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相対性理論(物理)

登録日:2011/03/27(日) 00:21:00
更新日:2024/05/14 Tue 21:40:06
所要時間:約 5 分で読めます






相対性理論とは、アルバート・アインシュタインが創始した理論である。
おそらく、誰もが一度は聞いたことがあるであろう。
量子力学と並ぶ物理の二大革命と言われており、現代科学の基礎、とくに、宇宙やタイムトラベルを語る際には欠かせない。

ちなみに、ブラックホールもこの理論とともに誕生した概念。
直接発見されたのはだいぶ後の2019年4月だが、
存在自体は相対性理論の提唱と共に「あれ?この計算が正しければ存在するんじゃね?」的に言われ始めたのである。


……え?違う?LOVEずっきゅんする方?



概要


相対性理論は大きく分けて
・特殊相対性理論
・一般相対性理論
この2つが存在するが、ここでは一般的に知られる「特殊相対性理論」を中心に解説していく。

相対性理論をひとことで乱暴にまとめてしまうなら「時間と空間は条件次第で歪むことを証明する理論」である。





【特殊相対性理論】


特殊と銘打っているのでこちらの方が難しそうにも見えるが、言っていること自体は単純。
特殊相対性理論をざっくり言うと、以下の通りになる。

1.「どのような速さで動いても、自然法則は同じように働く」

(特殊相対性原理)*1

と、

2.「光の速さはいつだって同じである。え、時々変化するって?うるせえ、同じっつってんだから同じなんだよ、その疑問は無いものとして扱え」

(光速度不変の原理)


……1番目はともかく、2番目は一見無茶苦茶なことを言っているようだが、
本当にこういう理論なのであるし、実際アインシュタインがこんな感じのことを言ったおかげで物理学は大きく進歩したのである。


その昔。かの有名なニュートンが生きていた、17世紀ごろの話。
ニュートンと言えば「リンゴが木から落ちるのをきっかけに万有引力を発見した」として有名な学者だが、
彼はこの他に「力をかけるとモノが動くのはなぜかというと、力には『かけたモノの速さを変化させる』という効果があるからだ」という理論。
そして、「速さとは、同じ時間に二つの物体が動く距離の差である」という理論を考え出している。
っていうか、ニュートンが科学界に残した功績としては、リンゴよりもむしろこっちのがメインだったりする。*2
そのへんに関する詳しい話は同Wiki内のニュートン力学の項目に譲るとして、ひとまず話を戻そう。

……想像してみてほしい。
この画面の前のあなたは走る電車に乗っている。窓の外には延々と田んぼや住宅地が広がっていて、その乗客はあなたを含めて10人もいない。
電車にシートベルトはないから、たとえ電車が走っている最中でも、あなたは自由に車内を歩き回ることができる。

そのときあなたは、
同じ電車に乗っている乗客が時速100kmものスピードで移動しているようには見えないのではないだろうか?*3
窓の外の風景を見て、家や山が動いているように感じたことはないだろうか?

ニュートンが考えた「速さとは同じ時間に二つの物体が動く距離の差である」とは、つまりこういうこと。
あなたが時速100kmの電車に乗っているのなら、車内の乗客やつり革、同じ方向に時速100kmで進む隣の電車はあなたから見て止まっているが、
地面から動かない踏切や建物から見ると乗客もつり革も、そしてあなた自身も時速100kmで動いている。

大きさや重さ、長さ、速さなどなど、何かを計測するときには「他のなにかと比べる」ことが必要不可欠であり、
そして「なにと比べているか」によってその大きさや重さ、長さ、速さは変化するということになる。

厳密に言うならば、「観測する人によって、ものごとの長さ、大きさ、重さ、速さは変化する」という。

こうした性質のことを一般に「相対性」と呼ぶ。
アインシュタイン御大の言うところでは、「可愛い女の子と一時間一緒にいると、一分しか経っていないように思える。
熱いストーブの上に一分座らせられたら、どんな一時間よりも長いはず。それが相対性というものだ。」
とのこと。







