細川元首相「私なりに描きました」 京都の寺にふすま絵

富永鈴香
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 元首相の細川護熙(もりひろ)さん(83)が5日、臨済宗建仁寺大本山の建仁寺(京都市東山区)に、自ら描いた24面のふすま絵「瀟湘八景図(しょうしょうはっけいず)」を奉納した。約1年がかりで今年1月に完成させたといい、「日本の文化を守りながら、私なりに描きました」と話した。6日から年末までの予定で特別公開される。

 寺の中心となる建物「本坊」の大書院を仕切るふすまの絵。ふすま12枚の表と裏に、中国湖南省の二つの川(瀟水(しょうすい)と湘水(しょうすい))と、それらが流れ込む洞庭湖(どうていこ)周辺の八つの景勝地を水墨で描いた。「枯山水の禅宗寺には水墨の絵がふさわしい」と細川さんが画題に選んだ。

 細川さんは1993~94年に首相を務め、98年に政界を引退した後は書や水墨画、陶芸などに取り組んでいる。奈良の東大寺薬師寺などにもびょうぶ絵や障壁画を奉納している。

 建仁寺の塔頭(たっちゅう)の一つに細川家の先祖の墓所があり、臨済宗を日本に伝えて寺を開いた栄西の生誕880年を記念し、寺が依頼した。式典で奥村紹仲(じょうちゅう)・同派宗務総長は「多くの方々にみていただき、大切に後世に残していきたい」と話した。

 拝観時間は午前10時~午後4時。拝観料は大人600円。問い合わせは建仁寺(075・561・6363)へ。

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