2020-01-01から1年間の記事一覧
春には家族で久しぶりの海外旅行。高校1年の長男は学校行事で海外研修に行って、東京五輪があって、盛りだくさんの1年だったね。 …とはならなかった2020年。 あまりに普通の年と違ってしまっていて、来年以降もこれが標準としたくない1年間だったので、忘れ…
ババヤガの夜作者:王谷晶発売日: 2020/10/22メディア: 単行本 ちょうど、Yahooの記事で、『鬼滅の刃』に登場する女性キャラクターについて取り上げた記事があった。鬼殺隊の中心メンバー「柱」を担う甘露寺蜜璃と胡蝶しのぶという二人の女性が、それぞれ何故…
鬼滅の刃 23 (ジャンプコミックスDIGITAL)作者:吾峠呼世晴発売日: 2020/12/04メディア: Kindle版鬼滅の刃の23巻を読んだ。 最終巻も、最後になって無惨が自分の主義を変えるなど、一筋縄ではいかない意外な展開を見せ、全速力で駆け抜けた物語だった。 世間…
完全版 マウス――アウシュヴィッツを生きのびた父親の物語 (フェニックスシリーズ)作者:アート・スピーゲルマン発売日: 2020/05/18メディア: 大型本 アウシュヴィッツの生存者、ヴラデックの体験記録。息子のアート・スピーゲルマンがマンガに書き起こした『…
むこう岸作者:安田 夏菜発売日: 2018/12/06メディア: 単行本 第59回日本児童文学者協会賞受賞作品。貧困ジャーナリズム大賞2019特別賞受賞作品。2019年、国際推薦児童図書目録「ホワイト・レイブンズ」に選定。 和真は有名進学校で落ちこぼれ、中三で公立中…
「鬼滅人気」にあやかろうと、国会で内閣総理大臣までが「全集中の呼吸で…」などと口走るほどの状況下、遅ればせながら『無限列車編』見てきました! 以下、ところどころTBSラジオ「アフター6ジャンクション」のライムスター宇多丸の映画評についても挟みな…
ユマニチュード入門作者:本田 美和子,ロゼット マレスコッティ,イヴ ジネスト発売日: 2014/06/09メディア: 単行本 ユマニチュード(Humanitude)はイヴ・ジネストとロゼット・マレスコッティの2人によってつくり出された、知覚・感情・言語による包括的コミュ…
スタッキング可能 (河出文庫)作者:松田 青子発売日: 2016/08/05メディア: 文庫 『あなた』と『わたし』は交換可能?5階A田、6階B野、4階C川、7階D山、10階E木……似ているけれどどこか違う人々が各フロアで働いているオフィスビル――女とは、男とは、社会とは、…
シグルイ 1 (チャンピオンREDコミックス)作者:山口貴由,南條範夫発売日: 2013/09/13メディア: Kindle版 読んだきっかけ 最近、携帯の漫画アプリで漫画を読む習慣がついた。 何故「習慣」がつくかといえば、アプリの仕組みと関係する。色々なアプリがあるが、…
持続可能な魂の利用作者:松田青子発売日: 2020/05/20メディア: Kindle版現代日本に絶望する気持ちがとても伝わる作品だった。 もう少し詳しく言えば、「おじさん」が支配する現代日本に絶望する気持ちがとても伝わる作品だった。 冒頭、印象的な一文で物語は…
実は、今に至っても『映像研に手を出すな』は原作漫画を読んでいない。今年に入ってアニメを見て、ドラマを見て、今回の映画に至る。そもそも、アニメがその映像も含めて楽しんだだけでなく、大好きな伊藤沙莉の声優挑戦も素晴らしく、「浅草氏はもうこの声…
今回も、「恒例」のビブリオバトル原稿をベースにした内容です。最初に重要なことなので、繰り返し書きますが、ビブリオバトルはコミュニケーションゲームであるため、基本的に観客を観て話し、原稿を見ながら喋ることはありません。が、自分の場合は、5分と…
ベルリンうわの空作者:香山 哲発売日: 2020/01/17メディア: コミック ドイツ、首都ベルリン。ベルリンといえば、壁、ビール、ソーセージ。だけじゃなくって、様々な文化、様々な人々…、パリや東京とも並ぶ国際都市だ。そんな街で僕は…、僕は…、あんまり何も…
TENETポスター 『インセプション』でクリストファー・ノーランの作家性を復習し、十分に準備した上で迎え撃った『テネット』は、ちょっと凄い映画だった。 難解 やはりこの映画の特徴は、派手な見た目から想像できない、その難解さにある。 特にクライマック…
女性のいない民主主義 (岩波新書)作者:前田 健太郎発売日: 2020/01/30メディア: Kindle版先週発足した菅内閣の女性閣僚は、以前よりも1人減って2人となった。 妥当な人材がいない、という、ただそれだけの理由だとしても、ここまで少ないのは、国際的に見て…
