媚中のドイツが方向転換を図りつつあるが
ドイツ政府がこれまでの中国一辺倒のアジア政策の転換に動き始めた。
同国が新たにまとめたインド・太平洋戦略で、日本など民主主義をはじめとした共通の価値観を持つ国との関係強化を打ち出したのだ。
要するに、反民主主義勢力の1つである共産主義国家とは、根本的に価値観が違い協力関係を維持するのは難しいから、日本を始めとする「民主主義」という同じ価値観を持つ国と「仲良くしたい」と宣言したのである。
媚中派首相であるメルケル氏が来年の任期まで16年間独裁を続けるドイツでは、これまで中国寄りの政策が露骨であった。しかし、
1.ウイグル・チベットなどでの激しい人権弾圧
2.香港の国家安全法施行による一国二制度の破壊
3.中国に進出したドイツ企業が技術の移転を迫られている
4.「一帯一路」の美名を借りた、新興国への「高利貸し」もどきの行為
などの事実が、媚中的であるドイツでも認識されはじめ、さすがのメルケル氏も無視できなくなったというのが真相であろう。
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5月25日の記事「人類の敵・中国を大躍進させたメルケル首相『16年間の独裁』」で述べたように、ドイツ国内で媚中派の共産主義勢力が目立つのは、東西統合という「ドイツの不幸」の影響が大きい。
しかし、共産主義勢力が多数存在しても、ドイツはあくまで民主主義者が主流であり、大多数の国民は民主主義国家を望んでいると信じたい。
このままメルケル独裁で「人類の敵」共産主義中国との関係が続けば、ドイツは「第2次世界大戦と同じ過ちを中国とともに犯しかねない」と心配していただけに「中国と距離をとる姿勢」を打ち出したのは朗報である。
普段は「人権」をヒステリックなほど声高に叫びながら、共産主義中国の人権侵害には無関心(故意に無視?)であったEUの態度も変化しつつある。
ストラスブール(フランス)で招集された欧州議会総会は、告訴、裁判、有罪判決が出ていないウイグル人、カザフ人、チベット人に対する恣意的逮捕をやめるよう呼びかける決議を反対18票、賛成505票で採択した。なお、投票では議員47人が棄権した。
米国では、大統領候補のバイデン氏やその背後に存在する媚中派の民主党議員が多数存在するにもかかわらず、ほぼ全会一致で各種人権法案を可決している。したがって、欧州はまだ道半ばだが一定の前進が見られるのは喜ばしいことだ。
ただ、日本でもそうだが、共産主義中国はそれぞれの国のかなり奥深くまで侵入しており、その排除は簡単ではない。特に欧州一媚中な国とも言えるドイツでその懸念が大きい。