おる
表示
日本語
[編集]動詞:織る
[編集]おる【織る】
活用
[編集]活用と結合例
翻訳
[編集]動詞:居る
[編集]おる【居る】
- その場に存在している。「いる」の西日本的な言い方。未然形「おら」と連用形「おり」は現代共通語でも用いられるが(後述)、それ以外の語形は、古風あるいは尊大といった印象を伴って主に小説・映画・漫画等の創作作品で用いられる。
- あそこに猫がおったよ。
- わしも昔は元気にやっておったもんじゃ。(補助動詞)
- 今までどこにおったのだ。
- そんなことは知っておる。(補助動詞)
- 「いる」の丁重な言い方。多くの場合、丁寧語「ます」を伴い「います」の謙譲的あるいは丁寧な表現となる。
- 昨日から東京に滞在しております。(補助動詞)
- 「いる」の軽蔑的な言い方。また連用形につけて、動作に軽蔑的な意味を含める言い方。連用形につくものは「よる」とも転ずる。主に京都・大阪の方言。
- 動作の進行をあらわす兵庫県以西の方言。「よる」「よう」「ゆう」などとも転ずる。
- 危うくこけよるところやったわ。/危うくこけよったわい。
- カープが負けよったけど、最後は逆転勝ちした。
- 変更せず、そのままでいる。
- それから巴里発電報では、石井大使がポアンカレを訪うて懇談したことをも報じている。そして、仏国は日本とは親善の間柄ではあるが、この問題に就いては不干の状態に処るだろうということが付加えてあった。(齋藤茂吉『ドナウ源流行』)
活用
[編集]活用と結合例
語源
[編集]運用
[編集]- 「おり」「おらず」は、古風・謙譲といったニュアンスを伴わずに、「いる」の連用中止形「い」および「いない」の連用中止形「いず」「いなく(口語的)」の代替表現として用いられる。
- 事故当時、目撃者は一人もおらず、…。
- 尊敬の助動詞「れる」を付けた「おられる」は、「いる」に「れる」を付けた「いられる」の代替表現として用いられ、明治以降、特に補助動詞としては「いられる」よりも多用されてきた。現代の口語としては西日本を中心に用いられ、「おる=謙譲語」という意識が強まった関東地方では不正確な敬語と受け取る人も出てきている。
- どちらにおられますか?
- 先生は、すでに来ておられる。(補助動詞)
- 4の用法がある方言では、補助動詞の用法「ておる、とる、ちょる、とう、ちゅう」などでは結果・継続をあらわす。タ行音を含むものが結果・継続、含まないものが進行をあらわす。
- 勉強やりよる=今現在、勉強をやっている。または、習慣・日課として勉強を欠かさずやっている。
- 勉強やっとる=すでに勉強をやってある。(文脈によっては、今現在、勉強をやっている、または、習慣・日課として勉強を欠かさずやっている、の意味にもなる)
- 犬が餌を食べよる=今現在、餌を食べている。または、ここ最近餌をよく食べる。
- 犬が餌を食べとる=すでに食べ終わっている。
- 座りよる=着席しようとしている。または、(立たないで)座ることが習慣化している。
- 座っとる=着席した状態にある。
動詞:折る
[編集]おる【折る】
活用
[編集]活用と結合例
関連語
[編集]- 折れる - 自動詞形
複合語
[編集]翻訳
[編集]古典日本語
[編集]動詞:下る・降る
[編集]- 下りる。
- 降りる。
ラ行上二段活用 | ||||||
---|---|---|---|---|---|---|
語幹 | 未然形 | 連用形 | 終止形 | 連体形 | 已然形 | 命令形 |
お | り | り | る | るる | るれ | りよ |
発音(連体形)
[編集]三拍動詞二類
平安時代
[編集]- うぉる↗る
南北朝時代
[編集]- うぉ↘る↗る
室町時代
[編集]- うぉ↘るる
江戸時代
[編集]- お↘るる
動詞:愚る
[編集]おる【愚る】
- 愚かになる。
ラ行下二段活用 | ||||||
---|---|---|---|---|---|---|
語幹 | 未然形 | 連用形 | 終止形 | 連体形 | 已然形 | 命令形 |
お | れ | れ | る | るる | るれ | れよ |
動詞:織る
[編集]おる【織る】
- (現代語に同じ)織る。
ラ行四段活用 | ||||||
---|---|---|---|---|---|---|
語幹 | 未然形 | 連用形 | 終止形 | 連体形 | 已然形 | 命令形 |
お | ら | り | る | る | れ | れ |
発音
[編集]二拍動詞一類
室町時代以前
[編集]- ↗うぉる
江戸時代
[編集]- ↗おる
註
[編集]- ↑ 青空文庫、2018年4月26日作成(底本:「斎藤茂吉随筆集」岩波文庫、岩波書店、2003(平成15)年6月13日第7刷発行)https://www.aozora.gr.jp/cards/001059/files/57007_64613.html
- ↑ 青空文庫、2022年2月25日作成(底本:「我が愛する詩人の伝記」中公文庫、中央公論社、1984(昭和59)年7月30日6版)https://www.aozora.gr.jp/cards/001579/files/55531_75184.html