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「このままだとお前、邪魔だ」で選手が奮起…青学大「狭間の世代」が成した“駅伝三冠&箱根駅伝3連覇”ウラ話 原晋監督は「やっぱり4年生ですよ」

posted2025/01/16 11:03

 
「このままだとお前、邪魔だ」で選手が奮起…青学大「狭間の世代」が成した“駅伝三冠&箱根駅伝3連覇”ウラ話 原晋監督は「やっぱり4年生ですよ」<Number Web> photograph by Nanae Suzuki

2017年の箱根を制し、学生駅伝三冠&箱根駅伝3連覇を達成した青学大。アンカーを務めた主将・安藤悠哉ら4年生が奮起したワケは…?

text by

佐藤俊

佐藤俊Shun Sato

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photograph by

Nanae Suzuki

 青学大の8度目の総合優勝で幕を閉じた101回目の箱根駅伝。まさに“令和の常勝軍団”となった同大駅伝チームだが、実は出雲・全日本と合わせた「学生駅伝三冠」を達成したことは、これまでたった一度しかない。いまから8年前、その快挙を成し遂げたのは、入学直後から「谷間」と呼ばれ続けた世代の4年生たちだった――。《全2回の2回目/最初から読む》(初出:Number 1087・1088号/2023年12月23日発売 肩書などはすべて当時)

 池田生成は主将の仕事に真摯に取り組む安藤悠哉の姿を見て、「自分も」と感化された。

 それまでは自室でやっていたコアトレーニングをあえてみんなが目にするトレーニングルームでやるように変えた。

「ジョグの時や練習の時は、できるだけ先頭に立ち、積極的に引っ張っていました」

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 池田はチーム内で「練習の虫」と言われていた。ある朝のジョグでは、1km3分50秒ほどのペースでいつの間にか45kmを走っていたという。走ることが大好きだったわけではない。むしろ不安に駆り立てられての行動だった。

「高校時代から自分に自信のない状態が続いてたから、常に不安と戦ってました」

 ひたむきな努力が実を結び、3年時には関東インカレのハーフマラソンで優勝(4年時も連覇)する。当初、「三冠」に反対したとはいえ、箱根は憧れであり、自分が走った上で優勝を味わいたかった。

「最後の箱根は絶対に走りたい。そのことだけに集中していました」

 夏は1200km以上走り、足を作った。10月に入り、これからという時、5000mの記録会で14分37秒の低調なタイムに終わった。見ていた原監督は「生成がなぁ」とぼやいた。

「それからスピード練習は全部外しっぱなし、ドン底でした。最後の箱根に向けて大事な時に『これかよ』と思うと、かなり気持ちが落ちてしまいました」

安藤が池田に…「このままだとお前、邪魔だ」

 練習は真面目に続けていたが、同期の目には内面の微妙な変化が透けて見えたのかもしれない。

「このままだとお前、邪魔だ。箱根を走る意気込みはどうした。このまま終わっていいのか」

 安藤の叱責が心に突き刺さった。

【次ページ】 絶不調に苦しんだ「秋山隊長」

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