Q/有効画素数とは?
A/そのままです。撮像に使われる有効な画素です。一般にデジタルカメラに搭載されるCCDやCMOSセンサーの画素の周辺部(外側の部分)などは光が当たらない、精度上問題があるなどの理由で設計上使われないように出来ています。そのため、実際に搭載されているCCDの画素数(最大画素)に対して実際に撮影に使う有効画素は画素数が少ないのが特徴です。
Q/記録画素数とは?
A/記録されるときの画素数です。撮影した画素数と同じ画素数で記録するとは限らないです。少なくなることも多くなることもある。少なくなるのは、200万画素のカメラで1600×1200ドットで撮影する最大モードなのをわざと1280×960ドットに変更して撮影すれば記録画素が低下します。これは、撮影に使う撮像素子の画素は同じですが、一部の画素を間引いて使っていないのです。
他にも、技術的に2種類の異なる特徴を持つ画素を2つ一組で機能させる撮像素子も最近は出ていますね。(SuperCCDハニカムSR)
その逆に増やす手もある。以下参照。
Q/記録画素数の方が高いもの(携帯とか)が存在するのは何故か?
A/これは、撮像素子(CCD、CMOSセンサー)の技術と画像処理回路(ASIC)の技術によって画像データから疑似画素を生成する技術を拡張して使っているためです。
あくまで拡張であり、一般に3CCDのデジタルビデオ機器などでなければ、全ての機種で画素は疑似生成されています。
まず、何故全てのデジタルカメラで画素が擬似的に作られているかというと、元々CCDやCMOSセンサーは色を判別できず、光の強弱を電気信号に変換するのが仕事です。光の強弱と言うことは明るいか暗いかだけで、まあそのままならモノクロ写真しか撮影できません。
そこで、一つ一つのセンサー(1画素毎)にこのセンサーは赤、このセンサーは青、このセンサーは緑といった具合でどれかの色の光の強弱だけに反応するように専用のフィルタをかけます。(この場合は、RGBを用いた場合の光の三原色ですが、他にCMYの色の三原色を用いた場合もあり、それぞれ原色フィルタ、補色フィルタという)
それらのセンサーの配置を工夫し3色の配分がうまく合成できるようにしたのが、デジタルカメラの撮像素子の原理なのです。それらを普通に合成すると実際には、3色が1組で一つのカラー画素が出来ます。
ただ、これでは割には合わないため、全体での色の組み合わせを考慮し、色の合成をそれぞれの素子で僅かに変化させられるように計算の元に配分することで、専用の画像処理エンジン(ASIC)で処理したときに実際の有効画素と同等の画素数が得られます。
それを拡張したのが一般的に高い画素の物です。
この拡張方法には、いくつもありデジタル補間という新たに間の色画素を故意に加える技術を用いる場合。
3つの3原色それぞれに分離したCCD(3CCDを用いた場合にある一色のCCDを故意に他のCCDと合成すると僅かにずれるように構成し、画素を1.5倍にする手法(画素ずらしの手法、3CCDに限る)
撮像素子自体の構造を特殊な物に変更し、補間をしなくとも高い感度とダイナミックレンジを要するようにした物。3色のフィルタ配置の仕方によって画素2つ分を生成することもできる。(ハニカムCCD・・・)
<用語>
CCD=電荷結合素子-Charge Coupled Devicesの略。揮発性(データを長時間保持できない)の記録媒体の一つ。
主にセンサー機器に使われ、デジタルとアナログの両方のデータに対応する。イメージセンサーとしては若干大きいが感度とダイナミックレンジが高い。若干大きい。
CMOS=Complementary Metal Oxide Semiconductor。低電力で動作するのが強みの半導体。センサーデバイスとしては小型軽量化が容易なのが特徴。ただし、被写界深度はCCDに比べ低く画質などで弱い。最近はだいぶCCDに近い性能を発揮する物も増えた。小型化が容易。
ハニカムCCD=富士写真フイルムが開発したCCD。ハニカムとは蜂の巣の意味で、八角形の蜂の巣形状のCCDを互い違いに配置する手法を取っている。通常のCCDが格子状に整列してるのに対し、ハニカムはこのような方法をとることで視覚に近い再現性と感度を得ることが可能になっている。通常のCCDの一.六倍のダイナミックレンジ(再現能力の高さdbで表す)がある。これを利用して画素を増やす手法を取っている。
3CCD=三原色のCCDをプリズム(光を三色に分光するクリスタル素材)で分光し、三色のそれぞれのCCDに送って画像を合成する手法。一枚のCCDが一〇〇万画素であればそれが3色あることになり合計300万画素になるが、通常3CCDではそのような計算はせずに3色をくっつけて100万画素の画を作り出す。ダイナミックレンジが高く鮮やかで美しい画像が再現できる。
SuperCCD ハニカムSR=富士写の第4世代CCD技術の一つ。3CCDと原理は似ているが、大きなCCDと小さなCCDとを組み合わせて一つの画素を形成するという手法。通常の計算なら実際の画素に対して1/2の解像度になる・・・・
大きな素子が一般的なCCDの役割を小さな素子が暗い部分や明るすぎる部分などの明暗をはっきりと再現することができる。ハニカムを用いることでさらに画素を2倍程度に増やすことができるため、実質有効画素と同等で記録できる。
お礼
こまかくありがとうございます。 大変参考になりました。 カメラの方までくわしく教えて戴き感謝しております。ありがとうございます。