健康を維持するために必要な生活習慣は何か。医師の和田秀樹さんは「健康を維持するための基本となる睡眠・運動・食事の生活習慣において『常識』と言われていることにとらわれないほうがいい」という――。

※本稿は、和田秀樹『60歳でリセットすべき100のこと』(永岡書店)の一部を再編集したものです。

ランドリーバスケットと散らかった服
写真=iStock.com/demaerre
※写真はイメージです

なぜ「洗濯は朝」と決めつけているのか

朝は何かと忙しくてバタバタしますよね。そこで、朝に行っている家事をひとつ減らしてみませんか? 洗濯は朝にしないで夜にする。たったそれだけで洗濯の効率が上がり、時短にもなります。

1回の洗濯にかかる時間は30分から1時間ほどですが、洗濯物が多い時はそれ以上かかることも。同じ時間を費やすにしても、夜のほうが少し余裕があるでしょう。

その日に着た洋服や使ったタオルなどを夜のうちに洗濯すれば、雑菌の繁殖を防ぐことができて、洗濯物が臭いにくくなります。

お風呂の残り湯を洗濯に再利用する場合、入浴後の温かいうちに使うほうが洗剤の酵素がよくはたらき、汚れが落ちやすくなります。また、電力ピーク時間を外して洗濯機や乾燥機をまわすことで、節電や節約にもなるでしょう。

洗濯物は室内干しにして、朝起きたら屋外の物干し竿にそのままハンガーごとかけるだけ。洗濯機をまわして干す時間を短縮できるため、午前中のうちに洗濯物をしっかり乾かすことができます。

朝から洗濯を始めるよりも取り込むまでの時間が早まり、日中の時間を有効に使うこともできます。

今や「あたり前」になっている家事のルーティンが変わると、忙しい朝にちょっとした余裕が生まれます。この空き時間を、趣味やウォーキング、読書や勉強など自分のやりたい「朝活」にあてると、きっと毎日が充実することでしょう。

朝やっている家事を夜にやってみる。そんなちょっとした発想の転換で、新しい時間をつくることができるのです。

懸崖撒手けんがいさっしゅ」(禅語)――思い切って何かをすることのたとえ。「固定観念を捨てて発想を転換しましょう」という意味合いの言葉です。