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GreenPAKで遊ぶ(その8)導通チェッカ(その2) [GreenPAK]
前回の記事で SLG46826 単独で何か有用なツールを作りたいということで GreenPAK Designer て導通チェッカを設計してみました。中々実用的なものができたのでプリント基板化して実際に作ってみましたので記録に残しておきたいと思います。自分のためのメモも兼ねて後日参照し易いようにパターン図や部品実装後の写真も掲載します。
1.導通チェッカの仕様
今回作成した導通チェッカを Conchecker と命名しました。主な仕様は次のとおりです。
2.回路設計
下図が GreenPAK Designer で設計した回路です。被測定物が接続された状態の電圧をコンパレータ2個で判別しています。CMP2L は電源電圧監視用です。
プリント基板作成のために書いた回路図が下図です。
3.プリント基板のパターン設計
回路的にはシンプルなのでパターン設計は楽です。グランドベタ化前の両面のパターンが下図になります。
下図はグランドベタ化後のトップ面のパターンです。SLG46826 を含め、主要な表面実装部品はトップ面に配置しました。
下図はボトム面のパターンです。ボタン電池ホルダと電源用コンデンサをボトム面に配置しています。中央にあるのは逆さになっていますがいつも使っているロゴです
下図は3D表示したプリント基板のトップ面です。
ボトム面の3D表示が下図になります。
4.部品実装
今回も JLCPCB さんに製造依頼しました。10cm x 10cm 以内のサイズのプリント基板を5枚製造するのが2ドルででき、送料(0.96ドル)とPayPal Fee(0.5ドル)の合計で3.46ドルでプリント基板が作れるので円安ではありますが、いい時代になったものです。CNCで切削するより奇麗なので最近はCNCが稼働していません。
下図が部品実装後のトップ面です。
下図が部品実装後のボトム面です。上記の3D表示ではコネクタをトップ面に実装するようになっていましたが、電池ホルダが結構厚いのでコネクタ(丸ピンヘッダを流用)はボトム面に実装することにしました。左上のコンデンサと電池ホルダが少し緩衝したのでホルダを若干削りました。
部品実装後の動作チェックで次の問題が発生し、対処しました。前回の記事で追記したように後追いで電池の電圧低下を検出する機能を追加しましたが、ブレッドボードで動作確認していませんでした^^;
[問題]
スリープ時の電流が 70uA 程度発生している(目標値は 0.3uA )
5.ケース設計
ケースは本体部とキャップ部の2ピース構成とし、ネジなどは使わずはめ込み式にしました。圧電素子とテスタのプローブには半田付け作業時に発生する抵抗などのリードを半田付け後、ホットボンドで固め、基板上の丸ピンヘッダに接続するようにしました。プローブはタイラップで縛り、抜けを防止しています。
完成した状態の写真が下図になります。電池切れ警告の LED を基板上に実装した関係で透明の PETG フィラメントでケースを造形しました。透明フィラメントなのでロゴはほとんど見えませんね。
6.まとめ
SLG46826 を単独で使用して何か有用なツールを作ろうということで導通チェッカを作成してみました。導通チェック時は今までテスタを使っていましたが、今回の物は抵抗値により2種類の音で反応する等、実用的なものができたのではないかと思います。
また、従来マイコン関連のボードを開発する際、IC 数削減のため GAL を使う場合がありました(例えばこれ等)が GAL は消費電流が大きいことが難点でした。SLG46826 は低消費電流なので今後活用できるケースが多いのではないかと思います。
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1.導通チェッカの仕様
今回作成した導通チェッカを Conchecker と命名しました。主な仕様は次のとおりです。
- 電源として3Vのボタン電池(CR2032)を1個使用
- 被測定側への印加電圧は約 0.5V
- スリープ時の消費電流は約 0.3uA
- スリープ状態時にプローブをショートすることでウェイク状態に移行する
- ウェイクから30秒後にスリープ状態に移行する
- 被測定の抵抗が80Ωより小さい場合、ブザーを鳴らし(500Hz)、更に38Ω以下でブザーの音色を変える(1kHz)
※スリープ状態でもプローブに80オーム以下の被測定物が接続されるとウェイクします - 電池の電圧が低下した場合はウェイク時に基板上の LED が1秒間隔で点滅する
2.回路設計
下図が GreenPAK Designer で設計した回路です。被測定物が接続された状態の電圧をコンパレータ2個で判別しています。CMP2L は電源電圧監視用です。
GreenPAK Designer で設計した回路 |
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プリント基板作成のために書いた回路図が下図です。
