書店売上げランキングTOP5がどこか知っていますか?
書店は営利企業
書店は営利企業です。たまに「文化の担い手」なる怪しい皮を被りますが、本を売ってお金儲けをする組織です。当然、営利企業である書店は、日夜必死に売上げを向上させようとしています。今回のエントリーは、そんな売上げから書店を見ていきます。
単に「これが売上げTOP5だよー」と順位を上げても面白くありません。そこで、まずは皆さん、自分なりのTOP5を頭に描いて下さい。やはり紀伊國屋ですかねー、大変そうな丸善ですかねー、ジュンク堂も捨てがたいですよねー、三省堂もいいですよねー、チェーン店NO,1の文教堂なんかもどうですかねー。
さて、自分なりのTOP5は作れましたか?では解答に移ります。
書店売上げTOP5
これが書店売上げTOP5のグラフです。なんとなくジュンク堂を入れたかったのでTOP6になっちゃってます。
参考1*1 参考2*2 注1*3 注2*4
順位は以下の通りです。
さて、自分の作ったTOP5を思い返して下さい。TSUTAYAはランクインしていますか?
TSUTAYAが変える出版業界勢力図
上記のグラフの数値は、TSUTAYA店舗内での書籍・雑誌販売のフランチャイズとして展開されている「TSUTAYA BOOK NETWORK」の売上げです。つまり、TSUTAYAが書籍、雑誌販売で上げた売上げです。
TSUTAYAは、フランチャイズを増やしていく事で、業界3位に成長しました。私はこの急成長を「出版不況を自力で乗り切ることの出来ない書店達が、ノウハウを求めてTSUTAYAにすがりついた」結果だと考えています。TSUTAYAがいなかったら、今より多くの書店が潰れていたかもしれません。
さらにTSUTAYAは取次業界の勢力図も大きく塗り替えました。現在の主要取次の売上げは以下の順位です。
TSUTAYAといえば、TSUTAYA専用取次MPDです。MPDの2007年度売上高は2123億円です。書籍だけでも829億円。栗田帳合の全書店をもってしてもTSUTAYAに遠く及びません。さらに、書店がTSUTAYAのフランチャイズに加盟すればするほど、他の取次の売上げがMPDのものになっていきます。MPDの売上げが大阪屋に並ぶのは時間の問題かもしれません。
というわけで、自分の作ったランキングにTSUTAYAが入っていなかった方々は、TSUTAYAが出版業界の中で凄い事になっているという事を覚えておいて下さい。つーか、私が知らなかったので、エントリーにしてみたんですけどね。
*1::http://www.1book.co.jp/cat_72.html
*2:http://www.ccc.co.jp/about_number/pop_share.html
*3:2007年は各決算やWebページに掲載されている売上げを用いた
*4:TSUTAYA書籍・雑誌販売の売上げは、2005年を基準とし、決算に載っている前年比総端末売上げを用いて計算した。