働きたくないイタチと言葉がわかるロボット 人工知能から考える「人と言葉」作者:川添愛発売日: 2017/06/17メディア: 単行本(ソフトカバー) 中高生から大人まで「言葉を扱う機械」のしくみと、私たちの「わかり方」を考える。 なんでも言うことを聞いてく…
女性のいない民主主義 (岩波新書)作者:前田 健太郎岩波書店Amazon (その1からの続きで、今回は第一章のまとめです) 読み直してみると、1章は、これまで自分自身の意見だと思っていたものが、意識しないままに「大きなもの」に影響を受けていたことに気づか…
女性のいない民主主義 (岩波新書)作者:前田 健太郎発売日: 2020/01/30メディア: Kindle版 自分は小池百合子都知事が嫌いなので、小池さんが出馬した2度の都知事選では、いずれも他の候補に投票した。しかし奥さんは違う。 今回、奥さんに「何で小池さんにす…
インセプション (字幕版)発売日: 2013/11/26メディア: Prime Video 『テネット』公開に合わせてということか、クリストファー・ノーラン監督の『インセプション』が4DXで劇場公開中ということで、親子で観てきた。 一度目に観た記憶 それにしても、一度見て…
伴走者 (講談社文庫)作者:浅生 鴨発売日: 2020/02/14メディア: 文庫 伴走者とは、視覚障害者と共に走るランナーである。「速いが勝てない」と言われ続けた淡島は、サッカーのスター選手として活躍しながら事故で視力を失った内田の伴走者として、パラリンピ…
リウーを待ちながら(1) (イブニングコミックス)作者:朱戸アオ発売日: 2017/06/23メディア: Kindle版 富士山麓の美しい街・S県横走市──。駐屯している自衛隊員が吐血し昏倒。同じ症状の患者が相次いで死亡した。病院には患者が詰めかけ、抗生剤は不足、病…
TRICK トリック 「朝鮮人虐殺」をなかったことにしたい人たち作者:加藤直樹発売日: 2019/07/05メディア: 単行本(ソフトカバー)昨年の今頃、加藤直樹『九月、東京の路上で』を読み、強く心に残った一冊となったので、少し前(昨年6月)に出たばかりのこの本…
見えない目撃者 見えない目撃者発売日: 2020/01/18メディア: Prime Video 警察官として将来を有望視されながら、自らの過失による事故で視力も大切な弟も失い、失意の底にあった浜中なつめ(吉岡里帆)は、ある夜、車の接触事故に遭遇。なつめは慌てて立ち去…
飼い喰い――三匹の豚とわたし作者:内澤 旬子発売日: 2012/02/23メディア: 単行本 内澤旬子さんを知ったのは、『ストーカーとの七〇〇日戦争』が最初。この内容について、荻上チキSession22に出演しているのも聴いて、ストーカーの実体験を本にしてしまうバイ…
映画館に映画を見に行ったのは、4/1に『パラサイト』(2度目)を見て以来でしたが、市松模様の座席に戸惑いながらも、そして、現実には行われていない夏の高校野球選手権大会を羨ましく思いながらも、やっぱり映画は楽しい!と思える素晴らしい映画体験でし…
ファルセットアーティスト:RYUTist発売日: 2020/07/14メディア: CDここ最近、気が付けばずっと聴いているRYUTist『ファルセット』についてアレコレ書いてみた。 RYUTist『ファルセット』を買うまで アイドルをしっかり聴いたのはモーニング娘。の「黄金の9人…
上野先生、フェミニズムについてゼロから教えてください!作者:上野 千鶴子,田房 永子発売日: 2020/01/12メディア: 単行本(ソフトカバー) 田房永子さんについて 女性の生きづらさ(あえて「フェミニズム」という言葉を使わない)についての本を読み始めたの…
映画『聲の形』Blu-ray 初回限定版発売日: 2017/05/17メディア: Blu-ray 『聲の形』には、もともと漫画連載時から興味があったので、何となくの筋は知っていたが、実際に映画を観てみると、「あらすじ」を超える圧倒的なものを持った作品になっていた。 ここ…
異形博覧会 (角川ホラー文庫―怪奇幻想短編集)作者:雅彦, 井上メディア: 文庫 まさに四半世紀ぶりくらいに読む短編集。 高校生の頃だったか、ミステリーゾーン(トワイライトゾーン)の小説版をよく読んでいて、その頃のことも思い出した。『異形博覧会』が刊…
島田荘司『斜め屋敷の犯罪』 改訂完全版 斜め屋敷の犯罪 (講談社文庫)作者:島田荘司発売日: 2016/02/12メディア: Kindle版自分の読んだ2016年発売の講談社文庫の「改訂完全版」の綾辻行人による巻末解説に詳しいが、『斜め屋敷の犯罪』は1982年11月に講談社…