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日々これ好日

山や自然、音楽が好き。そんな私は色々な事が起きる日々の中で、好き日を過ごす事を考えています。

2025-01-01から1ヶ月間の記事一覧

アナログの風景

フィルムが現像から戻ってきた。かつては街のカメラ店には置いてあったDPE現像システム機械も無くなってきたようだ。あの頃は即日仕上げを唄っていたがそれは店内に現像機があったからだ。いまカメラ店に行っても店内にあるのはデジタル画像を印刷する機…

雪の朝

雪の朝は白い。カーテンを開けると白が飛び込んでくる。木々には雪が付いている。午後には消えている。 今日も雪だった。ちらちらとという言葉は雪が降る様を上手く表現しているが、今日のかけらはひらひらと踊っているようだった。豪雪地帯・富山市で冬を過…

手に負えないのです

腕時計が好きだ。カメラも然り、あの大きさの中に精巧なメカニズムがうごめいている、そう思うだけでワクワクする。結果として腕時計もカメラもやたらと家にある。 メカニズムが裏から見えるスケルトンの腕時計。中国出張のたびにアプローチに使う香港の空港…

高くついた昼食

あれは出張で静岡県の工場に行っていたのだった。来客となると総務部門が昼食の出前を取ってくれた。近くの寿司屋からの幕の内弁当だった。沼津漁港が近い街なのでやたらとその寿司屋の幕の内弁当は美味しかった。焼物も揚げ物も煮物も満点だった。来客対応…

減っていく林

自宅から友人の家まで、緩い登り坂はアカマツと広葉樹の森を抜けて行く。時間にして五分。海抜千メートルを越える辺り一帯はアカマツの森となる。そこで自分は何度も鹿の親子を見た。鹿に注意という意味の、鹿を模した可愛らしい看板もこの通りには幾つもあ…

好敵手

図書館で借りてきたCDを聴いている。聴き慣れた曲だがこうも違いがあるのか、と驚いた。 宗教曲を好んで聴く。バッハからブルックナー迄、いずれも素晴らしい。簡素で素朴なものも清澄で心に染み渡るが、やはり大編成のコーラスにオーケストラがついて演奏…

図書の旅47 ヨハネスブルグへの旅 ヴィバリー・ナイドゥー

● ヨハネスブルグへの旅 ヴィバリー・ナイドゥー著 もりうちすみこ訳 さえら書房 2009年 不思議に思ったことがある。だがそれも今ではいつの事かは思い出せない。もちろんサッカーワールドカップの歴史を紐解けばわかる。調べてみた。2010年の事だったか。 …

ジャンボン・フロマージュで

サンドイッチ。日本のコンビニでも売っているが専門店のものが外国人の熱い視線を浴びている。玉子サンド、そして生クリームに果実を挟んだフルーツサンド。この二つは大人気だとよくテレビでも言われている。確かに玉子サンドは美味しいしフルーツサンドに…

トビウオ

彼女はこう言うのだった。「大磯ロングビーチに行きたい」と。困った。芸能人水泳大会も行われるお洒落そうな場所ではないか。そこに行くの?まずは見劣りする体を人前でさらすのが嫌だった。そして更に困ったことに、全く泳げないのだった。しかしそう言わ…

オモニの店

明日はやっていますか?ランチやってません どうも会話がかみ合わなかった。電話の相手は韓国料理店だった。焼き肉屋ではない。どうやら明日はやっている。ただ夜だけの様だ。ネットでは昼の営業もあると言うが最新状況は反映されないのだろう。 焼肉ではな…

どんど焼き

数隣隣の家へ行った。こちらに引っ越してきてから色々世話を焼いて頂いた方が住まわれている。旦那様とは病院でばったり顔を合わせたこともあった。最近はポールを持ってウォーキングをされている。自分の知らないルートを歩いているのだろうか。思わぬとこ…

露天風呂

いくら九十五度のサウナで十分間体を温めたからと言っても露天風呂迄の三メートルは寒いのだった。なにしろ外気は氷点下、そしてこちらは沢山汗をかいている。わずか三秒だろうか、えいやと手すりにつかまり湯船に入る。ああ、これだ。そう声が出る。湯は4…

ニッポンの翼

もう十年近く前だろうか。三菱重工が国産ジェット旅客機を作るという話題があった。大応援だった。ミツビシ・リージョナル・ジェット、略してMRJと名が付いていた。初飛行のニュースにはドキドキした。ミツビシがとうとう飛行機に乗り出したか!何十年振…

感情の豊かさ

コンビニのレジだった。沢山買ってしまった。 お客さん袋はどうしますか?手に余るね 困ったな… するとレジの女性はふふふと笑った。私に聞かれてもね、という苦笑いか、確かにこれでは両手でも持てないだろうなという同情なのか、気安く話しかける禿げ頭の…

