
WPCとWPIの違いを解説!どっちがいい?変わらない?選び方やデメリットも紹介
ホエイプロテインを飲もうかと思っているけれど、WPCとWPIってどっちがいい?変わらない?と疑問に思っている人も多いのではないでしょうか。WPCとWPIでは吸収速度が違いますが、おなかの調子などの体への影響も心配ですね。
そこで今回は、WPCとWPIの違いやメリットデメリットを徹底解説!どんな人におすすめか、WPHとの違いから飲むタイミングや健康への影響まで、詳しく解説します。ダイエットや筋力作りでホエイプロテインが気になっている方は、要チェックです!

パーソナルトレーナー津村美緒
ハーティネス株式会社代表 フィットネス勤務から独立し、現在はダイエット迷子に正しい知識を伝えるためのオンライングループレッスン運営中。 コンプレックスを強みに変える!ボディメイク運動指導やリバウンドなしで、理想の体を手に入れる食事指導をおこなっている。 YouTubeチャンネル「みおGYM」にて週2回エクササイズ配信中 著書4冊/各種雑誌、テレビ出演 JBBF 日本ボディビル・フィットネス連盟 5年振りの復帰で2024神奈川県オープン大会にて優勝続きを読む
「WPC」と「WPI」の違いとは?ホエイプロテインの種類について解説

筋トレをしている方に欠かせないプロテイン。なかでもホエイプロテインは吸収速度が速い人気の種類ですが、WPCやWPIなど、いくつか種類があり、どれが良いか悩んでいる方も多いでしょう。
ホエイプロテインのホエイ(乳清)とは、ヨーグルトの上澄みにできる透明な液体のこと。このホエイに含まれる動物性のタンパク質のことを、ホエイプロテインといいます。
ホエイプロテインの種類は、大きくわけて3つあります。
- WPC
- WPI
- WPH
それぞれの違いは、製造方法やタンパク質含有量、吸収速度や価格などがあります。それぞれのホエイプロテインについて解説していくので、比較して自分に合ったものを選んでみてくださいね。
プロテインにはいくつか種類があり、ホエイプロテインの他にソイプロテインもあります。プロテインの種類についてもっと詳しく知りたい方は、こちらの記事もチェックしてみてください。
監修者
パーソナルトレーナー津村美緒
WPC:ホエイプロテインコンセントレート
ホエイプロテインといえば、WPCをイメージする方も多いでしょう。WPCは、ホエイプロテインコンセントレートの略称で、濃縮乳清タンパク質とも呼ばれます。牛乳からできるホエイ(乳清)を濃縮膜処理法でろ過した液体を濃縮してつくられるもので、ホエイプロテインとしてはもっとも多くの方に愛用されている種類です。
タンパク質の含有量は約70%で、他の種類に比べて吸収スピードや吸収効率は劣っていて、体内への吸収はゆるやかです。しかし、価格が比較的安く試しやすいため、毎日続けやすいホエイプロテインとして多くの方に選ばれています。
WPI:ホエイプロテインアイソレート
WPIは、ホエイプロテインアイソレートの略称で、分離乳清タンパク質とも呼ばれます。細かな膜を通してWPCをさらに精製してつくられるもので、乳頭や乳脂など、筋力づくりに不要な成分を取り除いてタンパク質の純度を高めています。
タンパク質の含有量は約85~90%で、タンパク質を運ぶのを妨げる乳成分が入っていないため、WPCよりも吸収スピードが速いです。より速く効率的に体内に吸収されるのですが、製造工程が多いので、価格は比較的高いのが特徴です。
WPH:ホエイプロテインハイドロリセート
WPHは、ホエイプロテインハイドロリセートの略称で、加水分離乳清タンパク質とも呼ばれます。WPIのタンパク質の一部を、ペプチドやアミノ酸にまで分解して体内に吸収しやすくしたものです。
タンパク質の含有量は約95%あり、吸収スピードは、WPCやWPIよりも速いです。ただ、より純度の高いものをつくるために多くの工程を踏んでつくられるので、価格はホエイプロテインの3種類のなかでもっとも高いです。
監修者
パーソナルトレーナー津村美緒WPC→WPI→WPHの順で品質が上がる分、価格も上がりますが、毎日続けるものだからこそ、妥協せずに体に合うものを選びましょう。無理せず、プロテインを続けるために大切なポイントです!普段は食事でタンパク質を補い、時々プロテインを活用するという方は、ちょっとだけ良いものを特別に選択してみるのもいいかもしれませんね!
WPCとWPIのメリット・デメリットは?
ホエイプロテインのなかでも人気のあるWPCとWPIですが、それぞれメリットやデメリットがあります。WPCとWPIのメリットやデメリットを知り、納得したうえで自分に合ったものを選びましょう。
WPCのメリット