……しかしこの定理「相対性」が、後に学者たちを混乱の渦に叩き込むことになる。
ニュートンより以前に相対性原理を発見したガリレオの時点で混乱を呼んでいただろって?君のような勉強熱心なガキは嫌いだよ…

当時研究されていたテーマの中のひとつに「光の速さ」*4があったのだが、
ある科学者が「光の速さはいつでもどこでも秒速30万km」であると発見したのである。
+ ただし……


ただし、「速度が不変ということはないのではないか?速すぎるせいで『絶対にそうだ』とは言い切れないのだが…」の様な計測結果が環境・計測方法によっては出ていたり、そもそも光速がどうして絶対に一定であるのかという原理が未だに不明であり、『光速が本当に不変であるという証拠はまだ見つかっていない』ので注意。

ついでに言えば、光が秒速30万kmで進むのは真空中に限った話。大気中などでは多少変化もする。
それでも馬鹿みたいに速いけど。

アニヲタ的な話をするなら、光速を超えるスピードで運動する仮説上の粒子「タキオン」も既に昔から考案されており、SFにおいてはタイムワープの理由付けの一つになっている。
相対性理論で示されているのは「加速して光より速い速度になることはありえない」であって、「生まれた瞬間から光よりも早い物質」の存在は否定されていない。つまりタキオンみたいな未知の粒子だって実在するかもしれないのだ。



一見すると相対性にとって何の問題もないように見えるかもしれないが、これは非常にまずい事態だった。

先ほどの相対性の定理を用いるならば、速さは観測者の立場によって変わるはずである。
走行する電車に乗っているAさんから見れば車内の電車の車体はその場に静止している……つまり時速0kmである。
その一方、線路沿いの道に立っている人Bさんから見れば、電車の車体はもちろん時速100kmとなる。
このように、Aさんから見ると電車は時速0km、Bさんから見ると電車は時速100km……となるのが正しいはずなのだ。

だがしかし。
実験を行ったその研究者……マクスウェルによると、計測器を動かしていようが止めていようが、光の速さは変化しなかった。
走る電車の時は速度が変わったのに、光で同じことをやるとAさんから見てもBさんから見ても光の飛ぶ速さが時速10億8000万km(=秒速30万km)だったというのだ。*5





つまりどういうことなの?

光が進む本当の速さが時速何kmなのか、わからなくなってしまったのだ。


で、当時の学者が困りはてていたところに現れたのが、冒頭で紹介したアインシュタインだった。

「光がいつでもどこでも秒速30万kmだというなら、もう光の本当の速さを測ろうとするのは諦めようじゃないか。
その代わり、光の速さを基準にしてそれ以外のモノの速さを測ればいい。そうだろ?」

かくして、アインシュタインが仮定したこのルールは「特殊相対性理論」として世に広まったのである。

+ ちょっとした余談


それまでの物理学は、何を基準にして運動(おもに光の速さ)を計測するかという部分で行きづまっていた。それこそニュートンの生きていた時代は「実はまったく動かないエーテルという粒子が宇宙には満ちていて、そいつを絶対の基準にすればいいんだよ!エーテルまだ見つかってないけど!」という無茶のある説があったくらいである。が、結局はアインシュタインにより、「絶対の基準?んなもんねーよ」と一蹴され、「比較対象があれば何でもいい」という結論に落ち着いたのである。

光量子仮説などとこの特殊相対性理論により、18~19世紀に宇宙に満ちている光の媒質や空間と仮定されたエーテル関連の概念や理論は廃れていった。
(光を定義しようと四苦八苦した結果、解釈の仕方などの幅があるため、多くの理論が廃れたというだけであってエーテルが全否定されたわけではない。一応。)



さて、「光を基準にすべてのものの速さ・長さを計る」と言ったからには、
光の速さは「だいたい同じ」ではなく、「いつでもどこでも完全に同じ」でなくてはならない。
定規の目盛りが定規ごとにバラバラだったり、ストップウォッチの秒刻みの間隔が全世界共通でなかったとしたら、それはもはや計測道具としては使えないからだ。

