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明日のナージャ

登録日:2019/04/25 Thu 07:34:16
更新日:2024/11/27 Wed 18:36:12
所要時間:約 3 分で読めます




『明日のナージャ』は、2003年に朝日放送(ABC)・テレビ朝日系で放送された、東映アニメーション制作のアニメ。全50話。

概要

放送当時(2003年)から約100年前の時代、20世紀初頭のヨーロッパとエジプトを舞台に、主人公のナージャの母親探しの旅を物語の縦糸に据え、双子の少年フランシスとキースとの恋愛劇を横糸として絡めた意欲作として制作された。


作品企画(作品の骨子設定やストーリー)は関弘美プロデューサーが東映動画(東映アニメーションの前身)のアルバイト時代(1985年~1987年頃)に作成したダミー企画書『ナージャ!!』を下敷きとしている。


しかし…

同じ放送時間帯で昨年までに放送されていた『おジャ魔女どれみ』シリーズ、そして本作の一年後にスタートした『プリキュアシリーズ』と比べると印象が薄く、「どれみの次はプリキュアじゃないの?」「その間に違う作品ってあったかしら?」とまで言われてしまう始末。

というのも、この作品、「どれみ」「プリキュア」と違って、魔法などの特殊能力の類は全くといっていいほど登場せず、内容は歌と踊りと人間ドラマがメイン。
どちらかというと世界名作劇場に近い作風であり、絵柄がマイルドで内容もシリアスであるため、グッズ売り上げ・視聴率ともに大きな苦戦を強いられるなど、放送当時の評価は芳しくなかった。
+ 実は……
実はこの作品自体わざと爆死するように作った作品なのである
詳細は各自で調べて欲しいが、当時『ナージャ』と制作スタッフが同じの前番組の『どれみ』スタッフたちが度重なるスポンサー要望に対するある意味で復讐をしてたのである。
最終作である『ドッカ〜ン!』の現場では既に過労死待った無しで疲労が蓄積されていたが、上層部やスポンサーからはさらに『中学生編』を要望してきたためである。
この案はどれみ達の等身が変わり、アクション路線に移行する懸念から呼び出された関弘美が断ったと明かしている。
また一部のファンからは、もしもバンダイや東映アニメーションの当初の目論見(どれみ中学編の製作)が強行されてしまっていたら、当時のスタッフ陣の疲労と、山田隆司(栗山緑)のそもそもの作風、そして「中学生(思春期)」という不安定な時期を扱いアクチュアルな問題に踏み込む『どれみシリーズ』の観点から「某金八的なナージャ以上のド鬱展開が用意されたことは想像に難くない」と指摘されている。
なおスポンサーは『ナージャ2期』を狙ってたがそれがキャンセルされ、その繋ぎ番組として『ふたりはプリキュア』が制作された。
そしてその『ふたりはプリキュア』がヒットし以降はスーパー戦隊 仮面ライダー共にニチアサ枠に収まる

が、ひとたび海外へプロモートされると、もともと海外を舞台にした作品ということもあって現地の視聴者には感情移入しやすかったらしく、様々な国に輸出されて広まって行き、かつての不遇が嘘のような大人気作品になってしまったらしい。
本作の劇中音楽は、2008年度にJASRAC国際賞を獲得するという快挙を成し遂げている。

数字的には伸び悩んだ本作であるが、あくまでも売れ線的な内容ではなかったというだけであり、放送当時に楽しんで観ていた視聴者の存在を忘れてはならない。
実際、2017年には続編にあたる小説が発刊されている。
本作を未だに愛してやまないファンが決して少なくないことの証明とといえるだろう。

本作の不遇っぷりはネット上で昔から散々ネタにされてきたため、「実際に観た事はないが名前だけなら知っている」という者は多いと思われるが、内容的には決して悪くない、というか「隠れた名作」であることを理解してもらいたい。
また、番組のOPを歌っていたのは本田美奈子.だということも理解してもらいたい。

なお、これは余談になるが、本作が放送された03年は、「爆竜戦隊アバレンジャー」→「仮面ライダー555」→「明日のナージャ」…と、何かしら重かったり暗い要素、そして後述にもある強烈なキャラクターを含んだ番組が三作も立て続けに放送されることになったため、当時を回顧して「あの頃のニチアサはヤバかった」と評する者もいる。

あらすじ

イギリスの首都、ロンドン近郊のアップルフィールド孤児院で育った少女ナージャは、13歳の誕生日を迎えようとする頃に亡くなったと思われていた母親が実は生きていることを知らされ、母が初めての舞踏会で身に着けたドレスと母の日記帳を譲り受ける。
孤児院を飛び出したナージャは、踊り子として旅芸人のダンデライオン一座に加わる。旅の途中でナージャはそのブローチを付け狙う2人組の探偵ロッソとビアンコ、ナージャが「星の瞳のナイト」と名付けたハーコート侯爵家の令息フランシス、そして世間を騒がせている仮面の怪盗黒バラと遭遇するのであった。

登場人物

ナージャ・アップルフィールド

CV.小清水亜美
本作品の主人公。アップルフィールド孤児院で育った、12歳(作中で13歳の誕生日を迎える)の少女。本名は『ナージャ・プレミンジャー』。
赤ん坊の頃に生き別れた母親を探すために、母縁の品々であるピンク色の宝石の銀指輪が仕込んだ赤と金のハート型のブローチ・ドレス・日記帳を持って旅を続ける。天真爛漫かつ行動的な性格で、人を疑うことを知らない純粋な心の持ち主。
ちなみに余談だが、彼女の名前である「ナージャ」は「希望」を意味するロシア語「ナディエージダ」に由来している。
中の人は後に同時間帯でスイートプリキュア♪の主人公、北条響/キュアメロディを演じている。

キース・ハーコート(怪盗黒バラ)

CV.斎賀みつき
ナージャの前にたびたび姿を現す仮面の怪盗。
あくどい方法で金儲けをする貴族や金持ちから金を盗み、貧しい人々に与える、いわゆる義賊。

ローズマリー

CV.宍戸留美
ナージャと同じアップルフィールド孤児院で育った女の子。メイドとして惨めな生活を送りながらプリンセスになることを夢見ている。
しかし、ナージャが自分の思い描くプリンセス(貴族の娘)であることを知ってからは、歪んだ嫉妬心から性格が豹変してしまい、願いを叶えるためなら周りの人が不幸になっても厭わない性悪な悪女へとなってしまう。中の人が中の人なだけに「闇おんぷ」と言われることも
宍戸が本作以降ニチアサ枠のアニメに出演できないのもローズマリーの件が関わっていると思われ、宍戸も自身のTwitterで語っている。
同じ年に放送された『アバレンジャー』の仲代壬琴、『555』の草加雅人と合わせて、『2003年ニチアサ三悪人』とも称する声もある。


また、本田氏の歌った主題歌『ナージャ!!』の中には「みんな笑顔で会えたら 争いも きっとなくなる」という歌詞があるが、作中"笑顔"で再会しながらも、その後、争い合う関係になり、最後まで和解することのなかったナージャとローズマリーにとっては皮肉の様な一節ともとれる。



追記・修正は生き別れの母親を探して旅をしながらお願いします。

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  • ※日曜朝8時30分です。
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  • 再評価
  • 隠れた名作
  • 前番組との凄まじい温度差
  • 終盤は鬱展開の嵐
  • 感動のラスト
  • 涙腺崩壊
  • 2003年ニチアサ三銃士
  • 新人声優のデビュー作が主役
  • 1990年代生まれホイホイ

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最終更新:2024年11月27日 18:36