WPCのメリットは、なんといっても価格が安いこと!他の種類に比べて安く購入できるので試しやすく、毎日飲み続けても財布の負担になりにくいことが大きなメリットです。
また、自然な甘みで飲みやすいこともメリットのひとつ。糖質が残っているため甘みを感じやすく、初めてホエイプロテインに挑戦する方にも試しやすいです。今ではチョコレート味やカフェオレ味など、味のバリエーションも多く展開されているので、飲みやすいものが見つかりやすいこともメリットといえるでしょう。
さらに、糖質だけでなくビタミンやミネラルも含まれているので、多くの成分を取り入れることもできます。
WPCのデメリット
WPCには、以下のようなデメリットがあります。
- タンパク質の含有量が少なめ
- カロリーが他の種類よりやや高め
- 乳製品が苦手だとお腹がゆるくなる場合も
WPCのデメリットは、タンパク質含有量が比較的少ないことです。タンパク質含有量は約70%なので、思い切りタンパク質を摂取したい方にとっては、含有量が少ないので物足りなく感じることもあるかもしれません。
カロリーは他の種類よりも高めなので、購入前にカロリーをチェックしておいた方が良いでしょう。また、乳糖が配合されているので、乳製品を食べるとお腹が痛くなってしまうなど、乳製品が苦手だと感じる方には向いていません。
監修者
パーソナルトレーナー津村美緒こうして比較をしてみると、タンパク質含有率が他の種類のプロテインに比べて低いのが気になるかもしれませんが、WPCでも十分に摂取する意味はあります。特別なこだわりがない場合は、一般的なWPCを選ぶと良いでしょう。
WPIのメリット

WPIのメリットは、低カロリーなこと!糖質と脂質がカットされているので、カロリーの摂取量を抑えることができます。「普段の食事にプラスして取るものだから、カロリーをなるべく抑えたい」と考えているダイエット中の方にもぴったりです。比較的溶けやすい性質を持つので、手軽に摂取できるのもメリットのひとつです。
タンパク質含有量はWPCよりも多く、約85~90%あるうえ吸収も速く効率的なので、タンパク質を集中的に摂取することができます。また、乳糖が含まれていないので、乳糖不耐症の方でも飲めることも大きなメリットといえるでしょう。
WPIのデメリット
WPIには、以下のようなデメリットがあります。
- 価格がWPCに比べてやや高め
- 味が控えめで飲みにくいことも
WPIのデメリットは、やはり価格が比較的高めなこと。販売されているホエイプロテインのなかでも価格が高めなので、毎日続けるのは大変と感じる方もいるかもしれません。
また、味がさっぱりしていて飲みにくいと感じる方もいるようです。長期間飲み続けると飽きてくるといった意見もあるので、味よりもタンパク質の含有量や吸収スピードにこだわりたい方に向いています。
プロテインには種類もいくつかあって、初めてでは飲み方もよくわからない方も多いはず。プロテインの飲み方について、詳しく知りたい方は以下の記事もチェックしてみてくださいね。
監修者
パーソナルトレーナー津村美緒運動後や、起床後すぐのタンパク質が枯渇した状態から出来るだけ早く抜け出したい!という方やとにかく少しでも効率の良い方を選びたい!という方、プロテインを使いたいけれど、WPCだとお腹がゴロゴロして気になるという方はWPIが良いでしょう。特別なこだわりがない場合はWPCでももちろん十分、タンパク質摂取も目的はクリアできますよ!
WPCとWPIはどんな人におすすめ?違いをふまえて向いている人を紹介

ホエイプロテインで人気のWPCとWPIですが、「違いはわかったけれどどんな方におすすめなのかイマイチわからない…」と悩んでいる方もいるでしょう。そこでここからは、WPCとWPIが具体的にどんな人におすすめなのかを解説します!自分にぴったりなのはどちらなのか、見極めてみましょう!
WPC:初心者や体重・筋肉増量目的の方におすすめ!
WPCプロテインの特徴は、ビタミンやミネラルなども含まれているため他の成分も一度に摂取することができることです。さらに糖質が残されているため甘味を感じる飲みやすさがあり、プロテインを初めて飲む方でも飲みやすいのが特徴!おすすめできるのは、以下のような方です。
- プロテイン初心者
- 味を重視する方
- 筋肉や体重を増やしたい方
- コスパ重視の方 など
価格も他の種類に比べて安めなので、低価格で筋力アップや体重の増加を目指す方におすすめです。ただ、乳糖を多く含有しているので、乳製品で体調が不安定になる方や乳糖不耐症の方にはWPIプロテインのほうがおすすめです。
WPI:ダイエット目的の方におすすめ!
WPIプロテインの特徴は、タンパク質含有量が多いこと。糖質や脂質などがカットされているため低カロリーでタンパク質をたっぷり摂取できます。WPIプロテインがおすすめなのは、以下のような方です。
- 純粋にタンパク質を摂取したい方
- ダイエット目的の方
- 糖質制限ダイエットをしている方
- 脂肪を増やさずに筋肉量を増やしたい方
- 乳糖不耐症の方
粉末1gあたりの価格がWPCより高いのでコスパが良くないと感じるかもしれませんが、タンパク質1gあたりの価格は変わらないことが多く、実はコスパも悪くありません。WPIは、他の成分は必要なく、ダイエットしたい方や純粋にタンパク質を取りたい方におすすめです。
プロテインダイエットの正しいやり方を知りたい方は、以下の記事でも紹介しているのでこちらもチェックしてみてくださいね。
WPCとWPIを飲むタイミングの違い!いつ飲むのが良い?
WPCとWPIは、吸収スピードなどの関係で飲むタイミングによってもどちらがおすすめなのかは異なります。ここでは、飲むのにおすすめのタイミングの違いについて解説します。効果的なプロテインの飲み方を覚えて、ダイエットや筋力作りを成功させましょう!
間食・トレーニング前なら:WPC

