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BOOK REVIEW Web担当者なら読んでおきたいこの1冊

『危ないミクシィ 大流行! SNSの闇』

ブックレビュー

BOOK REVIEW ウェブ担当者なら読んでおきたいこの1冊

『危ないミクシィ 大流行! SNSの闇』

山川 健(ジャーナリスト)

会員数800万を突破して拡大し続けるミクシィSNSの安全神話は
数々のトラブルによって崩壊

『危ないミクシィ 大流行! SNSの闇』
  • 『危ないミクシィ 大流行! SNSの闇』
  • 夏原 武、江 建、後藤 ひろし、上村 覚、片岡 亮、大月 隆寛 著
  • ISBN:978-4-86248-109-2
  • 定価:本体952円+税
  • 洋泉社

都市において人口と犯罪発生件数は正比例する。ネット社会も同様で、特定サービスのユーザーが増加すればその中で起きるトラブルも増える。

インフラ整備が人口増加に追い付いていない新興都市の犯罪発生率が高いのと同じように、ネットサービスも運営側のリスク管理意識が未熟なまま急激にユーザーが拡大すると、必ずトラブルが起きる。さらに言えば、性善説を前提にしているサービスならなおさら、問題が顕在化しやすい。そう考えれば、ミクシィの安全神話が崩壊するのは時間の問題だった。

ミクシィでは、1月下旬には会員数が800万を突破している。1人で複数のユーザー登録をするケースがあるものの、単純に考えて人口800万の大都市なら、毎日犯罪が起きてもおかしくない。既存会員の紹介がないと参加できないシステムで、実名登録を推奨しているから安心、と信じて“楽園”に集まった“電脳羊”たち。彼らが、海千山千の“電脳狼”に太刀打ちできるはずがない。

本書では、ミクシィをめぐる数々の具体的トラブルを当事者への直接取材を通して紹介し、ミクシィに潜む危険性をアピールし、ミクシィが決して、羊たちの安全な楽園ではないことを明らかにした。各企業サイトでも消費者を対象にしたSNS開設の動きが加速している。

SNSは、口コミマーケティングの効果的な手段で、ネットワークビジネスの手法によって顧客を拡大できる一方、大きな危険性もはらむ。本書はSNSを導入している企業にとっては良き反面教師になるだろう。

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