「ライトノベル」という呼称の誕生
2ちゃんねるに「ライトノベル板」が誕生
2000年1月24日にライトノベル・雑誌・エンターティメント板として開設された。
「ジュブナイル」「ヤングアダルト」「ティーンズ文庫」などあった中で「ライトノベル」が採用される。ラノベ読者のあいだで徐々に「ライトノベル」がデファクトスタンダードに。
ライトノベル解説本ブーム、ラノベ原作アニメの増加、涼宮ハルヒのヒット
これにより「ライトノベル」という呼称がラノベ読者以外にも広まる。少年向けラノベ中心の流行だったため「少女向けラノベはライトノベルに含まれない」という認識の遠因に?
- 作者:谷川 流
- 発売日: 2003/06/07
- メディア: 文庫
ラノベ作家の一般文芸への進出の増加
電撃ハードカバーにおける有川浩の成功により、ラノベ作家の一般文芸への進出が増える。ラノベ読者のあいだでは当時「越境」と呼ばれた。ラノベと一般文芸の境界が曖昧に。いちどライトノベルとして出た作品が一般のレーベルで再刊行されるということも。以降、ラノベ作家の領域横断的な活動は当たり前になる。
関連:「越境」後のライトノベル - WINDBIRD::ライトノベルブログ
- 作者:桜庭 一樹
- 発売日: 2009/09/20
- メディア: 文庫
イラストのないラノベの登場
「イラストが付いていればライトノベル」という定義の例外となる。単純にイラストの有無だけを見る定義の衰退。イラストに限らない総合的なパッケージングを重視する主張が台頭する。
- 作者:雨宮 諒
- 発売日: 2005/11/10
- メディア: 文庫
一般文芸、海外ファンタジーの翻訳、児童文庫(YA)などにおけるラノベ的なパッケージの増加
ラノベ=パッケージ説にのっとれば「一般文芸のラノベ化」と言える。ただし「読者に合わせた結果であって殊更に『ラノベ』を目指しているわけではない」という反論もあり。その場合は「イラスト付きパッケージの普遍化」と言うべきか。
- 作者:東川 篤哉
- 発売日: 2010/09/02
- メディア: 単行本
予言の守護者 - ベルガリアード物語〈1〉 (ハヤカワ文庫FT)
- 作者:デイヴィッド エディングス
- 発売日: 2005/02/24
- メディア: 文庫
黒魔女さんが通る!! チョコ、デビューするの巻 (講談社青い鳥文庫)
- 作者:石崎 洋司
- 発売日: 2005/09/15
- メディア: 新書
Web小説の隆盛
ライトノベルと言えば商業作品であるという(無意識的な)大前提があった時代から、Web上に自称「ライトノベル」が溢れる時代へ。「ライトノベルは商業作品に限るべきか」という問題が立ち上がってくる。
- 作者:橙乃 ままれ
- 発売日: 2011/03/11
- メディア: 単行本
ボカロ小説の登場
これまでのラノベ読者のコミュニティとは全く異なるコミュニティが現れたことになる。以降、ニコニコ動画からはフリゲのノベライズ、ゲーム実況者が執筆するラノベなども派生。KADOKAWA・DWANGOの合併とも関係してくる。
関連:ボカロ小説はライトノベルか? - WINDBIRD::ライトノベルブログ
- 作者:悪ノP
- 発売日: 2010/08/09
- メディア: 単行本
「青年向けラノベ」の増加
メディアワークス文庫の創刊、そして『ビブリア古書堂の事件手帖』のヒットにより、「大人向けラノベ」「青年向けラノベ」とでもいうべきレーベルが増えている。「キャラノベ」という呼称が定着しつつあるが、分かりづらいので個人的には好きではない。「ライトノベルは少年・少女向けの小説」というような定義に対して、この青年向けラノベをどう位置づけるか、というのが現在のラノベ定義論のトレンドと言える。
ビブリア古書堂の事件手帖 ~栞子さんと奇妙な客人たち~ (メディアワークス文庫)
- 作者:三上 延
- 発売日: 2011/03/25
- メディア: 文庫
- 作者:栗原 ちひろ
- 発売日: 2014/06/11
- メディア: 文庫
- 作者:河野 裕
- 発売日: 2014/08/28
- メディア: 文庫