シリア危機:食料配給の削減で数百万人が深刻な飢餓に
ストーリー | 2023 年 6 月 13 日
緊急支援
シリアは世界で6番目に食料不安の人口が多い国です。国連WFPの推計によると、人口の半分以上にあたる1210万人が食料難に陥っています。さらに290万人が食料不安に陥る恐れがあり、わずか1年で52%も増加しました。人びとの栄養状態は悪化しており、発育阻害や栄養不良の割合が国の一部で増加しています。
記録的な食料と燃料価格の高騰、国内の一部地域で続く紛争、および悲惨な地震が、最も脆弱な立場にある人びとに大きな負担を強いています。世界的な経済危機によって、シリア国内の補助金制度の下で食料と燃料の補助金を受け取っている人びとの数が減少しています。
資金不足、そしてサプライチェーンの混乱のなかで食料支援を維持するため、国連WFPも食料支援の規模を徐々に縮小せざるを得ない状況にあります。生き延びるために、シリアの家庭は食料、学校、薬、燃料のすべてを手に入れることはできず、その中での選択を迫られています。早期の結婚や子どもの退学も増加の兆しを見せています。
国連WFPは、シリア国内で毎月560万人に命を救うための食料支援を届けています。シリアの家庭への食料配給や食料引換券の配布のほか、全国の学校で給食の提供、母子の栄養不良の予防・治療を行なっています。
政治的な解決は不可欠ですが、世界的な食料危機によって悪化したこの未曾有の危機を人びとが生き延びるためには、資金が必要であることに変わりはありません。現在、国連WFPは配給量を家族が毎月必要とする食料の約半分にまで減らしていますが、それでも、シリアで緊急に命を救うためのの活動を維持するためには資金が不足しています。