タレント・中居正広さんの性加害疑惑を巡る一連の報道を受け、フジテレビは1月27日6時から本社で記者会見を実施した。
出席したのは以下の4名（敬称略）。
フジ・メディア・ホールディングス、フジテレビジョン代表取締役会長 嘉納修治
フジテレビジョン取締役副会長 遠藤龍之介
フジテレビジョン代表取締役社長 港浩一
フジ・メディア・ホールディングス代表取締役社長 金光修
会見冒頭、嘉納修治さんが「人権に対する知識不足から、十分なケアができなかった当事者の女性に対し、心よりお詫び申し上げます」とコメント。視聴者をはじめ広告主、株主、番組出演者らに謝罪した。
その上で、フジ・メディア・ホールディングスおよびフジテレビジョンの代表取締役会長・嘉納修治さんと、フジテレビジョン代表取締役社長・港浩一さんの辞任が発表された。
フジテレビ新社長には、現フジ・メディア・ホールディングス専務であり、『ドラゴンボール』『ちびまる子ちゃん』などのアニメをプロデュースしてきた清水賢治さんが、1月28日付で就任する。
港浩一社長「メディアの信頼性を揺るがした」
辞任を発表した港浩一さんは、「このたびの事態を招いた責任を痛感している」として、自身も第三者委員会の調査対象になっていると説明。
その上で「真実の解明と再発の防止、企業風土の刷新に向けて尽力していきたい」として、全面的に協力していく姿勢を明らかにした。
また、前回1月17日に行われた一部メディア限定の記者会見にも触れ「テレビ局として説明責任に欠けるものだった。メディアの信頼性を揺るがした」と振り返った。
当該女性から報告を受けた後の対応にも言及し、「誰に知られずに仕事に復帰したいという本人の意思を尊重していたが、人権侵害が行われた可能性がある点への認識が不足していた」と説明。
中居正広さんの番組出演についても、「適切な検証を行わずに番組出演を継続してしまった。問題の背景にあると考えられる、タレントやスタッフによる会食のあり方についても検証に至らなかった」とコメントした。
フジ新社長「信頼回復なくしてフジテレビに未来はない」
一方で、新社長に就任する清水賢治さんも会見に出席。
清水賢治さんは、『ドラゴンボール』や『ちびまる子ちゃん』をはじめ、フジテレビのアニメ事業を長きにわたり牽引してきた人物。現在は、フジ・メディア・ホールディングス専務取締役などをつとめている。
清水賢治さんは会見で、「再発防止策の徹底を決意を持って進めていく」と表明し、「フジテレビには熱意を持った素晴らしい仲間がいる。仲間と共に、課題を乗り越え、新たな時代をつくっていく」とコメント。
その上で「信頼回復なくしてフジテレビに未来はない。ゼロからのスタートです」と語った。
中居正広とフジテレビを巡る問題の流れ
中居正広さんとフジテレビを巡っては、2024年末から中居正広さんによる当該女性への性加害疑惑が報じられている。
週刊誌の『女性セブン』『週刊文春』などが、中居正広さんが女性に対し多額の解決金（示談金）を支払ったことのほか、性加害がフジテレビ幹部が設定した食事会で起きたこと、また事態を把握していたフジテレビ側が対応しなかったことなどが報じられてきた。
それを受け2025年1月9日、中居正広さんは公式サイトで声明を発表。「トラブルがあったことは事実です」と認め、「示談が成立したことにより、今後の芸能活動についても支障なく続けられることになりました」とコメントしていた。
フジテレビも1月17日、記者クラブに加盟する一部のメディアに、生中継や映像なしの記者会見を実施。2024年6月時点で被害者女性から相談があり、中居正広さんの性加害疑惑を認識していたことを明らかにした。
クローズドな会見に批判も上がる中、1月23日には、フジテレビの親会社であるフジ・メディア・ホールディングス（フジ・メディアHD）が、独立した第三者委員会の設置を発表。
そして同日、中居正広さんが芸能界からの引退を自身のファンクラブサイトで発表した。
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