芳根京子の“モード切り替え”が『まどか26歳』の魅力に “2年目”の変化も期待大
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天気予報によると、今週末には3月になり、気温も温かくなって“春の陽気”がやってくるらしい。もうすぐ会社によっては新人が入社してくる季節だ。誰にでも新人の時がある。それは、日々、命と向き合う医師だって同じこと。そんな技術も知識も未熟な研修医の奮闘を描く『まどか26歳、研修医やってます!』(TBS系)では、芳根京子が演じる“イマドキ研修医”・まどかがいよいよ2年目の研修に入る。
研修が始まる時、先輩医師たちが「研修医はお客様」と言っていたこともあり、ハードと言われる医療現場でも新人である研修医は大切に教育されるのだなあと思っていたが、現実は全くそんなことはなかった。まさに「習うより慣れろ」の現場の世界で、まどかは日々荒波に揉まれている。
注目してほしいのは、芳根の巧みな“モード”の切り替えだ。
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自分の力のなさを実感している時のまどかは、寮で仲間と過ごしていても、大好きなものに囲まれている部屋のベットで大の字になっていても、ふと表情が抜け落ちて“無”になる瞬間がある。きっと心の中で、「今いるところで役に立ちたい」「できないことをできるようにしなきゃ」「なんでできないんだろう」「このままだったらどうしよう」というプラスの感情とマイナスの感情が生まれては消えているのだろう。ここで、誰かのせいにしたり、「今日はたまたま!」と変な現実逃避をしないところがまどからしい。まどかは自分が医者になった理由について、幼い頃に見たアニメ「ドクターK」に憧れただけで「なんとなく医者になった」と言っているが、すでに多くの人の命を救うことが仕事の医師としての責任感を感じている。“無”の状態は、まどかがこれから成長するための“反省モード”といっていいだろう。
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そしてこうして頭のどこかで仕事のことを考えているまどかは、いつも小さなところから現状打破の糸口を見つける。たとえば救命救急センターで研修していた時、付き合っていた砂田(渡邊圭祐)が階段から落ちて、運びこまれてきた。まどかは医師として砂田と向き合っていくうち、“患者を大切に思っているかどうか”で自分の対応が変わっていることに気が付く。その瞬間、まどかの表情はすっと凛々しくなり、目が真剣そのものになった。彼女の中の迷いが消え、“仕事モード”に切り替わった瞬間だ。実は、この“仕事モード”には大きな威力がある。砂田はこの時のまどかをみて、自分自身のこれまでを振り返り、将来を考え直すようになったし、第6話では先輩医師の榎本(菅野莉央)にも心境の変化が訪れている。