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電気自動車の「民主化」へ貢献? リープモーターT03へ試乗 背後にステランティスあり

公開 : 2025.01.17 19:05

電気自動車の民主化を狙う?中国生まれのT03 サイズ感は狭く高いスズキ・イグニス 航続距離265km タッチモニター搭載 95psで発進は活発 高速道路での追い越しも可能 英編集部が評価

サイズ感は幅が狭く背の高いスズキ・イグニス

中国の自動車メーカーが、次々と欧州市場へ挑んでいる。だが、最近流行りのAI技術を利用してデザインされたような、個性の薄いクロスオーバーばかり。以前にご紹介したリープモーターのC10も、そんなステレオタイプに当てはまるだろう。

ただし、このリープモーターは他社と大きく異なる強みがある。最大の株主が、プジョーシトロエンなどを傘下に収める、ステランティス・グループだという事実だ。

リープモーターT03(欧州仕様)
リープモーターT03(欧州仕様)

そのため、既に欧州市場にはディーラー・ネットワークが整っている。物流などのスケールメリットを活用できる。ステランティスが背景にあると知れば、顧客は他の中国ブランドより安心感を抱けるであろうことも、有利な点だろう。

リープモーターがクルマ作りで重視しているのが、お手頃な価格と、日常生活を快適にする最先端の技術力。今回ご紹介するコンパクト・ハッチバック、T03は、まさにそのど真ん中にあるモデルといっていい。

欧州市場は、日本と同様に小さなクルマの需要が高い。しかし安全性の強化や電動化技術の導入により、安価に提供しつつ、充分な利益を上げることは難しくなっている。近年の選択肢は、大幅に狭まっているのが現状だ。

そこへ投入されるのが、英国価格1万5995ポンド(約312万円)からのT03。全長は3620mm、全幅が1577mm、全高が1652mmという小ささで、幅が狭く背の高いスズキ・イグニスといったサイズ感にある。

最高出力95ps 航続距離265km タッチモニター搭載

スタイリングの印象は、人それぞれだと思うが、魅力に長けた見た目とは表現しにくいだろう。とはいえ背の高いプロポーションで、身長が180cmを超える大人でも4名が問題なく座れる車内空間を内包する。

衝突安全性能を測る、ユーロNCAPの結果は出ていない。だが、ボディの68%は高強度鋼で構成されるとのこと。衝突時の衝撃を吸収するクラッシャブルゾーンも備わり、エアバックは6基実装されている。

リープモーターT03(欧州仕様)
リープモーターT03(欧州仕様)

駆動用モーターはフロント側にマウントされ、最高出力は95ps。駆動用バッテリーの容量は37.3kWhあり、航続距離は265kmがうたわれる。市街地中心なら394km走れると、リープモーターは主張する。充電には、最大45kWまで対応している。

ダッシュボード上には、8.0インチのメーター用モニターと、10.0インチのインフォテインメント用タッチモニター。カーナビとデジタルラジオを利用できるものの、アップル・カープレイとアンドロイド・オートには非対応だ。

エアコンの操作画面はタッチモニター内にあり、正直操作しにくい。運転支援システムを切る場合は、一度停車する必要がある。これ以外の機能の操作性は、悪くないだろう。

奥行きがあるものの、開口部が狭い荷室の容量は210L。充電用ケーブルが、大部分の面積を専有しているが。

記事に関わった人々

  • 執筆

    クリス・カルマー

    Kris Culmer

    英国編集部ライター
  • 翻訳

    中嶋健治

    Kenji Nakajima

    1976年生まれ。地方私立大学の広報室を担当後、重度のクルマ好きが高じて脱サラ。フリーの翻訳家としてAUTOCAR JAPANの海外記事を担当することに。目下の夢は、トリノやサンタアガタ、モデナをレンタカーで気ままに探訪すること。おっちょこちょいが泣き所。

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