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To LOVEる -とらぶる-

登録日:2010/04/09 Fri 21:48:33
更新日:2024/11/27 Wed 17:00:21
所要時間:約 9 分で読めます





婚約者は宇宙のプリンセス!?


ちょっとHなどきどきラブコメ大暴走!!




矢吹健太朗:(漫画)
長谷見沙貴:(脚本)
の漫画。週刊少年ジャンプで連載された。

単行本は全18巻。

前作『BLACK CAT』の終了後、次回作を構想する上で矢吹が
「今まで漫画を描いていて、一番楽しかったことはなにか」を振り返った結果、
「可愛い女の子を描いている時が一番楽しかった」ことに気づいて描き始めた作品である。

ジャンルはお色気ラブコメディであるが、従来のそれとは一線を画すギリギリ描写、疑似描写が特徴。
具体例を挙げれば、
  • 舞う紙切れで股間が隠されるが、紙の影がちょうどマンスジに重なるように作画される。
  • アイスを咥える女の子が主人公の腰のあたりに重なって描かれ、フェラをしているように見える。
等々。
本番をやらない、性器を描かないという制約の中で、いかにエロく描写するかという構図の工夫には凄まじいものがあり、もはや一種の職人芸とすら呼べる領域に達している。

少年誌の限界に挑むかの如きこの過激な描写は、むしろR-18の同人誌よりエロいと評判で、「同人屋泣かせ」と呼ばれた。

雑誌掲載時ですでに過激であったが、単行本が発売されるや否や、
乳首を描き足していることが大きな話題を呼び、『ジャンプ』誌のお色気要員として、瞬く間に不動の地位を築いた。
矢吹作品の単行本での加筆修正は、前作の時点から顕著であったが、本作の乳首で一気に注目を集め、読者は単行本が発売される度に
「今度はどんな風に変わっているんだろう」と胸を躍らせるようになった。やっぱりエロ関係の方が気合入るよね!

ラブコメのお約束、意図せずして女の子の体にタッチしてしまうラッキースケベ展開も豊富であるが、これまた従来の作品とは異なり、
あり得ないような頻度、あり得ないような経緯で起きる。
その経緯はまさにピタゴラスイッチ的で、「そんなことが起きるか!」というツッコミすら野暮に感じる。

もっとも、連載開始当初は所謂判子絵漫画として埋もれて即打ち切りコースを辿るのではないか
などという声もあったが、予想は覆された。

先述の過激さだけでなく、今では丸みを重視した色気と質感に富んだ画は矢吹の技術の向上によってより洗練されたと言える。
このジャンルの漫画の中でもキャラクターの顔の描き分けが出来ており、目元やおっぱいだけでもどのキャラか大体分かる点は稀有と言って良いだろう。
また何より、矢吹と長谷見が協同で台詞を一字一句練り上げて生み出された表情豊かなキャラクター達は、この画力と相乗効果を成して皆個性的で可愛らしい。
矢吹は本作のヒットにより「矢吹神」と称されるようになった。

初作、所謂「無印」はドタバタコメディー。続編、「ダークネス」はより心情描写に踏み込んだ、ハーレムギャルゲーのハーレムルート攻略時の漫画版、とでも言った仕上がり。
日常ドタバタギャグの中でキャラ達が映える「無印」も良さがあるが、より一層キャラの魅力を引き出しキャラ達の恋愛模様を魅力あるものにしている。
また中にはエロ描写が一切存在しないハートフルなエピソードも少ないながら存在する。


・あらすじ

恋愛に奥手な高校生「結城リト」は実は両想いの「西連寺春菜」とまともに会話することも出来ず、日々苦悩していた。

そんな彼の元に、窮屈な王族暮らしから家出してきた宇宙人のデビルーク星の王女「ララ・サタリン・デビルーク」がやって来た。
彼女を追っ手の手下たちから守り、その後の勘違いからなぜかリトは婚約することに…
春菜にも誤解され、ララが学校に転校してきてしまったことで、その日を境に連鎖的に災難に見舞われるようになってしまった。

