ジャムの「アヲハタ」はミカンの缶詰が始まり かんきつ名産地の瀬戸内広島発祥【経済トレンド】

2025年03月12日 07時05分
ジャムで知られる食品メーカー「アヲハタ」は、キユーピーの創業に携わった中島董一郎が営む商店から全額出資を受け1932年、現広島県竹原市で「旗道園」として創立。ミカンの缶詰やオレンジママレードの製造が始まりだ。(共同通信=増井杏菜記者)
かんきつ類の名産地の瀬戸内にあり原料を厳選できた。最高品位の製品のみを「アヲハタ」ブランドで販売した。太平洋戦争下に解散したが1948年に廿日出要之進が発起人となり青旗缶詰を設立し再出発。ブランドや社名は中島が英国留学中にケンブリッジとオックスフォード大のボートレースで見た校旗の色が由来だ。
1962年、キユーピー印のミートソースなどの調理食品缶詰も製造。糖度65以上が主流だった1970年には糖度を55に抑えたジャムシリーズ「アヲハタ 55」を打ち出した。
1985年のプラザ合意による急激な円高で缶詰産業は不況に。脱缶詰を掲げ、原料調達を見直しながら新商品開発に力を入れ、1989年に現社名となった。
近年では冷凍フルーツに注力。凍ったままでやわらかい「くちどけフローズン」や、もみほぐしながら食べる「まるかじゅり」を展開している。