概要
夏の終わりを告げる花火大会の日、駅のホームで一人ベンチに座っていた。
都会の生活に憧れて、自然豊かな田舎から出てきた。
でもずっと馴染めなくて、友達もほとんどいない。
予備校から家に帰るための電車がホームに現れて、立ち上がろうとすると、浴衣姿の少女が目の前を通り過ぎ……ることはなくて、いきなり礼司の上に覆いかぶさってきた。
草履の鼻緒が切れて転んだのだ。
彼女に無事に花火を見もらうために走る礼司。
それは、同じクラスで遠くから眺めていた彼女、穂綿菜摘との偶然の邂逅だった。
なぜか彼女と一緒に訪れることになった花火大会、そこではまたもう一つの出会いもあって。
咲いては儚く消えていく花火を見上げながら、涙を流す彼女。
そこから、モノトーンだった
おすすめレビュー
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- ★★★ Excellent!!!黄昏の中、花火よりも綺麗な君に出会った
主人公の桐谷礼司くんは打ち上げ花火が上がる日の夕方。とある女の子が転ぶのを助けるため、咄嗟に抱き留めます!
折角の縁だからと一緒に縁日へと行き、その夜打ち上がった花火を見て涙を流す少女に驚きつつも夏休みを終えました。
二学期を迎えもう話すことはないだろう…と思っていたら、忘れ物を取りに来た教室の中で穂綿さんが友人らしき女子に「告白しちゃった」宣言されていて!?
甘酸っぱい青春、その裏にある涙と恐ろしい憎愛や人間関係。
思春期故の沢山の切なさや傷を抱える心の変化の中で、それでも固く結ばれるものは。
綺麗ばかりが恋愛じゃない。そんな現実的だけどそれ故にとても深みのあるこの作品、読めばあ…続きを読む - ★★★ Excellent!!!打ち上げ花火に重なる、二人の想い
岐阜から東京に来た桐谷礼司の物語、なんだか自分も新しい環境でドキドキしながら奮闘している気分になりました。都会の喧騒と田舎の静けさが交差する描写は、まるで彼が見つけた都会の中の小さな「秘密の庭」のよう。
草履の紐が切れた菜摘を助けた場面、偶然なんてものじゃなく、運命のいたずらが仕組んだ舞台だったのでは?花火の音に包まれる二人の時間は、心の中でささやかな恋の「火花」が散った瞬間。それでも、礼司が耳にした菜摘の恋心という現実は、彼の心にそっと冷たい風を吹き込む。友情、恋、故郷の記憶が絡み合い、礼司の心の中に渦巻く感情は、まさに青春そのもの。
この物語は、静かな夜の中でふと胸がキュンとな…続きを読む - ★★★ Excellent!!!信じられないほどエキサイティングで病みつきになる!
皆さん、こんにちは。私は以前にもマサ先生の小説を読んだことがあるので、この作品には大きな期待を寄せていました。
そして本当に素晴らしかった!
この作品は、物語の登場人物の心情や出来事について、多くの疑問や謎を残したまま、スローペースで、少し切なく始まる。 しかし、そこから爆発的に勢いを増していく。 私たちは、現在の困難な出来事や過去の辛い出来事の数々にさらされる。 文字通りすべてのエピソードが、なぜそうなのか、次に何が起こるのか、という複雑な感情と疑問の海で私を悩ませた!
これは、若者同士の関係がいかに複雑であるか、愛と友情のどちらを選ぶかというジレンマに悩まされることがいかに辛いかを…続きを読む