プリント基板作成用回路図 |
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3.プリント基板のパターン設計
回路的にはシンプルなのでパターン設計は楽です。グランドベタ化前の両面のパターンが下図になります。
プリント基板の両面パターン(グランドベタ化前) |
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下図はグランドベタ化後のトップ面のパターンです。SLG46826 を含め、主要な表面実装部品はトップ面に配置しました。
トップ面のパターン |
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下図はボトム面のパターンです。ボタン電池ホルダと電源用コンデンサをボトム面に配置しています。中央にあるのは逆さになっていますがいつも使っているロゴです
ボトム面のパターン |
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下図は3D表示したプリント基板のトップ面です。
3D表示(トップ面) |
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ボトム面の3D表示が下図になります。
3D表示(ボトム面) |
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4.部品実装
今回も JLCPCB さんに製造依頼しました。10cm x 10cm 以内のサイズのプリント基板を5枚製造するのが2ドルででき、送料(0.96ドル)とPayPal Fee(0.5ドル)の合計で3.46ドルでプリント基板が作れるので円安ではありますが、いい時代になったものです。CNCで切削するより奇麗なので最近はCNCが稼働していません。
下図が部品実装後のトップ面です。
部品実装後のトップ面 |
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下図が部品実装後のボトム面です。上記の3D表示ではコネクタをトップ面に実装するようになっていましたが、電池ホルダが結構厚いのでコネクタ(丸ピンヘッダを流用)はボトム面に実装することにしました。左上のコンデンサと電池ホルダが少し緩衝したのでホルダを若干削りました。
部品実装後のボトム面 |
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部品実装後の動作チェックで次の問題が発生し、対処しました。前回の記事で追記したように後追いで電池の電圧低下を検出する機能を追加しましたが、ブレッドボードで動作確認していませんでした^^;
[問題]
スリープ時の電流が 70uA 程度発生している(目標値は 0.3uA )
- 原因1
スリープ時に圧電素子に3V印加され電流が増大していた
⇒対処としてスリープ時は圧電素子に電圧が掛からないようにした。この対処でスリープ時の電流は 10uA 程度になった。
- 原因2
電池電圧低下警告LEDの点灯用デジタル出力ピンをスリープ時に Digital in の状態にしていたが入力が浮いている状態で電流が増加していた。
⇒対処としてスリープ時は Analog input の状態にすることでスリープ時の電流値が想定値である 0.3uA になった。
5.ケース設計
ケースは本体部とキャップ部の2ピース構成とし、ネジなどは使わずはめ込み式にしました。圧電素子とテスタのプローブには半田付け作業時に発生する抵抗などのリードを半田付け後、ホットボンドで固め、基板上の丸ピンヘッダに接続するようにしました。プローブはタイラップで縛り、抜けを防止しています。
ケース設計時のCAD画面 |
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完成した状態の写真が下図になります。電池切れ警告の LED を基板上に実装した関係で透明の PETG フィラメントでケースを造形しました。透明フィラメントなのでロゴはほとんど見えませんね。
導通チェッカの完成写真 |
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6.まとめ
SLG46826 を単独で使用して何か有用なツールを作ろうということで導通チェッカを作成してみました。導通チェック時は今までテスタを使っていましたが、今回の物は抵抗値により2種類の音で反応する等、実用的なものができたのではないかと思います。
また、従来マイコン関連のボードを開発する際、IC 数削減のため GAL を使う場合がありました(例えばこれ等)が GAL は消費電流が大きいことが難点でした。SLG46826 は低消費電流なので今後活用できるケースが多いのではないかと思います。
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