で、かんじんの光の速さはというと、基本的にはいつでもどこでもほぼ同じだが、時と場合によって微妙に異なることが研究で明らかになっていた。
アインシュタインは、この問題を大胆な方法で解決した。


「だったら、光の速さを測ってる時計がおかしいんじゃねーか?」

「もっと言うなら、時間の流れの速さとか空間の広さとか、それ自体が変化してるから光の速度が変わってるように見えるだけなんじゃねーの?」


「光の速さは本当に一定か?」
そんな疑問はナンセンス。なぜなら、考えないから。
「光の速さはいつでもどこでも完全に同じ」、そういうことにしておくのだから。

「定規の1めもりは本当に1ミリか」を疑っている限り、永久に前には進めない。だから、一旦考えることをやめてしまおうというわけである。



この様に特殊相対性理論とは、「光の速さが一定であることを証明する理論」ではなく*6
「『光の速さは一定である』という前提のもとに、(当時にとっての)従来の物理法則を疑ってみる理論」
なのである。*7




【一般相対性理論】


続いて一般相対性理論。
先ほどの特殊相対性理論を発表したアインシュタインが、これをいろいろなものに適用できるようにするために考案した、改良版の理論。


基本定理

いわゆる前提条件的な話。
一般相対性理論について考えるときは、以下の2つのルールを忘れないようにしようね!というやつである。

(1.「誰に対しても、自然法則は同じように働く」

(一般相対性原理)

ものを燃やしたり落としたり、あるいは化学反応を起こしたりなどの自然法則は、どこの誰がいかなる状況で発生させたとしても同じ結果をもたらす、というもの。
一見、特殊相対性原理と似たり寄ったりな内容だが、
特殊相対性原理が「どんな速さで動いていても同じ自然法則がもたらす結果は変わらない」のに対し、
一般相対性原理は「どれだけ異なる環境で実行しても同じ自然法則がもたらす結果は変わらない」。
それで?と言いたくなるような内容だが、
ようするにこの定理が言いたいのは「時間や空間がいくら歪んでも1+1=2なのは変わらないよ!安心してね!」ということ。
まあ確かに、化学物質の組成とか元素表とかが作り直しとかなったら大変だしね。




(2.「加速の力と重力は等しい」

(等価原理)

電車や上昇中のエレベーターで感じるような「G」(慣性重力)と重力を等価値のものとして計算しようという理論。
慣性(エレベーターが下がる時にフワッとするアレ)と通常の重力、等価値というと難しそうに聞こえるが、「両方ともグッと引っ張られる力ならごちゃまぜにしていいんじゃね?」というアイデアから生まれたもの。
まあぶっちゃけて言えば、計算をラクにするために編み出された理論である。
なお、後にちゃんと計算が行われ、距離と速さが同じなら重力も慣性力も同じ強さになることが証明されている。




一般相対性理論の内容〜時空の歪みとは何なのか


それでは、本題に入ろう。
冒頭でちらっと「相対性理論とは、時間と空間は条件次第で歪むことを証明する理論である」と書いた。
科学知識のないWiki籠り諸兄はここできっとこう思ったはずである。


時空が歪むって、具体的にどういうことなの?何が起こるの? と。


それについてまとめたものこそが、一般相対性理論である。
つまり一般相対性理論とは、「何をしたらどのくらい時空が歪むのか?」ということについて説明したものなのだ。


時空が歪む条件、ずばり言うと「重力」である。
何のこっちゃ、とイメージがわかない人のために箇条書きにすると、以下のようになる。

  1. 重力の強い場所だと、時間の流れる速さが遅くなる。
    その場にかかっている重力が強ければ強いほど時間の進み具合も遅くなる。
    ただし、重力の強さと時間の遅れは比例しているわけではなく、実際には「重力ポテンシャル」なるものが時間の遅れ具合を左右している。

  2. 重力の強い場所だと、空間そのものが重力の方向に引っ張られて伸び縮みする。
    空間そのものが曲がっているので、その中を通る光の軌道も変わる。
    つまり、重力の強い場所だと光は真っすぐ進まずにちょっと曲がることになる。
    もちろん、その強い重力場の中を通るものは光でなくとも軌道が曲がる。

