【5449】銀嶺月山 純米大吟醸(ぎんれいがっさん)【山形県】

日曜の夕方、ふらりとH居酒屋へ。どういうわけか、日曜日にH居酒屋に行くことが多く、店のテレビでNHKの大河ドラマを飲みながらみることが多い。
この日もカウンターの、わたくしが座る定位置に腰を落ち着けたら、店主が言った。「常連さんから、山形旅行のお土産としてお酒をいただいたんです」。それは「銀嶺月山 純米大吟醸」だった。「銀嶺月山」は当連載でこれまで、2種類を取り上げている。
「月山」という酒名は全国に2つあり、間違う人がすくなくない。島根県の「月山」は、地元尼子氏の居城「月山富田城」に由来し、今回の山形県「月山」は出羽三山の霊峰に由来する。さて、お土産酒を店主のお相伴でいただいてみる。
上立ち香は果実香がほのか。含み香は適度にフルーティー。やわらかな口当たり。甘旨みがけっこう出ており、中盤から余韻にかけては辛み。それに甘みも加わる。その結果、けっこう力強く、しっかりとした味わいに感じる。いかにも純米大吟醸酒だ。ただし、酸は奥にあり、あまり前には出てこない。クラシックタイプの、ミディアムボディー酒。あるいは醇酒。
蔵のホームページはこの酒を以下のように紹介している。
「酒造好適米『山田錦』『出羽燦々』を贅沢に磨き醸し上げた純米大吟醸酒。氷温管理したフレッシュな口当たりがお楽しみいただけます。爽やかな香りと気品のあるやわらかな味わいをご堪能ください」
瓶のラベルのスペック表示は「アルコール分15度、精米歩合50%、原材料名 米 米麹(原料米は全て国産)、製造年月23.10」にとどまり、使用米の品種名が非開示なのは残念だ。
またこの酒瓶が入ってきた箱には「GI YAMAGATA」のマークが入っており、「インターナショナルワインチャレンジ 首席トロフィー受賞」と書かれている。一方、蔵のホームページには「IWC2014 純米大吟醸部門 トロフィー賞受賞」と書かれている。前者と後者は同じことを言っているのか、はたまた違うのか。
箱に表示されている「GI YAMAGATA」のマークの「GI」は、一定の基準を満たした品質と正しい産地であることを示す、地理的表示のこと。地域や品質を国が保証してくれるもので、消費者にとっては、国のお墨付きがつくことで原産地偽証などの粗悪品をつかみにくくなるメリットがある。農林水産物では、あおもりカシス、但馬牛、夕張メロンなど106種類が登録されている(2021年3月現在)。
一方、酒類の「GI」は、国税庁長官が指定した酒類の地理的表示で、2023年11月現在、「白山」「山梨」「日本酒」「山形」「灘五郷」「はりま」「三重」「利根沼田」「萩」「佐賀」「長野」「新潟」「滋賀」「信濃大町」「岩手」「静岡」が指定されている。