リトに平穏が来る日はいつになるのか…


・登場人物

結城リト
声:渡辺明乃
主人公で高校生。
普段は強気だが恋愛は奥手。
西連寺春菜に恋をしているがなかなか気持ちが言い出せないヘタレ。
テンプレに違わず、女性の肌の露出に対して免疫が低い。
危機に陥った際での逃げ足の速さや回復能力は異常。
数々の据え膳を食わずに通す理性の強靭さも異常。
ララの発明品が暴走し女体化した事もある。
その理性の強さ、一途さから、ハーレムものの主人公にも関わらず、男性読者からの支持は厚く、「リトさん」と敬称付きで呼ばれる。

ララ・サタリン・デビルーク
声:戸松遥
銀河系を束ねるデビルーク星の第一王女。
世間知らずの自由奔放な性格かつハイテンションで活発。戦闘力も作中屈指。
銀河に名前の響く天才的な頭脳の持ち主でもあり、特に理工学系の知識と開発力に優れ、よく道具を発明する。
道具の名前は「擬音」と「~~くん」がつけられる。
簡単にいってエロいド○えもん。

人気投票において2位に圧倒的な差をつけて1位を獲得した。

西連寺春菜(さいれんじ はるな)
声:矢作紗友里
リトやララのクラスメイト。クラス委員でテニス部に所属している。
普段の態度は控え目。
強く主張することはない。
当て馬ヒロインとか言わない。

古手川唯(こてがわ ゆい)
声:名塚佳織
2年生からリト達と同じクラスメイトとなる。
学校の風紀に厳しく、秩序を乱すものを許さないガチガチの堅物。
自分の規範意識にそぐわない男女関係を目にしたり、胸を揉まれる等の卑猥なトラブルに巻き込まれた際には赤面して「ハレンチな!」と叫ぶツンデレ

金色の闇(こんじきのやみ)
声:福圓美里
宇宙で最も危険視されている殺し屋。ララから『ヤミ』という愛称を付けられる。
外見は金髪・黒服の小柄な美少女。口調は常に「です・ます」調で丁寧だが、普段は他者に心を開くことはなく、口数も少なく無表情。
体内のナノマシンによって、髪の毛や腕など自分の身体のあらゆる器官を自在に武器に変身させ戦う能力を持つ。

モデルというか…まんま『BLACK CAT』のイヴ。性格こそは違うが能力や姿はこれでもかっていうくらいイヴ。隠す気なんて微塵も無い。
むしろ矢吹がわざと使いまわした。いいぞよくやった。

結城美柑(ゆうき みかん)
声:花澤香菜
リトの妹で小学生。
両親不在の結城家では料理の他、家事の多くを担う。特に料理の腕前はかなりのもの。
身体能力も兄と同様に高い。
宇宙人であるララが家にやってきたことを、何ら抵抗なく受け入れて同居を歓迎した。
初期は現実的な生意気さを持っていたが、作中でだんだんブラコンが表面化していく。
金色の闇と仲良し。
作中で小学5年生から6年生に進級しているが作者の「美柑は中学生になっちゃダメ」という想いでこの漫画はサザエさん時空に突入した。

天条院沙姫(てんじょういん さき)
声:川澄綾子
縦ロールの髪型が特徴で口癖は「〜なんですの?」。
優雅・華麗・高貴な容姿を持ち、合気道の心得もあり、黙ってさえいれば非の打ち所の無い正真正銘の大金持ちのお嬢様。
但し高飛車かつ大変な自信家、もとい過信家でなんでも「○○クイーン」と自称する。
女性キャラでは珍しくリトではないキャラに好意を寄せる。

レン・エルシ・ジュエリア
声:大浦冬華
ララの幼馴染。
成績優秀にして運動神経抜群。
メモルゼ星人の王族の出で、精神も肉体も逆転する「男女変換能力」を持っており、くしゃみをするとルンに変わってしまう。
ルンと記憶を共有しており、脳内で会話も可能。中盤からだんだん出番が減り、ルンがアイドルデビューしてからは、全くと言っていいほど登場しなくなった。

ルン
声:大浦冬華
レンの女性人格。
ある騒動がきっかけで、リトに恋をしている。
そのため、ララには内心で強い敵意を抱いている。
性格はあまり良くない。
アイドルもやっている。

村雨静(お静)
声:能登麻美子
400年前から旧校舎に住み着いていた地縛霊。
ある騒動の後、御門先生の作ったバイオロイドに憑依する事で実体を得て、転校生としてリト達のクラスに編入した。
強力な念力を使い、かなり重い物体でも苦も無く空中を浮遊させることができる。
犬が大の苦手。どこのオバQなんだ

