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虚虚実実――ウルトラバイバル

森下礼:環境問題研究家、詩人、エッセイスト。森羅万象、色々な事物を取り上げます。元元は災害に関するブログで、たとえば恋愛なども、広く言えば各人の存続問題であるという点から、災害の一種とも言える、と拡大解釈をする、と言った具合です。

2011-01-01から1年間の記事一覧

国民総幸福量の可能性

2012年、春風献上!! I will give you a spring breeze!!(正月・元旦はのんびりしていたいので、2011年大晦日にエントリーします。) 最近、ブータン王国における「国民総幸福量:GNH」が脚光を浴びています。金銭のみで国民の幸せを測るGNPやGDPの…

国民総幸福量の可能性

高橋葉介・その華麗なる描線

仮面少年 (サンコミックス)作者: 高橋葉介出版社/メーカー: 朝日ソノラマ発売日: 1977/12/25メディア: コミックこの商品を含むブログを見る 高橋葉介(たかはし・ようすけ)と言っても、今の若者には知っている人はいないでしょう。でも、彼は日本マンガ史上…

田園の憂鬱(佐藤春夫)を読んだ

私が中学生のころ、「旺文社文庫:おうぶんしゃぶんこ」という副教材を学校が推薦していて、この文庫は注釈が適切な場所に多くついているので、副教材として申し分ないようでした。(現在は見かけませんが) そこで、当時中学2年生だった私は4冊の文庫を買…

母〜ピエタ像

hatehei666さん(id:hatehei666)に紹介された小説「母」(三浦綾子:角川書店)を読んでみました。ここで言う「母」は、プロレタリア文学の旗手で、特高警察に虐殺された小林多喜二の母・セキのことです。 貧しい暮らしの中で育ったセキは文盲でした。字を…

「世界の日本人ジョーク集」

この手の本の類書は多いですが、私は早坂隆:「中公新書ラクレ」を読みました。外国人から見た日本人の特長を笑いという俎上に載せるというのも面白いと思ってこの本を購入しました。2006年初版。その中から、えりすぐりのジョークを載せます。不良品 あ…

「フォン・ドマルスの原理」とアリストテレス論理学

以前のブログで取り上げたように、以下の法則を「フォン・ドマルスの原理」と言います。 「フォン・ドマルスの原理」神話や統合失調症患者の世界把握パターンを説明する、精神科医フォン・ドマルスが、豊富な症例から帰納した原理。 通常の認識では、文法的…

「僕は友達が少ない」・・・「幸せな」男の子のお話

三日月夜空 朝日新聞の広告欄を大きく占めて掲載されていたライトノベル(2011.5.18)・・・この案内に書かれていた女の子(イラスト)が、とても興味深く、買ってみたのがこの「僕は友達が少ない」というライトノベル。ライトノベルとしては「狼と…

スティーブ・ジョブズの毒舌

以下はPC50さん(http://d.hatena.ne.jp/osamu-y/20111007)がアップル社前CEOで先ごろ亡くなったスティーブ・ジョブズ氏を哀悼するという趣旨で綴られた文章から引用して感想を書いた、ジョブズ氏の毒舌さ振りを追記したブログです。かなり彼には傲慢さ…

「プロレタリア文学」としてのマンガ(散文詩)

以前、フリーターとか派遣社員たちの間で「我々の境遇と似ている」という理由で、小林多喜二作の「蟹工船:かにこうせん」が話題になり、実際読まれたことがありますが、この作品のような文学を「プロレタリア文学」と言いますね。 プロレタリアとは、広辞苑…

アレクサンドル・デュマ三代〜〜誇り高い血統

幼少時、フランスの作家・アレクサンドル・デュマ・ペールの「三銃士」とか「モンテ・クリスト伯」を胸をドキドキさせながら読んだ人も多いかと思います。「三銃士」などは、最近NHKの人形劇にされていたので、記憶に新しいことでしょう。今年は三銃士を…

大相撲刑事(おおずもうデカ)・・・史上最も傲慢な刑事

大相撲刑事 1 (ジャンプコミックス)作者: ガチョン太朗出版社/メーカー: 集英社発売日: 1993/03メディア: 新書購入: 1人 クリック: 36回この商品を含むブログ (4件) を見る(今回のエントリーについて:私は大学時代、マンガクラブにいたことがあって、マン…

数学上のライバル・・・カントールとクロネッカー

数学の長い歴史の中で、ライバル関係になった数学者同士が複数います。古いところでは三次方程式の解の公式をめぐってあらそったタルターリア(1499?−1557)とカルダーノ(1501−1576)、微分・積分法の発見をめぐってあらそったニュートン(…

