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2017/09/21 00:00

ブラック・ミュージックとJ-POPの融合ーーCUBERS『マゼンタ』を読み解くアルバム10作品

“聴けるボーイズユニット”CUBERSが、2nd EP『マゼンタ』を2017年10月4日にリリースする。ブラック・ミュージックを軸に制作された1stアルバム『PLAY LIST』、そこから一歩踏み出しアイドル・ポップ然とした楽曲からロック調の楽曲まで幅を見せた1st EP『シアン』、本作はそのどちらも取り入れったCUBERSの真骨頂とも言えるEPとなっている。リリースを前に、OTOTOYでは根っからのブラック・ミュージック好きの若者(21歳)に本作を聴いてもらい、ルーツとなる作品を選出してもらった。ここで紹介されている作品を聴いて、『マゼンタ』のリリースへの期待を高めてみてはいかがだろう。

2017年10月4日、2nd EPが発売決定!!

CUBERS / マゼンタ

【収録曲】
1. 君に願いを
2. カラフルにしよう
3. PINK
4. いつか忘れられるさ
5. 今日はどんな日だった?
6. ボクラチューン!!
BT.TOKYO HERO

※OTOTOYでも配信予定!!

CUBERS / 君に願いを
CUBERS / 君に願いを

CUBERS『マゼンタ』を聴くための、OTOTOY的ガイド・アルバム10作品!!

普段私は、ブラック・ミュージックを好んでいて、Leon WareやDonny Hathawayなどゴリゴリのソウルや、Kendrick LamarやQ-Tipなどのヒップ・ホップを聴く。そんなある時、突然CUBERSというボーイズ・ユニットの新譜と資料を渡され、面白いから聴いてみなと言われた。

資料の写真を見ると、いかにもチャラそうな外見で聴く気もあまりでなかった。ただ、資料には懐かしきブラック・ミュージックとJ-POPの融合と書いてある。しかし、その文字を見ても期待することはなかった。どうせ最近流行ってるし、なんとなく取り入れてみましたレベルだと思ったからだ。

そんな思いで取り敢えず聴いてみた。簡単に感想をいうと、良かった。

楽曲が想像以上にしっかりしていて、ブラック・ミュージックとJ-POPの融合がしっかりできている。見た目だけで判断してはいけないなと反省の意を込め、ここでは普段ブラック・ミュージックばかり聴きアイドルというだけで毛嫌いしてしまう人、純粋にCUBERSのファンの方にも彼らの音楽性をより知ってもらいたいので、CUBERSの楽曲達と共通点があるであろうアーティストを挙げてみた。

1作目 : NONA REEVES 『DESTINY』

現在のJ-POPシーンにおいて、ポップスにブラック・ミュージックを融合させる音楽を第一線で行っている、NONA REEVES。初期の頃に発売したこのアルバムには、今でもライヴの定番の曲も収録されており、全体を通してキャッチーで聴きやすい曲が多い。ソウル・ポップをバンド・サウンドでもぜひ!

ノーナ・リーヴス / LOVE TOGETHER
ノーナ・リーヴス / LOVE TOGETHER

2作目 : ONIGAWARA 『ヒットチャートをねらえ!』

とにかく曲調が似ている。ポップスとダンス・ミュージックの融合を目指す点も、あくまでJ-POPとして世に売り出すスタイルにも共通点を感じる。CUBERS楽曲が好きな人は、まずこの作品を聴いてみてほしい。

ONIGAWARA「ヒットチャートをねらえ!」MUSIC VIDEO
ONIGAWARA「ヒットチャートをねらえ!」MUSIC VIDEO

3作目 : SMAP 『SMAP 009』

90年代のSMAPは、ジャズやフュージョン界から一流のプレーヤーを迎え、ソウル・ミュージックを歌っていた。このアルバムには、Omar Hakim、 Will Lee、Ray Parker Jr.などが参加している。これぞアイドルの歌うブラック・ミュージックの原型だ。

4作目 : Tuxedo 『Tuxedo II』

最初にも述べたが、そもそもCUBERSの曲でも感じられる1980年代感の強いディスコやファンクを取り入れた曲は海の向こうですでに流行していて、それが日本にもようやく広まってきている。Tuxedoはこのムーブメントの火付け役だ。

Tuxedo / Take A Picture
Tuxedo / Take A Picture

5作目 : Cool Million 『Sumthin' Like This』

このアルバムもディスコやファンクを現代的にアップデートしていて、全体を通して爽やかな印象で聴きやすい。J-POP感はないが、現代の本格的なディスコ・ファンクもぜひ!

