英国株への置き換わりが進む日本
2021年5月1日現在、流行が上昇傾向にあるほとんどの地で、感染性や重症化率が高いと言われるイギリス由来の「英国株」が「従来株」を置き換えて拡大しつつあります。
大阪・兵庫では、酸素投与をしたい患者さんがいるのに家で待機を余儀なくされていることも多く、相当に良くない状況です。大阪を支援している行政の友人は「これまでの流行が、まるで単なる練習試合だったのか」と話していました。誤解を恐れず言うと、それほどまでに思わせてしまう状況なのです。
そして、大阪と兵庫で連日亡くなる方が出ているのは、対策が遅れたことだけでなく、対応する現行の医療システムにも原因の一端があるかと思います。いまこそ、従来株によるこれまでの流行と、英国株に置き換わりつつあるこの「第4波」とでは何が変わったのかを科学的に整理して理解することが必要です。
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今回は、人口全体の対策に関連する点について検討します。(未成年の感染が増えたかもしれないという話もありますが、それは別の原稿で詳しく紹介します)
大きく整理して4つの点で、「第4波」はこれまでと異なることがわかってきました。
2 生産年齢人口で中等症患者や重症患者が出ている
3 素早い「まん延防止等重点措置」は流行のスローダウンに使うことはできる
4 長期的見通しが大きく変わった(高齢者の予防接種だけでは医療崩壊のリスクが残る)
これら1つ1つについて説明したいと思います。