"黄金パンツ"の92歳ラガーマンが貫く「生涯現役」 40歳以上のラグビーチーム「不惑倶楽部」とは?
日本に「不惑倶楽部」あり!
ぼくが90代になってもラグビーを続けられるのは、もちろん家族のサポートが大きいのですが、所属しているラグビークラブ「不惑倶楽部」のおかげです。
不惑倶楽部とその仲間たちが存在しなければ、ぼくが90代になってもラグビーを続けるなどありえなかったからです。
不惑倶楽部は、まだ戦後の復興が始まったばかりの1948年1月に誕生しました。ぼくが高校生になる頃で、当時、その存在は知りませんでした。
戦争から戻ってきた元ラガーマンが中心になり、焼け野原となった東京のバラック街に集い、「せめて昔のように、ラグビーを楽しもうじゃないか」と40歳以上のラグビーチームを立ち上げたそうです。
発起人7名の選手たちは「七人の侍」として、いまも語り継がれています。チーム名の「不惑俱楽部」は「四十にして惑わず」という孔子の教えより名づけられたものです。
当時、40歳以上のシニアラグビーチームなど世界のどこにも存在しませんでした。ラグビー発祥の地であるイングランドにもなかったそうです。つまり、日本の不惑倶楽部は、世界初のオーバー40ラグビーチームなのです。
不惑倶楽部に刺激を受け、数カ月後には大阪に「惑惑ラグビークラブ」が誕生し、さっそく不惑vs.惑惑の試合が行われたそうです。その翌年には福岡に「迷惑ラグビー倶楽部」が誕生。1952年以降はこの3チームによる「三惑対抗ラグビーフットボール大会」が定期的に開催され、ぼくも不惑倶楽部入会後から参加しています。
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