おかげですぐにカラクリが見抜けた
いまわたしは、反売買春派の人たちと、リアルでいろいろやり取りしいる。
わたしの住んでいるところとそれほど離れていないんだけど、最近街頭売買春増え過ぎじゃね?とかで地域の住民が無茶苦茶怒ってて、集会開いたりデモやって「警察は片っ端から売春婦も客も捕まえろ!刑務所に長い間入れてやれ!」とか騒いでいるので、メディア戦略を含めていろいろあるのね。それでさ。
何百人も集めて公開のパネルをやるというので見に行ったら、パネリストの何人もが「売春をはじめる平均的な年齢は12歳から14歳」という数字を何の疑いもなく提示し、それが当たり前の前提として話がどんどん進んでいくのね。それがもし事実だとすると、売買春とはすなわち子どもの性的搾取とそれ以後みたいなものだ、ということになってしまう。
でも普通に考えれば、それってありえないじゃん? 仮に正規分布に近似しているとすると、平均13歳として、21歳で売春をはじめる人の数と5歳で売春をはじめる人の数が釣り合っていなければおかしいことになる。27歳以降で売春をはじめる人はほぼ皆無。
それは事実としてありえないから、正規分布じゃなくて10〜12歳くらいのあいだに大きなかたまりがある分布になっているのだとすると、中央値じゃなくて平均値だから35歳くらいではじめる人1人に対して10歳が5人も必要になってしまう。そんなに幼い子どもの売春が溢れているようにはどうしても思えない。ものすごく譲歩して、あれは平均値じゃなくて中央値でしたということにしても、それでもまだありえなさそう。
でも、以前にこういうおかしな数字の話をどこかで聞いたなぁと思い出して、すぐにトリックが分かった。で、実際調べたところ思った通りだった。
結論を言うと、「売春をはじめる平均的な年齢は12歳から14歳」というのは、売春をしている(していた)人一般についての結論ではなくて、「売春をしている未成年」についてのものだった。それなら12歳から14歳というのはそこそこありえなくもない(やっぱり若過ぎると思う−−調査対象になりにくいだけで実際は少なくとも14〜16くらいでは?と思う)けど、仮にそれが正しくても、そのことからは売春者全体について何も知る事はできない。ソースはペンシルヴァニア大学の Richard Estes と Neil Alan Weiner。子どもの性的搾取についての報告書の中の一部で、PDFでダウンロードも可能。というか本当はかれらは別の研究者や機関による複数の調査から数字を付き合わせただけだけど。
以前にどこかで聞いたおかしな数字の話って、どこか分かるよね(はぁと)
数字もおかしかったけどその後の展開の方がもっとおかしいという声も。