アルタエロスエナジーズ
市場情報 | 非上場 |
---|---|
本社所在地 |
アメリカ合衆国 02143 24 Park Street Unit 10 Somerville, MA |
設立 | 2010年1月 |
業種 | 電気・ガス業 |
代表者 |
Ben Glass(CEO・CTO・共同設立者) Adam Rein(共同設立者) |
従業員数 | 25名 |
主要株主 |
ソフトバンクグループ 三菱重工業 Suhail Bahwan Group アメリカ合衆国農務省 アメリカ国立科学財団 RNT Associates |
外部リンク | http://www.altaeros.com/ |
アルタエロスエナジーズ(英: Altaeros Energies, Inc.)は、アメリカ合衆国マサチューセッツ州サマービルのGreentown Labs内に拠点を置くMITの大学発ベンチャー企業。MITで研究助手をしていたベン・グラス等によりスピンオフで設立された。
概要
[編集]空中風力発電機を用いて送電網のない僻地や大規模農園、採掘場、難民キャンプなどに送電する事を目的としており、アラスカ州で認可を受け商業化実証が行われている[1]。
Buoyant Airborne Turbine
[編集]空中風力発電機「Buoyant Airborne Turbine」(略称:BAT)はヘリウムを充填した長さ約10mの風洞型気球を地上300~600mの高さに浮上させ、上空の安定的な風を用いて発電し、3本のケーブルを通じて地上へ送電する仕組みとなっている[2]。
1基あたりの発電能力は最大30KWで、送電ケーブルの長さを調節することで地上からの高さを調整できる。従来の塔型風車の風力発電機は地面に固定するため大規模な工事を必要としていたが、浮遊式は支柱が不要でトレーラーにより24時間以内に素早く設置が可能[3]。またコスト面で優位とされ例えばアラスカで運用する場合、ディーゼルエンジン発電は1KWhあたり1ドルかかるが、BATは18セントで発電できるとされている[4]。100mph(約44m/s)の強風の中でも運用可能で落雷のエネルギーも受け流すことができ、台風やハリケーンといった想定外の激しい暴風が予想される場合は自動制御システムにより地上に退避される[5]。
SuperTower
[編集]BATを用いた低コストな僻地のブロードバンド環境の整備も進められている。BATを用い従来の鉄塔より高い高度800フィートから電波を飛ばすと伝搬損失は小さくなり従来の鉄塔型基地局と比較して30倍のエリアカバレッジのLTEおよび5Gネットワークが提供できるとされ、コストは従来の半分でエネルギー消費は70%抑えられると紹介されている[6][7]。現在はエリクソンと提携しLTE基地局の実証実験を行っている[8]。
沿革
[編集]- 2010年1月 - Altaeros Energies設立
- 2011年10月25日 - コノコフィリップス2011 Energy Prizeを受賞[9]
- 2012年3月27日 - メイン州で高度350フィート(106m)以上の実証実験[10][11]
- 2014年
- 2015年8月27日 - 三菱重工業とスヘイル・バウワン・グループから数億円規模の出資を受ける[16]
- 2017年8月8日 - ソフトバンクから750万ドル出資を受ける[17]
- 2018年2月15日 - 「SuperTower」を発表[18]
脚注
[編集]- ^ “テスラの申し子、夢を力に 米起業家に流れる独創性”. 日本経済新聞. (2014年4月2日) 2018年2月18日閲覧。
- ^ “三菱重工とSBGが米国ベンチャー Altaerosに出資 空中浮体式風力発電設備(BAT)の開発と商用化を支援”. 三菱重工業 (2015年8月27日). 2018年2月18日閲覧。
- ^ “空に浮かぶ、翼の生えた発電設備!?”. 大阪ガス (2017年12月18日). 2018年2月18日閲覧。
- ^ “MIT、空飛ぶ風力発電機を開発”. PC Watch (2014年5月16日). 2018年2月18日閲覧。
- ^ “風力発電、イノベーションで新たな高みへ”. Intel iQ Japan (2016年6月9日). 2018年2月18日閲覧。
- ^ “Aerostat startup Altaeros gets $7.5M from SoftBank to bring broadband wireless to rural areas”. TechCrunch (2017年8月8日). 2018年2月18日閲覧。
- ^ “SoftBank invests $7.5m in regional broadband 'SuperTower'”. ZDNet (2017年8月9日). 2018年2月18日閲覧。
- ^ “Altaeros teams with Ericsson to connect rural areas with floating SuperTowers”. FierceWireless (2018年2月15日). 2018年2月18日閲覧。
- ^ “A wind turbine that floats high in the sky”. ZDNet (2011年10月25日). 2018年2月18日閲覧。
- ^ “Altaeros Energies Achieves Breakthrough in High Altitude Wind Power”. Altaeros Energies (2012年3月27日). 2018年2月18日閲覧。
- ^ “Altaeros balloon boosts wind turbine power”. CNET (2012年3月28日). 2018年2月18日閲覧。
- ^ “Altaeros Energies Poised to Break World Record with Alaska High Altitude Wind Turbine”. Altaeros Energies (2014年3月21日). 2018年2月18日閲覧。
- ^ “300m上空に浮かぶ風力タービン、実証実験へ”. wired (2014年3月31日). 2018年2月18日閲覧。
- ^ “High-flying turbine produces more power”. MIT News (2014年5月15日). 2018年2月18日閲覧。
- ^ “SoftBank、風力発電ベンチャー「Altaeros」と空中浮体式風力発電事業を展開”. マイナビ. (2014年12月8日) 2018年2月18日閲覧。
- ^ ““空飛ぶ風力発電”に三菱重工らが出資”. スマートジャパン (2015年8月31日). 2018年2月18日閲覧。
- ^ “SoftBank Invests Additional $7.5 million in Altaeros to Expand Low Cost Rural Broadband Connectivity”. Altaeros Energies (2017年8月8日). 2018年2月18日閲覧。
- ^ “Wireless SuperTowers connect rural areas with mobile broadband”. Altaeros Energies (2018年2月15日). 2018年2月18日閲覧。