がどんどん積まれていましたが、それがあまり前向きな方面(研究開発をする、工場を作る、店舗を作る、人を育てる)には使われてきませんでした。そのツケが一気にきているのが現在の状態です。

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ただせさえ若者の人口が減っている上に、大型トラックを動かせる人の数はさらに少ない状況です。たぶんいまの若者たちにとって大型トラックを走らせることはあまりかっこよくないのでしょう。若者の大型免許取得件数はガクッと落ちています。1993年の段階で大型免許を持っている人のなかで29歳以下が占める割合は4割を超えていましたが、今では2割以下なのです。

もちろん、かっこいいかっこ悪い以前に、待遇面の影響もあることでしょう。それはそうですよね。大型の免許は趣味で取るものではありませんから。なんにせよ待遇改善は急務なのです。

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