顔にも髪にも体にも｜馬油がもつ効果とは？10通りの使い方とおすすめアイテムも紹介

近年、美容に敏感な人から注目を集めている馬油。馬油商品も続々と増えていますよね。でも、「馬油ってそもそもなんなの？」「どんな効果があるの？」と疑問に思っている人もいるでしょう。まずは馬油について、その特徴や効果を簡単に説明します。

馬油（バーユ、マーユとも）とは、馬のたてがみや皮下脂肪からとった油脂のこと。その歴史はとても古く、中国では約4,000年前から活用されていたと言われています。実際5～6世紀頃の中国の医師が書いた本でその存在が確認でき、民間療法に活かされていました。

馬油には不飽和脂肪酸としてオレイン酸、パルミトレイン酸、リノール酸、α-リノレン酸が、飽和脂肪酸としてパルミチン酸などが含まれています。この不飽和・飽和脂肪酸の割合が人の皮脂の構造にとても似ていることから、肌なじみがとてもいいのが特徴。

融点が低く、常温で固形と液体の中間くらい。夏だとサラサラの液状になりますが、冷蔵庫で冷やすことで固形に戻るので、自分が使いやすい固さに調整することも可能。赤ちゃんからお年寄りまで活用でき、口に入っても大きな害はなく、安心して使用できるオイルなのです。

古くは火傷や切り傷などに使用されてきた馬油ですが、現在はおもにスキンケアに活用されることが多いようです。具体的な効果を以下に簡単に紹介します。

馬油自体はしっとりと重いオイルなのですが、肌に塗るとすーっとなじんでいきます。これは前述の通り、人の皮脂と構造が似ているから。浸透力がとても高く、手やかかとなどの皮膚が厚い部分にも使用しやすいオイルです。

また、水分蒸発を防いで肌のうるおいをキープして肌を柔らかく保つ効果も高く、保湿成分としても優秀。肌トラブルや肌悩みの原因の多くは乾燥が引き金になることも多いため、あらゆる肌トラブルの予防や改善にも効果を期待できるでしょう。

馬油には多種多様な使い方があります。その可能性は無限大！ここでは日常に取り入れやすい馬油活用法を10個紹介します。

馬油はメイク落としにも利用可能。適量の馬油とメイクをなじませくるくるマッサージするようにすると、じわじわメイクが落ちていきます。ナチュラルメイクなら馬油だけでも十分！ただし、濃いメイクはきちんとメイク落としを使う方がベターです。

また、馬油洗顔もおすすめ。適量を手に取って指先でクルクルすると、毛穴のしつこい汚れが溶け出し、気になる角栓や黒ずみをオフすることができます！（毛穴に詰まっていた汚れを肉眼で確認できることもあるとか！）

馬油洗顔の方法はいろいろありますが、簡単なのはたっぷりめに取った馬油を肌になじませ、化粧水を含ませたコットンで拭き取るだけ。角栓や黒ずみに悩んでいる人はぜひお試しください。

乾燥が気になる肌のスペシャルケアとして、馬油を使ったオイルパックもおすすめ。洗顔後に水気をしっかり拭き取り、500円玉2つ分を目安にたっぷりめの馬油を肌に優しくなじませます。そのまま5～10分放置。その間、湯船でのんびりするのもいいですね。終わったら洗い流すだけで完了です。

オイルパックとは？効果やおすすめアイテム、顔＆髪へのやり方を解説！

スキンケアの最初にブースターとして馬油を取り入れる方法も効果的。順番は、馬油→化粧水→美容液→乳液その他 が基本です。

「先にオイルを使用すると化粧水を弾いてしまうのでは？」と不安や疑問に感じるかも知れませんが、馬油は浸透性が高く、素早く肌になじみます。また、比較的親水性の高いオイルなので、化粧水とうまくなじみつつ浸透を高めてくれるのです。

スキンケアの最後に適量の馬油を追加する方法もおすすめです。とくに、乾燥が気になっているとき、いつものスキンケアが物足りなく感じたときなどにぴったり！馬油の油分が保湿アイテムによるうるおいをしっかり閉じ込め、乾燥から肌をしっかりガードしてくれるはずです。

馬油オンリーでスキンケアを完了させてしまうのもアリ。洗顔後の肌に適量の馬油をしっかりとなじませ、5分ほどして肌のべたつきがなくなったら保湿完了、という方法です。

手軽なうえ他の保湿アイテムにかかる金額をまるごと削れるので、コスパ的にもおすすめ。ただし、人によっては物足りなさを感じることもあるようです。実践するかどうかは実際に試しつつ、肌と相談しながら決めてくださいね。

オイルを使った頭皮マッサージは、フケやかゆみを抑える効果を期待できます。また、頭皮のコリをほぐすことで血行がアップし、頭痛や肩凝りの改善、肌のトーンアップなどの嬉しい効果も！

シャンプー前に適量の馬油を手に取り、頭皮になじませながら気持ちいい強さでマッサージしましょう。そのまま20分ほど放置。それからシャンプーをして馬油を洗い流すだけなので、湯船でリラックスしながら頭皮をスッキリさせることができますね。

毛先のパサつきは不健康や不衛生に見えることも！毛先をしっとりまとめるだけで印象は大きく変えることができます。そんなときに頼りになるのが馬油！

ドライヤー前にごくごく少量を毛先になじませれば、しっとりまとまりのある毛先にできます。もちろんドライヘアにも使用可能。ただし、使用量を間違えるとべたついて汚い印象になるので、少量を様子見しながら塗布してくださいね。

