この頃しみじみと感じるのは「昭和は遠くなりにけり」ということだ。昭和最後の年1989(昭和64・平成元)年からすでに36年が過ぎ、当時を知らない世代も増えている。
このほど、今年で設立130周年になる東洋経済新報社の写真部に保管されていた昭和の街角写真がデジタル化された。本連載では、そこに写し出されている風景から時代の深層を読み取っていく。
第4回となる今回は、1970年代以降の東京・新宿の写真を紹介する。
1980年代、新宿の一等地で目立ったのは…
1970〜80年代の新宿の風景を今見ると、この時期すでに、新宿が東京の代表的な繁華街の地位を獲得していたことを実感する。
1983(昭和58)年撮影の新宿三丁目交差点付近の写真では、通り沿いに銀行の看板が目立つ。三井、三和、第一勧業、協和と、今はすべて合併により消え去った行名だ。
1980年代においては、銀行はどこの街でも駅前の一等地や繁華街の目抜き通り1階に店舗を構える王様的な存在だったが、合併時代を経て、近年はさらに店舗数を削減、縮小。街頭での存在感は失われつつある。
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