WPCは、吸収速度が比較的ゆっくりで、他の種類よりも低価格で試せるプロテインです。そのため、毎日の食事では十分に摂取しきれないタンパク質を間食として補いたい場合や、トレーニング前にタンパク質の補給をしておきたい場合にはWPCがおすすめ。じっくりと体内にタンパク質を届けて補給することができます。
低価格でストックしておけるので、日々のタンパク質の補給にぴったり。筋トレで筋力アップを狙っている方はもちろん、健康を意識してプロテインを取り入れたい方にもおすすめです。
トレーニング後・寝起きなら:WPI

一方WPIは、WPCと比べると吸収スピードが速く、効率的に体内に吸収できます。そのため、トレーニング後や朝起きてすぐなど、タンパク質が不足している状態のときには、さっとタンパク質を取り入れることができるWPIがおすすめです。
体内のタンパク質が不足すると、筋肉の中にあるタンパク質を消費してしまうため、筋肉量が落ちてしまいます。WPIはタンパク質含有量の高さと吸収速度の速さにより、効率よくタンパク質を補給できるので、筋肉を維持して成長を促したいときに向いています。
もっと詳しくプロテインを飲むタイミングについて知りたいなら、こちらの記事もチェックしてみてくださいね。
監修者
パーソナルトレーナー津村美緒仕事や、休日のお出かけでなどで、食事と食事の感覚が空きすぎてしまったときやほぼ欠食になってしまいそうなときは、WPIでスピーディーにタンパク質補給をするというのも良いですね!
WPCやWPIを摂取することで健康に影響はある?
WPCやWPIなどのホエイプロテインには、牛乳の成分のひとつである乳糖が含まれています。そのため、牛乳でお腹がゆるくなる方は、ホエイプロテインを摂取してもお腹を下しやすくなることがあります。ホエイプロテインを飲んで起こり得る症状は人それぞれですが、以下のようなものがあります。
- お腹が張っておならの回数が増える
- おならが臭くなる
- お腹が下る(下痢)
- 便秘になる など
これらの症状が起こる方は乳糖の消化がうまくいかない乳糖不耐症の可能性があるので、乳糖がカットされたWPIを飲むのが良いでしょう。
また、これまでタンパク質をそれほど摂取していなかった方が突然ホエイプロテインを飲むと、タンパク質がうまく消化できなくて胃の不快感を覚えることがあります。
胃がムカムカしてプロテインが飲みにくいと感じたら、少しずつ少ない量から飲み始め、徐々に量を増やしていくのがおすすめです。少量から少しずつ増やしていくことで、適量が飲めるようになりますよ!
監修者
パーソナルトレーナー津村美緒上記以外にも、プロテインという飲み物自体になんとなく苦手意識がある方もいらっしゃると思います。体にとくに問題はないけれど、気持ち的になんとなく美味しく飲めないような気がするという方は、お好きな果物や豆乳、アーモンドミルクなどのスイーツ感覚で楽しめるような食材と一緒に、ミキサーにかけスムージー風にするのも、美味しく飲む工夫としておすすめです!
WPCとWPIのプロテインは体質や目的に合わせて選ぼう!

WPCとWPIは、ダイエットや筋力作りの強い味方。吸収スピードやタンパク質の純度が違い、体質や目的に合わせて選ぶことで目標に近づけるので、キレイに痩せたい方にもしっかりと筋肉をつけたい方にもおすすめです。
普段の食事だけでは、タンパク質は案外不足しやすいもの。ホエイプロテインなら、飲むタイミングにより正しい飲み方でなりたい体型を目指すことができますよ。
自分にぴったりのホエイプロテインを見つけてタンパク質を補給し、理想の体に近づきましょう!
監修者
パーソナルトレーナー津村美緒今までプロテインをWPCやWPIという種類で意識したことがなかった方にとっては、同じプロテインでもこれだけの違いがあることに驚かれたのではないでしょうか?一般的なプロテインWPCが合わない場合は、ぜひWPIも試してみてください。体づくりは長く継続するものなので、出来るだけ体に負担なく、納得して飲めるものを見つけましょう!
プロテインが体に合わないような気がする・・・という方も、種類をかえることで気にせず飲めるようになることもあります。この記事を読み進めながら、ご自身に合いそうなものを見つけてみてくださいね!