  3. 「時間の歪み」「空間の歪み」とは、異なる二人が同じものを観測したとき、二人の見え方に不自然な差が生じる状態を指す。
    本理論最大のポイント。実は、歪んだ時間・空間の中にいても、その当人が「あっ時空歪んでる~!」と気づけるわけではない
    先の光の軌道の話にしても、歪んだ空間の中にいるとまっすぐ進んでいるように見えるし、定規やストップウォッチを持って行ってもその歪んだ時間のスピードに合わせて伸び縮みする/時を刻むので無駄。
    だが、重力で歪んだ時空の中と外で同じものを観測したときだけは別。
    空間の歪みなら歪んだ空間の内側では15cmに見えたものが外から見ると20cmに見えたりするし、
    時間の歪みなら内外で時間が経過するスピードが変わる。昔話の浦島太郎のごとく「中で3日過ごしていたら外では30年が経っていた」的なことが起こりうるわけである。

  4. 加速して早く動くと、重力が強い状態を再現できる
    上で取り上げた等価原理の法則を適用すると、G(慣性重力)と重力は同じものとして計算できる。同じものとして計算できるという事は、端的に言えば「高速で動けば、時空の歪みを発生させられる」ということ。


なお、アインシュタインは「どのくらいの重力で空間がどの方向にどのくらい歪むのか」を計算で割り出せる方程式まで残している。



で、実際にはどんなことが起こるの?

記事の冒頭にもある通り、相対性理論を適用することで、時間・空間のゆがみを観測できるようになる。

たとえば、光の速度を測ったとしよう。一回目は秒速30万km、二回目は秒速30万と1kmだった。
相対性理論の基本は「光の速さはいかなる場合でも変わらない」という考え方だから、二回の速さは同じだったと仮定する。すると、「一回目よりも二回目のほうが時間の流れる速さが早くなったのではないか?」と逆算することができるのだ。


  • 重力と時空の歪み

相対性理論によって明らかにされた事実のひとつに、時間と重力の関係がある。
簡単に言うと、以下の法則が明らかになった。
「重力が強い場所ほど、時間の流れる速度が遅くなる」
「物体が素早く動くと、そのスピードに応じてその物体の時間の流れる速度が遅くなる」

時間の進む速さは、上記の条件に沿って変動することが明らかになった。
無論そうでない条件下では時間の流れ方は変わらない。
となると、これらの条件が揃った場合、時間の流れ方にズレが生じうるということになる。
この時間のズレを利用すれば、未来へのタイムトラベルが可能であるという。

たとえば、スカイツリーのような高い場所に行く(=重力の小さい場所にいる)とか、
飛行機に乗る(=素早く動く)とか、そういうことをするだけで、ごくごく微弱ながらタイムトラベルが可能となるのである。
この時間差現象のことを「ウラシマ効果」と呼ぶ。浦島太郎が竜宮城で数日過ごして帰ってみたら、地上では数十年経っていたのと同じように。
なお、ものすんごい重力を持つブラックホールの内部では理論上時間が止まっているとされる。



  • 質量が増える
いわゆる E=mc^2 がコレ。
こいつは「エネルギー(J)=質量(g)×光速の2乗(ms^-1)」であることを示す関係式。

物体が速く動くためにはエネルギーが必要=速く動こうとすればするほどエネルギーは増えていく。
そんでこの式に当てはめて考えると、速く動けば動くほど物体の質量(≒重さ)は大きくなるのだ。
たとえば、1gの物体が光速の90%で動くと質量は約2.3kgになる。

