元最高裁長官の山口繁さん死去 退官後「集団的自衛権は違憲」と指摘

 元最高裁長官の山口繁(やまぐち・しげる)さんが11月27日、肺炎のため死去した。92歳だった。通夜、葬儀は近親者で行った。最高裁が明らかにした。

 兵庫県出身。京大法学部卒。最高裁総務局長や福岡高裁長官を経て1997年3月から最高裁判事を務めた。同年10月に第14代の長官に就任し、2002年11月に退官した。

 最高裁総務局長の時期には、裁判所の適正配置をうたって全国の簡易裁判所の統廃合を進めた。最高裁長官としては02年、国営だった郵便事業で生じたトラブルについて、国の賠償責任を限定した郵便法の規定は憲法違反だとする大法廷の判決を裁判長として指揮した。

 退官後の15年には朝日新聞の取材に対し、当時国会で審議されていた安全保障関連法案をめぐって「集団的自衛権の行使を認める立法は違憲だ」と述べ話題になった。

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