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1 本日のメニュー
本日のイエメシ・マリアージュは、豚コマをフードプロセッサーでひき肉にして、ヘラでこねたハンバーグに、カリフォルニアのカベルネ・ソーヴィニョンを合わせてみたいと思います。
自宅でハンバーグを作るとき、普通は、ひき肉を買ってきて、手でこねるというプロセスを通ると思います。
私は、ここで、次の2つの問題点を感じていました。
① 手が脂ギッシュ。
② 肉を食べているという実感がない。
今回は、この2つを解決して、美味しい自家製ハンバーグライフを実現してみようと思います。
2 では、作っていきましょう!
(1) 材料
① ハンバーグ
・豚コマ(今回はスーパーで売っていた100g88円のもの。)
・玉ねぎ(焦がし玉ねぎを入れる人もいます。)
・ニンニク(みじんにしたり、すりおろしたり。なくてもいいです。)
・パン粉
・卵(肉汁を閉じ込める効果があります。海外でかためのハンバーグが多いのは、あまり卵が使われていないためです。)
・牛乳(私は入れません。玉ねぎの水分で十分と思っています。)
・カマルグの塩
・黒コショウ
・ナツメグ
② ソース
・ハンバーグが焼きあがった後のフライパンに残った肉汁
・キノコ(今回はシイタケをさいころ状に切りました。)
・ケチャップ
・赤ワイン
③ 温泉卵
・卵
(2) 調理(ハンバーグ)
① 焦がし玉ねぎを入れる場合は、事前に作っておき、冷やしておく。
② 豚コマをフードプロセッサーでひき肉にする(細かさはお好み。)。
③ ひき肉をボウルにいれ、粘りが出るまでヘラで混ぜる。
④ とき卵を入れ、混ぜ合わせる(肉と一体化させるため、他の具材より先に入れます。)。
⑤ 他の具材を入れ、混ぜ合わせる。
⑥ ボウルの中で、ヘラで成型する(プロは、この後冷蔵庫で1時間程度寝かせるようですが、ご家庭では省略してよいでしょう。)。
⑦ フタつきのフライパンで、中火より少し弱めで、5分程度焼く(表面に少し焦げ目をつけ(メイラード反応)、うまみを増します。)。
⑧ ひっくり返して、火を少し弱くして3分程度焼く。
(3) ソース
① 肉汁の残ったフライパンにキノコを入れて、少し焦げ目がつくまで炒める。
② ケチャップ、ウスターソースを入れ、混ぜ合わせる。
③ 最後に赤ワインを少々入れて、アルコールを飛ばす。
(4) 温泉卵
① 鍋に、卵が完全に沈む程度の量の水をいれて、沸騰させる。
② 鍋を火からおろす。
③ 沸騰した水の5分の1の量の常温の水を鍋に入れ、卵を入れる。
④ フタをして12分放置。
3 どんなワインを合わせる?
今回は、クロ・デュ・ヴァル・カベルネ・ソーヴィニヨン2016(Clos du Val Cabernet Sauvignon 2016)を合わせてみようと思います。
このワインには、ワイン業界ではちょっと有名な話があります。
1976年に開催されたブラインド・テイスティング対決で、ボルドー格付け1級シャトーを抑えて1位になったワインが、このクロ・デュ・ヴァルです。
当時のワイン業界に衝撃を与えたこの歴史的な事件は、のちに「パリスの審判」と呼ばれるようになりました。
2006年に開かれた「パリスの審判」30周年を記念するメモリアルマッチにおいても、クロ・デュ・ヴァルは5位になっています。
これらの歴史は、クロ・デュ・ヴァルの品質の高さを証明するものとなっています。
さて、今回のワインは、カベルネ・ソーヴィニョンで作られたワインなので、タンニンの強さは覚悟しましたが、5年たった時点で、タンニンはよく溶け込んでいていました。
また、カリフォルニアワインの特徴としてよく言われるタル由来の「リッチさ」も、フランスのワインを凌ぐだけあって、控えめです。
香りは杉のほか、黒コショウのようなスパイシーなニュアンスがあります。
味わいは、ブラックベリーなどの黒系果実、熟したプラムなどの濃厚な果実味がしっかりと感じられます。
ハンバーグにいれたコショウとナツメグが、ワインのスパイシーな香りと結びつき、ワインの果実味が、ハンバーグのソースに複雑さを加えます。
いかがですか?
自家挽きで肉々しさを感じるハンバーグを、手を使わずにお手軽に作れて、しかも美味しいワインと合わせられるなんて、イエメシがより楽しくなりますね。
ソムリエ協会の試験を受験される方は、アカデミー・デュ・ヴァンのワインショップ「 カーヴ・ド・ラ・マドレーヌ」でワインを探すのもお勧めです。
今日も、ごちそうさまでした。