ツヤ髪や濡れ髪に仕上げたいときにも馬油がおすすめ。濡らした髪に少量の馬油を揉み込むようになじませれば、ツヤ感のあるウェットスタイルをつくることができます。また、髪にまとまりが欲しいとき、アイロンやコテ、ドライヤーの熱から髪を守るのにも最適です。

とくにおすすめなのは、コテの使用前に少量の馬油をなじませる方法。「巻きが弱くなるんじゃないの？」と思うかもしれませんが、つける量さえ間違えなければツヤ感とくっきりカールを両立できますよ。

馬油の高い保湿力と浸透性の高さをいかして、乾燥が気になるボディパーツにも活用しちゃいましょう！意外と人目につく爪や手指の乾燥…そんなときは馬油を軽くひと塗り。商品にもよりますが、基本的に馬油には匂いがないので、場所を選ばずハンドケアできますよ。

また、ガサガサ・カチカチのかかとや、黒ずんでガサガサしている肘や膝の保湿にも効果的。塗ってすぐはややべたつきが気になるかもしれませんが、時間がたてばしっかりなじみます。しっとり感が長続きするので、しつこいボディの乾燥に悩んでいる人におすすめですよ。

意外かもしれませんが、馬油は鼻腔の違和感解消にもおすすめ。たとえば花粉の時期であれば、外出前に鼻の中に馬油を適量塗りこむことで花粉の鼻内部への付着を予防することができます。綿棒などを使えば手軽に塗布できるでしょう。

また、鼻炎症状に悩む人にも馬油がおすすめ。とくに、鼻炎からくるドライノーズに悩む人は、馬油を使ったオイル点鼻を試してみてはいかがでしょう？横になった状態でスポイトなどを使い、数滴の馬油を点鼻する方法です。

オイル点鼻をすれば、乾燥による不快感を緩和すると同時に、鼻粘膜の保護も可能。鼻うがいと組み合わせることで鼻の通りも改善しやすいでしょう。

続いては、おすすめの馬油アイテムについて。LIPSユーザーにも高評価のものを紹介するので、市場に馬油商品が多すぎてどれを選べばわからない人は参考にしてみてください。

馬油の老舗メーカー薬師堂のソンバーユ。赤ちゃんから大人まで使用できるマルチなオイルとして、古くから愛されています。ドラッグストアなどでも手軽に購入できる定番品で、純度100％無添加だから「馬油ってどんなもの？」と思っている初心者さんにおすすめです。

こちらは馬油のなかでも比重の軽い液状部分のみを生成した液体オイル。固形タイプよりさらに浸透力が高くてサラッとした使用感なので、べたつきが苦手な人、化粧下地として使用したい人におすすめです。

「こうね」とはタテガミ部分の希少部位のこと。タテガミは肉質・油質ともにとても上質で、こうね100％のこちらの馬油はとても浸透がよく、一般的な馬油よりも融点が低いのが特徴です。そのため、肌にのせるとするーっと溶けて肌なじみも抜群ですよ。

こちらはバニラの香料が入ったソンバーユです。甘い香りにうっとり。効果はもちろん無香料バージョンと変わりません。スキンケアやボディメイクを香り付きで楽しみたい方や、小さなお子様におすすめできるアイテムです。

タテガミ油を混ぜた上質な馬油。防腐剤や殺菌剤は配合されていませんが、酸化防止剤としてトコフェロールが配合されています。100％酸化しないとは言い切れませんが、保管方法に不安がある人におすすめと言えるでしょう。

こちらはチューブ入りのクリームタイプの馬油アイテム。オイルよりも手軽に使えるし、持ち歩きやすいから乾燥が気になるときにサッと使えるのもいいですよね。また、さくらの優しい香りも魅力のひとつ。さくらフレーバーが好きな人にもおすすめですよ。

こちらは主成分として馬油が使われている、馬油配合というよりむしろ馬油でできた固形石鹸。馬油の臭いが気になる人も安心な爽やかなヒノキの香りです。99％純石けんで洗浄力はしっかりありますが、うるおいをしっかりキープできるので、赤ちゃんでも使用できますよ。

こちらは保湿成分として馬油が配合されたシャンプー＆トリートメント。シャンプーで頭皮をマッサージしながら洗うことで、頭皮の血行が促進されてハリとツヤのある髪へと導きます。また、トリートメントには馬油だけではなく植物オイルもたっぷり配合。うるおいとまとまりのある滑らかな髪に仕上げます。

便利で頼れる馬油ですが、使用するにあたっては保管の点で注意が必要です。馬油は動物性オイルのなかでも酸化しやすいオイル。とくに熱によって酸化がすすむため、使用するときは開封時間を最小限にすると同時に、一度でも開封した後は冷蔵庫での保管をおすすめします。

また、古くなってくると白い結晶が浮いてきたり、油脂独特の油っぽい臭いがしたりすることも。結晶に関してはとくに害は無いので気にしなくて大丈夫ですが、臭いが気になる場合は皮革製品のお手入れに使用したり、かかとや膝などあまり臭いが気にならない部位に使用したりするといいでしょう。

Photo by HAIR

馬油には美容だけではなく健康面でも優れた効果があります。上手く活用すれば全身を馬油効果で美しく健やかな状態に導けるはず！いろいろな使い方があるので、使用法の組み合わせを楽しんだり、自分だけの使い方を編み出したりするのも面白そうです。

ただし、使用していて違和感があったり、肌に刺激や赤みがあったりしたら使用をすぐに中断すること。馬油以外にも美容に有効なオイルはたくさんあるので、肌との相性が悪かったら別のオイルを検討してみてくださいね。