登録日:2025/01/04 Sat 23:28:31
更新日:2025/01/09 Thu 22:31:53
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『
パーティーから追放されたその治癒師、実は最強につき』は影茸によるライトノベル作品である。
「
小説家になろう」にて2018年より掲載されている。書籍版は2019年より「Mノベルス」(双葉社)より刊行化されている。既刊5巻
イラストはカカオ・ランタン。
略称は「
その治癒師」
【概要】
小説家になろうに掲載されている作品である。
初期魔法である「
ヒール」しか使えず、「
無能」扱いされた治癒師が追放されてしまうところから物語が始まる。いわば本作はなろう作品のトレンドの1つである「
追放モノ」、「
追放系主人公」の冒険譚である。
信頼を失った主人公だが、自身のことを信じてくれる新しい仲間たちにより、自身の見過ごされた才能が明らかになり冒険者として活躍していく様を描いている。
信頼できる仲間やヒロインの存在で救われていく主人公が見所であると言えよう。
シリーズ累計部数は100万部。
メディアミックスとして、「がうがうモンスター」にてコミカライズ版が連載されている。
また、2024年10月よりテレビアニメが放送されている。
【あらすじ】
かつて世界は〝邪竜〟と呼ばれる邪悪な存在によって滅ぼうとしていた。
しかし、1人の勇者によって邪竜は倒され、世界は救われた。
それから200年あまりの時が過ぎようとしていた――。
世に数多ある迷宮都市の1つ、マータット。
そこに〝無能〟と呼ばれる男がいた。名はラウスト。職業、治癒師。
ラウストはその無能さゆえに他の冒険者たちから蔑まれ、利用され、捨てられる。
そんな日々をくり返していた。
ある日、ラウストの前に1人の少女があらわれた。名はナルセーナ。職業、武闘家。
ナルセーナはとあるパーティーから追放されたばかりのラウストに言った。
「お兄さん、私とパーティーを組みませんか?」
今、ラウストとナルセーナ、2人の冒険がはじまる――。
【キャラクター】
・ラウスト
CV:
小野賢章
本作の主人公。
治癒師であるが、
使える治癒魔術が初級魔術である「ヒール」のみである。結果、「
無能」の烙印を押されてしまっている。
しかし、魔術の足りない才能を補えるほどの卓越した戦闘センスを師匠であるラルマから施されており、近接戦闘もできる。戦闘においての立ち居振る舞いなど的確な指示を出しつつ、自身も短剣を片手に前線で戦うことが可能である。
初めて参加したパーティーはいわば「囮役」として切り捨てられ、「稲妻の剣」に所属していた頃はパーティーメンバーによって理不尽な扱いを受け、追放される憂き目に合った。
しかしそんな自身を受け入れてくれたナルセーナと出会い、新しいパーティーを組んだことで、自身の理解者を得るに至り、自分の居場所を見出せるようになった。
ナルセーナが頻死のピンチになると、別人格が出て来てナルセーナをピンチに追いやった敵を倒す感がある。
・ナルセーナ
CV:前田佳織里
本作のヒロイン。
「稲妻の剣」から追放されたラウストに声をかけ、コンビを組んだことから2人の物語が始まる
艶のあるサファイヤのショートカットが特徴的な武闘家で、その実力はかなりのもの。一方で突っ走りやすいところがあるので、そこは経験豊富なラウストがサポートする構図でバランスが取れている。
実はラウストが最初のパーティーに裏切られて命からがら生き延びた際、ゴブリンの襲撃を受けていた馬車から助け出した貴族令嬢である。
しかし,
その時の髪色は金髪で彼女がナルセーナと気づくのは時間がかかった。
自身の身の上話を聞いたナルセーナは彼の孤独な境遇に涙をしてラウストと一緒に冒険者になることを夢見て、それを叶える形になった。
彼に一途で、時折ラウストにさりげなくアプローチをかけているが、なかなか想いを叶えるのは難しいようだ。青髪の伝承の対象者でもあるのだが…
・アーミア
CV:立花日菜
「稲妻の剣」に所属している魔導士。
大人しい性格だがそれゆえに精神的に弱い一面があり、リーダーであるマルグルスにそそのかされるがままにラウストの追放を後押ししてしまった。
なろう版とアニメ版ではその経緯、アーミアの性格付けが若干異なっており、なろう版ではマルグルスに傾倒している節がある。一方でアニメ版では大人しくて自分の意思をはっきりとできない気の弱さが強調されている。
・ライラ
CV:朝井彩加
「稲妻の剣」を追放されたラウストの後任でスカウトされた治癒魔術師。
多彩な治癒魔術を使役できる実力者。そして本作の中でも屈指の常識人であり、マルグルスのパーティー運営方針に疑問符を向ける。
そしてそうした真っ当な思考が後にラウストが冒険者として認められる足がかりになり、稲妻の剣解散後は、ラウストやナルセーナ、アーミアたちとパーティーを組む。
ジークとは昔馴染み。彼の不器用ながらも生真面目なところを好いており、後に彼に告白。その関係性も一歩前進した。
・ジーク
CV:梅原裕一郎