箱が好き

工業製品のデザインに対する好みは人それぞれだろう。ダレイ氏という工業デザイナーが居た。会社員当時の自分の仕事は自社製品を海外の会社に相手先のブランドを付けて販売させてもらう事だった。売り込みと実務だった。自社製品の販路がその地にない、ある…

見えない壁

娘夫婦とネパール料理屋に行った。数か月に一度は彼らと会う。彼らがこちらに遊びに来ることもあれば自分達が所要にかこつけて彼らの住む都会の街で会う事もある。これまで贔屓にしていたインド・ネパール料理屋は何故だろう店を閉じてしまった。「あそこ美…

指が覚えている

アナログレコードを業者に頼んでデジタルにした。デジタルの再生音にはあのプチプチと言うノイズまでもしっかり再現されている。そんなCDを聴きながらレコード盤をターンテーブルに載せて針を追い出すという一連の動作を思い出した。LP盤を聞くのだから…

雑食は素晴らしい

鼻水をすすりながら食べた。なんともボリューミーだと。 日本語はなかなかの雑食だと思う。新しい言葉が生まれるという意味で。勿論英語も進化するだろう。Eメールという言葉。ネットが広まり誰もがパソコンを持ちEメールは広まった。そのEとはエレクトリッ…

新年会ですから

えーと、席は二階の七列六番か。お、お隣さんは和服の女性だ。彼女の連れは洋服姿だったが二人は嬉しそうに話をしていた。「お着物綺麗だわ」「やっぱり新年だからね。ここはウィーンではないけど楽友会ホールはテレビで見ると日本人女性は和服でしょ。だか…

M字禿げ

「電人M」という怪奇推理小説があった。ポプラ社の少年文庫だ。明智小五郎に小林少年と言えば江戸川乱歩の怪人二十面相シリーズだ。幾冊もあるこの文庫本シリーズは小学生の自分を夢中にさせた。学校の図書室には全巻あったので片っ端から借りていた。自分…

ガンバレ某社

日本にはかつて家電からコンピュータ、発電所、機関車から防衛機器まで作っているメーカーがあった。総合電機メーカーと言われていた。かつてと書いたのは今はもう往時の形は残っていないからだ。唯一ブランド名は残っているがもう個々の事業は別の会社に分…

暖かい部屋

椅子の上も良いですよ、そう言われるのだった。さすがに迷っていたがそう言うのなら、と椅子に抱き上げた。カラビナが壁に掛かっている。もちろんそれはクライミングの為ではない。 人口六千人程度の街。そこにトリミングショップは何軒あるだろう?ゼロでも…

パープーパープー

いつもの場合は記憶をたどる際には実際の資料や本を引っ張り出して確認する。今回は無理だった。この地に引っ越す際に断捨離としてその文献を処分してしまったのだから記憶に頼るしかない。 高橋留美子の漫画は初期の習作とともにその後の二作のみ大ファンだ…

似た者同士

笑顔の穏やかな、物腰も丁寧な男性がいる。荒っぽい体質の職場の中でその方は誰にも平穏という四文字を想起させる。仕事中のつまらない小言なども彼に話せば心は和むし、なかなか良い職場だなとすら思うのだ。 同僚から聞いた。彼の奥様は「道の駅」で働いて…

薪割り

難攻不落、そんな言葉を思い出した。薪を割ろうとしても割れないのだ。この硬さ、シラカシあたりの木だろうか。「なかなかね、固いのよ、ガードが。難攻不落でね」そんな話を学生時代にしていた。友の一人がある素敵な女性を口説こうとしていた。なかなか口…

二時間で戦意喪失

アイン・ツバイ・ドライ、♪♫♪♪♪…、 フィア、ヒュンフ、ゼックス、♪♫♪♪♪… 弾むようなメロディだった。歌詞と言えば書いた通りの数字を十までなぞるだけだった。そして合間にはヨーデルだろうかチロル風の音楽が流れるのだ。更には職員もレストランの店員もバ…

次はこれでやるか

アコースティックギターでビートルズやサイモン&ガーファンクルあたりを弾いたりして遊んでいる、そんな方に出会った。それは職場の同僚で自分に仕事を教えてくれた方でもあった。何がきっかけでそんな話を聞いたのかは覚えていない。僕は下手だけどベース…

蘇ったLP

学生生活に点をつけるなら? 皆それぞれ語っている。八十点、理由は成績も悪かったから。九十九点。残りの一点は就活で苦労したことともうすこしこの学校の女の子と付き合いたかったから…。そうか、皆いろいろな思いがあったんだな。 みんなマナーもよく、着…

お正月

一年は一日の積み重ね。一日を一枚の紙とすると一年後には三百六十五枚積み重なる。積み重なったらそんな束をそれで終わりと横によけるわけではない。その上にまた紙は重なっていく。そういえば昔のトイレの紙がそうだった。今のようにロール状になっておら…