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GaucheでCOOLなWebアプリ!

2008年6月27日(金)
吉田 裕美

モジュールの利用

 前回は、Webアプリケーションの機能拡張の前段階として、生産性を向上させるテンプレートエンジンを紹介しました。今回は、さっそくWebアプリケーションの機能を強化していきましょう。今回もソースコードがダウンロードできます(7451.zip/2.16KB)。

 機能の強化にあたって、今までのように1つのファイルにすべてのコードを書いていては、ファイルが大きくなりメンテナンス性が悪くなります。また、他のプロジェクトでコードを再利用するのにも不便です。そのため、大抵のプログラム言語はモジュール化機能をサポートしています。

 GaucheもPerlと似たモジュール機能をサポートしています。今まで作ったプログラムをサーバ(メイン)、テンプレートエンジン、アプリケーションの3つに分けてみましょう(リスト1~3)。

 リスト1のサーバ(メイン)は、モジュール化されたapplication.scmを利用しますので、(add-load-path "./")でモジュールを探すパスにapplication.scmのあるカレントディレクトリを設定しています。

 また、サーバのプログラムも多少変更しました。

 (guard (e (else (socket-close ....でサーバ内でエラーが発生した際にsocketを閉じるような、例外処理を加えました。guardの詳細はリファレンスマニュアルを参照してください。

 web-server関数の(reload-modified-modules)は、変更されたモジュールがあれば再読み込みする関数です。この関数をここに書くことで、application.scmを変更した場合にもサーバを再起動せずに、変更を次のリクエストから反映します。

 また、render内で例外が発生した場合は、ブラウザにエラーページを表示できるように、ここにも例外処理(guard (e (else (report-error e) error-page ...を追加しました。

モジュールの作成

 リスト2は、テンプレートエンジンをモジュール化したものです。モジュールの先頭は(define-module モジュール名...で始めます。define-moduleの中には、このモジュール内で利用するモジュールのuseに続き、このモジュールをuseしたプログラムから参照できるシンボル(関数名、変数名)をexportで指定します。

 また、(select-module モジュール名)でこれから定義される関数などの所属するモジュールを指定します。コードの最後にある(provide "モジュール名")は、このモジュールをuseしたプログラムが、再度このモジュールをuseしても再読み込みしないように設定するものです。

 テンプレートエンジン自体のコードは「第4回:Gaucheで超高生産性Webアプリ!(http://www.thinkit.co.jp/article/74/4/)」で紹介したものと同じです。

CADのベンチャー企業を経て、独立し有限会社EY-Officeを設立。Java、Ruby、PerlなどでWebアプリを中心に開発を行ってきたが、現在は、教育に注力し「問題解決型の教育」に奮闘中。「Gauche-Trac(http://www.ey-office.com/gauche)」に今回の記事のサポートページを作りましたのでご活用下さい。HP:http://www.ey-office.com。Blog:http://d.hatena.ne.jp/yuum3

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