架空と現実の間の揺れによる美

ニラの花→ 為才さんのブログで面白いやり取りをしたので、その記述から入ろうと思います。http://d.hatena.ne.jp/izai/20111001 より「ブッダ・カフェ」という集まりの出席者の発言:まずは、「グロテスクなものや、醜いものに「美」を見出すのは、「ひねく…

架空と現実の間の揺れによる美

フォーヴィズムと表現主義

「ドランの肖像」ヴラマンク・・・ 暴力的なまでの色彩 「すぐわかる20世紀の美術」より→ 今、手元にある本は「俵屋宗達 琳派の祖の真実」(古田亮:平凡社新書)です。この本の中で、著者は1600年代ころの日本の画家・俵屋宗達と20世紀のフランスの…

フォーヴィズムと表現主義

金子みすゞ:「詩を書くな」

金子みすゞ(wikiの写真より)→ 私が行きつけの喫茶店で金子みすゞ(かねこ・みすず:1903−1930)の詩を知ったのは、かれこれ10年ほど前のことでした。中でも有名な詩(童謡)として、以下の詩には唸りました。でも、そのままにこれらの詩をアップ…

金子みすゞ:「詩を書くな」

木枯らし紋次郎への旅

2011年10月04日、群馬県太田市藪塚町にある、「あっしには関わりのないことでござんす」という文句で有名な、木枯らし紋次郎の故郷とされる新田郡(にったごうり)三日月村・・・そう、「三日月村」という、ミニ・テーマパークへと行ってきました。…

女へんの漢字〜〜藤堂明保の世界

漢学者・藤堂明保氏は、そうとうに砕けたお方で、「女へんの漢字」(角川文庫)という本を上梓されています。今日はこの本と藤堂氏の話題を俎上に載せます。藤堂明保(とうどう あきやす、1915年9月20日 - 1985年2月26日)は、日本の中国語学者、中国文学者。…

なぜ、稲は倒伏するのか

台風15号が日本列島を縦断した折、私の住む北関東でも、稲が倒れた(倒伏:とうぶく)した田圃が多かったです。それは、田圃ごとに違い、無傷な田、一部被害にあった田、全面的に倒れた田、といろいろでした。無傷 無傷(ヒエが混ざっている・・・ヒエが倒…

「虫食む人々の暮らし」(書評)・昆虫食の現在

「虫を食べる」というと、眉をひそめる人も多いでしょう。「今や、人類に昆虫食は無用だ」といった立場になるのでしょう。 ところで、私はこれまで昆虫を数種、食べたことがあります。一番美味しかったのは「セミの幼虫」で、から揚げにして食べましたが、「…

「永遠の0」(ゼロ)(書評)・・・零戦戦記

この本は面白い。よく太平洋戦争当時の海軍事情を調べて書かれています。 お話は「零戦」の戦場における歴史を縦糸、あるパイロット(搭乗員)の歴史を横糸に描かれています。 このパイロット――宮部久蔵の消息を追いたくて、孫に当たる姉弟、佐伯麗子(フリ…

「トンブリ」も中国産!!

私は「畑のキャビア」とも言われる「トンブリ」が好きで、一袋100円程度のパック商品をよく買います。あの、黒くて、口のなかでぷちぷちはじける食感が素敵なのです。この食感は、膨潤させたホウキグサ(コキア)の種に特殊加工して得られます。 ネット上…

「トンブリ」も中国産!!

マハトマ・ガンジーとチャンドラ・ボース/インド独立の立役者

私は、昔から、ガンジーの「非暴力」「不服従」(「無抵抗」ではない)という眼目で、どうしてあの狡猾なイギリスから独立できたのか、不思議でした。このたび少々調べて、まあ、こんなものかと落ち着いたので、ここに記します。 参考過去ログ:http://d.hat…

北信州の旅

8月29日から30日にわたり、ブログ仲間の画家であるオンコリンクスさんのおひざ元に伺いました。彼は安曇野在住ですが、今回は彼の仲間たちで運営する山荘(美麻村)を拠点にして行動しました。(合宿所としても使え、入浴施設等完備、PC3台付きの山荘で…

アニメ「もしドラ」を観て・小説「もしドラ」も読んで

もし高校野球の女子マネージャーがドラッカーの『マネジメント』を読んだら作者: 岩崎夏海出版社/メーカー: ダイヤモンド社発売日: 2009/12/04メディア: 単行本購入: 265人 クリック: 12,967回この商品を含むブログ (1008件) を見るマネジメント[エッセンシ…

経産省のずる賢さ

経産省というと、思いだされる友人があります。東京大学理科一類で私と同年度・同クラスになったG君です。彼は、私に「知性」というものの凄さを教えてくれた友人で、一時期、駒場キャンパスに近い下宿に住む彼のもとに入り浸ったこともあります。 彼はIQ(知…