そして、速度が上がれば上がるほど、スピードの増加効率は悪くなり、反対に質量の増え具合は大きくなっていく。
このため、ジェットエンジンであれ筋肉であれ何であれ、出力を上げて加速すれば光の速度=秒速30万kmに限りなく近づくことはできるが、「秒速30万kに到達する」ことは不可能とされる。もちろん光速を突破するなんてのも無理。
どれだけ速度を上げても、29万9999.9999999……kmにしかならないのだ。
ただし客観的な速度が30万kmを超えないというだけであり、ロケットや飛行機などの飛行物体そのものの主観的な速度は速度を挙げ続ける限り上がり続ける。
たとえば、ロケットで40万kmの速度で240万kmの距離を移動しようとすると、外からは時速30万kmだが中からは時速40万km、差の時速10万km分は、ロケットおよびその内側での時間の流れの速さを遅らせることで辻褄を合わせるという形になる。40*6=240, 30*8=240なので、到着までにかかった時間はロケットの外では8時間、中では6時間、という具合。

また、この理論の応用として、物体それ自体をまるごとエネルギーに変える研究も進むこととなった。
原子、電子といったミクロの世界の話になってくるが、物質を構成する原子自体を崩壊させるのである。
日本国民なら誰もが知っている原子爆弾も、この研究を基礎として生まれたものである。*8
ちなみに、1gの物体を完全にエネルギーに変換すると90兆ジュールとなる。
広島の原子爆弾で発生したエネルギーが63兆ジュールだから、その凄まじさがうかがえるというものである。



  • 長さが変化する
先ほどから何度も言ってきた、「相対性」、覚えているだろうか。
測る際に基準にするモノが変化した場合、測る対象となるモノもまた変化する。

たとえば、定規でモノの長さを測ったとしよう。
その定規を引き延ばしたり縮めたりすれば、測ったものの長さもまた伸び縮みするのだ。
「パッと見は伸び縮みしているように見えなくても、計算する時は伸び縮みしたものとして扱う」というのがポイントである。

先述の通り、相対性理論では光を基準としている。
この法則を当てはめると、動くスピードが速くなるごとに物体の見え方も伸び縮みしてくるのである。




余談

  • 一般相対性理論を理解しているのは1920年代には3人しかいないと言われていた。提唱者のアインシュタイン、(質量がないので古典物理では重力の影響を受けないはずの)光が重力で曲がることを観測したエディントン、そして三人目はエディントンも知らなかった。
    • 一般相対性理論を何か異常な理論のように扱う風説に対する「いや、普通に理解できるし」というエディントンのジョークである。念のため。
  • 専門家にとっても難解な理論であることに間違いはない。ノーベル賞選考委員会の科学者らは相対性理論が難しすぎたため、別の理由でアインシュタインにノーベル物理学賞を授与している。



追記・修正はアインシュタインの後継者にお願いします。

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最終更新:2024年05月14日 21:40

*1 木に火をつけたら燃えるし手に持ったものを落とせば同じように下に落ちる。そうした自然法則は、たとえ動いていようが止まっていようが同じように起こる、ということ。

*2 厳密にいえば、この法則に最初に気づいたのはガリレオ。

*3 在来線のスピードは時速90~100kmほど。

*4 実は光にも速さの概念がある。ぱっと見瞬間移動しているように見えるものの、それはあまりにスピードが速すぎて目でとらえられないだけである。たとえば、地球~太陽のあいだを光の速さで移動した場合8分かかる。この性質上、太陽や星のようなとんでもなく離れた物体を見るときに見えるのは現在の姿でなく過去の姿となる。太陽ならば8分前の姿というわけ

*5 ちなみに、Aさんを光の速度に合わせて飛ばして、なんて御大層なことはできなかったので、光の進行方向と同じ向きに計測器を動かして計ったという。それでも、光にちゃんとした「速さ」があったのなら、計測器に出る数値は「秒速30万km-計測器を動かす速さ」となるはずだったのである。

*6 ここを勘違いすると一生理解できないので注意。追記者が受けた大学の講義では、「『光の速度が一定なのはなぜか』なんて相対性理論の中のどこにも書かれていませんから!」と何度も念を押された

*7 そして、速度の足し算は単なる足し算ではなくもう少し複雑な式になることがわかった。ただし足される両者の速さが光に比べて十分遅い場合は単なる足し算に近似できる。

*8 従来の火薬によるタイプの爆弾は、化学反応の際に発生するエネルギーを爆風にする構造。なので、原爆とは根本的に仕組みが異なる。