王都のギルドに所属する冒険者で、「稲妻の剣」をはじめとしたマータットの冒険者たちの様子を監視するためにやってきた。
登場当初は仮面を被っており、胡散臭い不思議な風貌であったが、昔馴染みのライラがおり、すぐに看破された。
ライラとは以前一流パーティーに所属していたが、自身が留守の間、男性メンバーによりライラが襲われそうになった。ライラは自分でそのメンバーを返り討ちにしたため、問題はなかったが、本人は気に病んでおり、会わす顔がなかったようだ。
そんな生真面目な彼をライラは好いており、「稲妻の剣」の事件が終わった後は一緒にパーティーを組むことになる(ラウスト・ナルセーナ・アーミアも一緒である)。
これをきっかけに少しずつ関係性も進んでいると思いたい・・・。
・マルグルス
CV:土岐隼一
「稲妻の剣」のリーダー。
金ぴかの鎧を着ている勇者。一流パーティーを名乗っているが、その実態はサーベリアと共に仲間を都度スカウトしては報酬をピンハネするという詐欺まがいのことをしていた。ラウストもその1人だったが、手持ちが予想以上に少なく、戦闘ではそれなりに使える認識があったが用済みと見なすや、追放してしまうという悪辣な思考の持ち主である。
しかし、彼がスカウトする仲間は後のライラやジークも含め、割と有能な人材が多い。
後に彼の振舞やアーミアを人身売買しようと画策したことが露見し、冒険者の資格を剥奪され、追放となる。
なろう作品・追放もの作品でよくある「ざまあ」枠を担うキャラその①
・サーベリア
CV:橋本鞠衣
稲妻の剣に所属している盗賊。
マルグルスとは恋仲で、彼とグルになって悪事をしている様子。だが、単細胞なマルグルスと比較すると割と常識人的思考は持っている様子。
マルグルス同様、後に悪事が露見し、冒険者資格を剥奪、追放となる。
「ざまあ」枠を担うキャラその②。
・アマースト
CV:引坂理絵
ギルドの職員。受付担当で、魔物から生じた魔石などを買い取る
守銭奴で、お人よしのラウストも彼女に対して良い表情をしていなかったが、筋は通す性格なため、頼まれごともなんだかんだで引き受けてくれる。
・ハンザム
CV:
宮田俊哉
ギルドマスター。以前は別の名でラウストと一緒に冒険者をしていたが、ゴブリン討伐失敗の責任をとり別の冒険者達に冒険者からは追放され、その後ギルドに拾われた。
・ラルマ
CV:
田村ゆかり
ラウストの師匠の魔術師。魔力は常人の比ではなく、「
炎人」と呼ばれる
【用語】
〇冒険者
異世界作品ではお馴染みの職種。魔物を狩り取り、そこから得られるドロップアイテムを売って稼ぐのが基本である。稼ぎ場所は複数あるが、中級者~上級者にとって一番の稼ぎ場所になっているのは「迷宮」であるとされる。一方で初級者弱い魔獣が出やすい草原地帯で経験を積むことが多い。
〇迷宮
中級~上級の冒険者の稼ぎ場所。下層へ向かう程、強力な魔物と出会いやすい。
〇スキル
異世界作品ではお馴染みの要素。人が先天的に有している才能とされている。
つまるところ、人の才能が具現化したもので、これにより戦い方を決めて、職業を選定しているとされる。
〇迷宮孤児
迷宮都市の冒険者が一夜の過ちで産んだ後捨てたり、冒険者の両親が不慮の事故などで死んだりして出来た孤児を指している。
ラウストもその1人である。
〇治癒魔術師育成機関
文字通り治癒魔術師を育成する機関で、治癒魔術師はこの世界でも結構貴重なため、ラウストのような孤児でも受け入れられることがある。その際、ラウストも幸運と思いこの機関に参加したわけだが、その結果、「ヒール」しか使えないことが発覚して追放されるに至る。
〇青髪の伝承
〝邪竜〟を打ち倒せる手段の一つ。〝邪竜〟が倒された際、命を懸した青髪の少女によって〝邪竜〟は迷宮の最下層に連なる異空間へ封じられた。
【テレビアニメ版】
2024年10月から12月までの期間でアニメ化された。原作第1章の内容から第2章にかけての内容をアニメ化しているがいくつか改変されているところもある。
テレビ朝日系列での放送。監督は大西景介。
アニメーション制作はスタジオエル。
OP:「最強?最高!Brave My Heart」
アーミアを演じた立花日菜によるオープニングテーマ
ED:「Only」
Sizukによるエンディングテーマ
ナルセーナが歌っているバージョンも配信されている。
追記・修正は追放されても実は最強だったことが証明された際にお願いします。
- なろうだと文章の出来、ニコニコ静画では展開の遅さで酷評されてたな -- 名無しさん (2025-01-05 01:10:55)
- よくこれ地上波でやったよ -- 名無し (2025-01-05 02:23:43)
- アニメでしか知らんがツッコミどころがまあまああった印象。っていうかなんか打ち切りみたいなテンポだったけど原作は展開遅いのか…。 -- 名無しさん (2025-01-05 07:01:14)
- コミカライズ版を3巻まで読んでからアニメ観たが…な~ぜかやたらと改変されてる箇所や、端折ってる箇所にアニオリが多かった。めっちゃマイルドになってたし。 -- 名無しさん (2025-01-09 10:45:36)
最終更新:2025年01月09日 22:31