ストーリー・解説
ディスコダンスに熱中する若者の恋と成長を描き、世界中にディスコブームを巻き起こしたジョン・トラボルタ主演の青春映画。ニューヨーク、ブルックリンのペンキ屋で働く青年トニーは、変化のない日常にうんざりしていた。そんな彼の唯一の楽しみは、土曜の夜に着飾って街へ繰り出し、ディスコで踊り明かすこと。ある日、いつものようにディスコを訪れた彼は、新顔の魅力的な女性ステファニーと出会う。素晴らしいダンスを踊るステファニーに惹かれたトニーは、彼女の自立した生き方に刺激され、自身を見つめ直していく。彼女と新しい人生を始めるため、優勝賞金500ドルのダンスコンテストへの出場を決意するトニーだったが……。2022年4月にディレクターズカット4Kデジタルリマスター版公開。
1977年製作/121分/PG12/アメリカ
原題または英題:Saturday Night Fever
配給:シナジー
劇場公開日:2022年4月8日
その他の公開日:1978年7月22日(日本初公開)
引用元:https://eiga.com/movie/44787/
登場人物・キャスト
役名 | 俳優 | 日本語吹替 | ||
---|---|---|---|---|
ソフト版 | テレビ朝日版 | |||
トニー | ジョン・トラボルタ | 三木眞一郎 | 郷ひろみ | |
ステファニー | カレン・リン・ゴーニイ | 加藤ゆう子 | 鈴木弘子 | |
ボビー | バリー・ミラー | 上田祐司 | 塩屋翼 | |
ジョーイ | ジョセフ・カリ | 川村拓央 | 田中秀幸 | |
ダブルJ | ポール・ベイブ | 望月健一 | 石丸博也 | |
アネット | ドナ・ペスコウ | 山田美穂 | 藤田淑子 | |
その他 | 谷昌樹 津田真澄 室園丈裕 佐藤晴男 飯島肇 大川透 園部啓一 麻生まどか 福島おりね 城雅子 |
沼波輝枝 沢井正延 冨永みーな 前沢迪雄 伊武雅刀 安原義人 藤本譲 滝雅也 片岡富枝 横尾まり 八幡いずみ 久保晶 上山則子 広瀬正志 小比類巻孝一 |
引用元:https://ja.wikipedia.org/wiki/サタデー・ナイト・フィーバー
感想
ブルックリンのペンキ屋で働くトニーは、変わりばえのない毎日の生活にうんざりしていた。
そんな彼の生き甲斐は土曜日の夜(サタデーナイト)にディスコで踊り明かすことだけ。
ある日、ディスコで年上の女ステファニーに出会う。
同じブルックリンで生まれながらもインテリで自立し、将来設計を持つマンハッタンのステファニーに影響されたトニーは、自分の生き方を考え直すようになる。
やがてステファニーとの生活を夢見て、ディスコで行われる賞金付きダンスコンテストへの出場を決意する。
映画は知らなくても、有名な決めポーズは観たことあるでお馴染みの『サタデー・ナイト・フィーバー』。
↑この、面白いポーズのインパクトが強くて、観る前はコメディ映画なのかと思っていたのですが、かなりの社会派ドラマでした(^▽^;)
主人公のトニーは、若者特有のエネルギーはあり余っているけれど、やりたいこと見つからず、ヤンチャな仲間と遊んで日々を過ごす冴えない不良という感じの男なのです。
家庭では優秀な兄と比べられグチグチ言われ、
ヤンチャ仲間たちと過ごすことへも疑問を持ち始めていました。
ですが、ペンキ屋で働くだけでは収入もたかが知れており、この生活から抜け出す力もない鬱屈した日々を送っています。
いや~、等身大の主人公でわかりみが深すぎますよね(-▽-;)
誰もが経験する問題ではないでしょうか?
若くエネルギーがあり余っているのにやりたいことが見つからず、無意味に毎日を過ごし、やっとやりたいことが見つかったときにはすでに遅いのです。
そんなトニーが唯一、情熱を注げるのが土曜の夜(サタデーナイト)のディスコで踊り明かすこと。
バニラは世代じゃないので、ディスコブームを知らないのですが、アメリカでは1960~1970年代にディスコブームが巻き起こり、日本もバブルのときディスコブームですごかったそうですね。
当時のディスコは若者たちのエネルギーのはけ口だったのでしょう。
そんなディスコで踊っているサタデーナイトだけは輝いているのですが、平常時との落差が余計にデカダン(退廃的)な雰囲気を強調します。
ディスコで踊って輝けるのは若いときだけ、トニーはこの生活も長くは続かいことを薄々気付いています。
将来に対するぼんやりとした不安を抱えています。
そんなある日、トニーはディスコで年上の女性ステファニーと出会い、彼女のダンスの腕前を見初めたトニーは彼女とコンビを組んでディスコで行われる賞金付きのダンスコンテストに出場することを決めるのです。
トニーはステファニーと共に過ごすうちに、彼女の生き様に感化され、「このままではいけない、変わらなければ」と自分の生き方を考え直すようになるんですね。
こんなこと言うのはいけないことだと思うのですが、やっぱり付き合う人って大切なのだと思います。
良くも悪くも人は周りの人に影響されますよね(^▽^;)
良い人と付き合え良い影響を受けるし、悪い人と付き合えば悪い影響を受けるものです。
トニーはステファニーと出会わなければ、このまま地元のヤンチャ仲間とつるんで、サタデーナイトフィーバーを楽しむだけの人生で終わっていたと思います。
そして、歳をとって地元の酒場などで「俺たち昔はヤンチャして、ブイブイ言わせていたよな」とヤンチャ仲間と昔の栄光に花を咲かせるだけの時代遅れのおじさんになっていたでしょう。
ですが、ちゃんとした大人のステファニーと出会ったことで、トニーは自分の人生を見つめ直すことになるのです。
そして、トニーの「変わりたい」という気持ちを決定付け背中を押す切っ掛けとなったのは、ダンスコンテストでの裏切りだったのです。
唯一情熱を注ぐ対象だったダンスのコンテストで不正審査が行われ、自分よりダンスが上手かったプエルトリコの選手を押しのけ、トニーは優勝してしまうんですね……。
審査員はよそ者であるプエルトリコ人たちに賞をあげたくなったようで、そのためトニーは優勝できたのです。
しかし、トニーからしたらそれは唯一情熱を注げる対象だったダンスを穢す行いです。
今までの努力は何だったのか! と。
そのことがきっかけで自暴自棄になったトニーは、好意を寄せていたステファニーを襲ってしまい、拒絶され、二人は喧嘩別れのような状態になります。
ですが、それがトニーにとっての通過儀礼となり、トニーはヤンチャ仲間と距離を取り、家(ブルックリン)を出ることを決め、ステファニーに今度こそ生まれ変わることを誓ったところで物語は終わるのでした。
成長には苦痛が付きまとう、それが通過儀礼なのです。
この物語は「ダンス」を軸に進みますが、たまたま取り扱ったのがダンスだっただけで、ダンスでなくても成立する若者の苦悩と葛藤と成長をテーマにしているからこそ、時代を超えて人々の心を惹きつける名作となったのでしょう( ̄▽ ̄)ゝ