6作目 : Donald Fagen 『The Nightfly』

言わずと知れたAORの名盤。曲がとても似ているわけではないが、CUBERSの楽曲と共通点のある曲を鳴らしているアーティスト達は少なからず彼から影響を受けているだろう。故にCUBERSの楽曲の根っこには、Donald Fagenのエッセンスがあるといえる。

Donald Fagen / New Frontier(Video)
Donald Fagen / New Frontier(Video)

7作目 : ピチカート・ファイヴ 『Bossanova 2001』

CUBERSの曲は、確かにブラック・ミュージックの要素が垣間見ることができる。ただ、それを全面に押し出しているわけではない。ピチカート・ファイヴも同じであり、当時そんな彼らの音楽は真新しさもあり「渋谷系」という新しいジャンルも作った。この共通点からCUBERSの楽曲も「渋谷系」的な側面もある。

8作目 : ORIGINAL LOVE 『SUNNY SIDE OF ORIGINAL LOVE』

当時「渋谷系」と呼ばれていたアーティストからもう1枚。CUBERSの曲は、どこか懐かしさを感じることができると評されていたりする。それはORIGINAL LOVEなどのアーティストのことを連想しているのではないだろうか。

9作目 : 土岐麻子 『HIGHLIGHT – The Very Best of Toki Asako -』

CUBERSの爽やかな楽曲達からはどこかシティ・ポップ感も感じられる。そして今現在シティ・ポップでまず思い浮かぶのは土岐麻子だ。ポップスの先人達をリスペクトしているであろう踊りだしたくなるような爽やかな楽曲には、どこか懐かしさも感じることができる。

土岐麻子 / STRIPE
土岐麻子 / STRIPE

10作目 : LUCKY TAPES 『Cigarette & Alcohol』

現在バンド・シーンでも、ブラック・ミュージックを基盤としたバンドがブームである。その中でもLUCKY TAPESはブラック感を全面に出すのではなく、ポップに、時にロックに表現していてCUBERSの楽曲とどこか共通性がある。

LUCKY TAPES / Cigarette & Alcohol (trailer)
LUCKY TAPES / Cigarette & Alcohol (trailer)

日本でも潮流となりつつあるJ-POPとブラック・ミュージックの融合

世界規模で流行りを見せていたブラック・ミュージックは、D'Angelo『Black Messiah』以降、日本にもその波が押し寄せることとなる。ceroやSuchmosの台頭。星野源によるJ-POPとブラック・ミュージックの融合。さらに今やブラック・ミュージックをルーツに掲げている若手のバンドも増えた。故にCUBERSのようなボーイズ・ユニットにもその流れが向かうことは必然だったのかもしれない。

CUBERSの今作『マゼンタ』もディスコやシティ・ポップ的サウンドを軸とし、今まで以上に洗練された楽曲達が揃った。そこで、そんなCUBERSのルーツになっているだろうアーティストのアルバムを10枚紹介した。今まであまりブラック・ミュージックに触れてこなかった人もこれを機にブラック・ミュージックを聴いてみるのも悪くないだろう。

text by 高柳圭佑

今回紹介したアーティストの配信作品はこちら

CUBERSの過去作品もチェック!

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【REVIEW】“聴けるボーイズユニット”CUBERS、音楽的実験を見せた1st EPをハイレゾ配信
はじめての男性グループ特集ーーまずはこれだけ押さえておくべし

LIVE SCHEDULE

CUBERS 2nd EP『マゼンタ』発売記念~やっぱりCMYKのマゼンタだったTOUR

2017年9月23日(土)@神奈川 ららぽーと横浜
時間 : ①13:00~ / ②15:30~

2017年9月24日(日)@埼玉 大宮アルシェ
時間 : ①13:00~ / ②15:30~

2017年10月1日(日)@東京 HMV&BOOKS TOKYO
時間 : ①13:00~ / ②15:30~

2017年10月3日(火)@東京 東京スカイツリータウン
時間 : 19:00~

2017年10月4日(水)@東京 TSUTAYA IKEBUKURO AKビル店
時間 : 19:00~

2017年10月6日(金)@東京 ららぽーと豊洲
時間 : 19:00~

2017年10月7日(土)@千葉 イオンモール幕張新都心
時間 : ①13:00~ / ②15:30~

2017年10月8日(日)@東京 新星堂サンシャインシティアルタ店
時間 : ①13:00~ / ②15:30~

>>ライヴ情報詳細はこちらから

PROFILE

CUBERS

2015年7月24日のお披露目ライヴにてCUBERS誕生。僅か1カ月で歌唱&ダンスを仕上げ4月9日にJOL原宿で初ライヴを行い“只今、研修中です。男子”という仮名称で3カ月間活動。活動間もない中、7月発売号JUNON巻頭大特集にてメディア初登場。15年夏には日本テレビ「超汐留パラダイス」、TBS「デリシャカス」音霊へ出演。同秋には学園祭TOUR / 初ワンマン・ライヴを成功させた。16年3月に同会場で開催したワンマン・ライヴでは倍以上の動員を記録。また高い楽曲性が支持されロッキンジャパン「RO69」にボーイズ・グループとしては異例の掲載。1st ALBUM『PLAY LIST』がキュレーターに好評でネットで話題となり、各サイトで特集等でピックアップされる。16年11月には表参道GROUNDでのワンマン・ライヴも成功に納め、右肩上がりを続ける注目のボーイズ・ユニット。

>>CUBERS Official HP

この記事の筆者

[レヴュー] CUBERS

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