御門涼子(みかど りょうこ)
声:城雅子
表向きはリト達が通う彩南高校の養護教諭だが、裏では地球に滞在する宇宙人らの病気を治すのを職業とする。

ナナ・アスタ・デビルーク
声:伊藤かな恵
デビルーク星の第2王女でララの妹。
ツリ気味の瞳で上顎の犬歯がときおり牙のように覗く、小悪魔っぽい容姿をしている。
明朗快活だが、やや大言壮語気味。
動物と心を通わせるという能力を持っていて、凶暴な宇宙生物をも手懐ける。
つるぺたとか言わない。

モモ・ベリア・デビルーク
声:豊崎愛生
デビルーク星の第3王女でララの妹。
ナナとは双子の姉妹。
ナナと比べると大人しく清楚で如才ない印象だが、キレると凶悪な地が出て、形相も険しく変貌する。
リトに好意をもっていて、かなり積極的にアプローチをするが、相手が奥手なリトなので効果が微妙。
植物と心を通わせる能力を持っている。ナナと違って恐怖政治だが。

籾岡里紗(もみおか りさ)
声:柚木涼香
リトのクラスメイトで小悪魔な乳揉みコギャル。
サッパリした性格。

沢田 未央
声:千葉千恵巳
里沙と共に行動しているメガネっ娘
少なくとも普通ではないキャラ。

ザスティン
声:テラ子安
デビルーク星王室親衛隊隊長でデビルーク最強の剣士といわれる。
容姿や戦闘能力とは裏腹に、迷子になって警察のお世話になったり、野良犬に足を咬まれ続けたり、うっかり線路に侵入し電車に轢かれてしまうなど間抜け。
漫画家であるリトの親父さんに雇われ、いつのまにかチーフアシスタントをやることに。
よっぽど誇りに思っているのか、ヤミに対してもチーフアシスタントだと名乗った。
作中では珍しく、主人公ではないのにヒロインに好意を持たれている。
あまり気付いて貰えないが、一応『BLACK CAT』のクリード=ディスケンスのリメイクキャラである。

ギド・ルシオン・デビルーク
声:中村秀利
デビルーク星の王でララ、ナナ、モモの父親。
かつては大人の姿をしていたが、銀河統一戦争で力を使い果たした反動で、子どもの姿になってしまった。
かなりスケベな性格で、沙姫、九条凛、藤崎綾、テニス部員にイタズラをした。
早く王位を継がせて遊びたいため、リトを無理やりララと結婚させようとするが、ララが反対したため、引き下がった。
普段は力を抑えているが、ひとたび解放すると惑星をたやすく吹っ飛ばすことができるらしい。

猿山 ケンイチ
声:吉野裕行
リトの友人でアホでスケベ。

校長
声:緒方賢一
リト達が通う高校の変態校長。
設定上の本名は存在せず、作者曰く「校長でいいでしょう!」で決まってしまったらしい。


・アニメ

XEBEC制作で全2期+OVAとアニメ化されている
1期はアニメオリジナルストーリーが大半をしめ、肝心のお色気シーンも高いクオリティとはいえずぶっちゃけ評判は悪い。

2期である『もっと To LOVEる』ではスタッフが大幅に変更され、1話内に原作のエピソードを3本立てにした構成になっている。ヒロインの可愛さ全開でお色気シーンも良くできており汚名挽回といえるクオリティとなった。放送版は規制でほぼ見えないけど…
しかし、ナナとモモが最初からいたり、セリーヌが説明なく幼女化してたりと原作を読んでいないと分からないところも多い。

原作コミックス限定版同梱のOVAシリーズはいろいろ全力全開。



なお、後にジャンプSQ.にてモモや金色の闇をメインに据えたスピンオフ作品『To LOVEる -とらぶる- ダークネス』が連載された。
掲載誌を週刊少年誌から月刊誌へ移したことで枷が外れたのか初っぱなからいろいろとスゴいことに。
おい誰か矢吹を止めろ。



連載終盤、あの馬被りと嫁の不祥事が発生、色々ゴタゴタがあったことを矢吹本人が巻末コメントで語っている。






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最終更新:2024年11月27日 17:00